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Chrome OSの最新版、Androidとの連携強化など新機能が追加
2021年3月10日 02:45
Androidとの連携強化
最新版となるChrome OS M89では、新たに「Phone Hub」が利用できるようになる。AndroidスマートフォンとChrome Bookの連携をより深めるもので、接続したスマートフォンの名前、バッテリー残量や電波強度などをChrome Book上から確認できる。
また、テザリングやマナーモード、スマートフォンを探す機能のオンオフをChrome Book上からも操作でき、さらに最後にスマートフォンで開いていたアプリケーションをChrome Book上からもシームレスに連携でき、違うデバイス間で同じ作業を引き続き行う際などの快適さを向上させている。
デバイス間のファイル共有「Nearby Share」(ニアバイシェア)に対応する。これにより、AndroidとChrome Book間でのファイル共有がよりスムーズにできる。現状ではニアバイシェアが対応するデバイスは、AndroidとChrome OSのみでWindowsやmacOSへの対応予定はないという。
作業の利便性向上
「クイックセッティング」内もしくは任意のショートカットキーからの正確なスクリーンショットに対応する。
また「Tote」(トート)では、最新のファイルや最後に使ったファイルをクイックアクセスのような感覚で一箇所にまとめて表示される。またクリップボードには、コピペした文章や画像、ファイルなどを保存できるようになった。
仮想デスクトップ機能では、オーバービューモードを追加。より簡単に利用できるようにした。
右クリックメニューに追加される「Quick Answers」では、任意の言葉などの意味や翻訳、単位の変換などが可能で、ちょっとした調べ物のためにわざわざ新しくタブを開いて検索する手間を軽減する。
このほか「Select-to-Speak」(選択して読み上げ)では、読み上げのスピードを速くしたり遅くしたりといった速度制御や一時停止、違う文章への移動などが簡単にできるようになる。
さらに「Wi-Fi Sync」は機能を拡張。、Chrome OSの起動時にAnroid スマートフォンのGoogleアカウント情報を参照し、同じアカウントでログインできる。ChromebookのWi-Fiパスワード情報をほかのChromebookだけでなく、Androidスマートフォンとも共有できるようになる。自動的にセキュリティを認識し、セキュリテイをかけた接続が行われ、パスワードを打つ必要がないという。
今年で10周年を迎えるChrome OS。従来は2台目のマシンとしての需要が高かったものの、近年ではメインマシンとして使用されるケースも多くなって来たという。グーグルのジョン・マルティス氏は、これをクラウドの活用などが一般に浸透したことによるものと説明。世界中で販売されるデバイスのうち10台に1台がChrome OS搭載だという。
同氏は、1年前にあらためてChrome OSのニーズを社内で再検討。新型コロナ禍においてはデバイス間のアクセスが上手くいかないなどの課題があることを認識。
また、人はあるデバイスを仕事や余暇のアクティビティなどさまざまな場面で用いる。そのため、単一でも複数のデバイス間でもさまざまなモードを容易に切り替えられる必要性があるとした。
「だから、Chrome OSはいろいろな人がいろいろな作業をする。それに適用していかなくてはいけない」と語る。
アプリケーションベンダーとも連携して開発を進めているとマルティス氏。Microsoft OfficeやSlack、グーグルのアプリケーションなどの仕事関連やYouTubeやDisney+などのエンタメ、アドビのLightroomなどのクリエイティブ関連とさまざまな作業が、Chrome OS上で実現している。
Chrome OS搭載のハードウェアは、今年世界で50以上のデバイスが発売予定。日本においても「ASUS CM3」が発売される予定となっている。
LTE対応をさらにすすめていく
これから先、多くのユーザーがいろいろな作業をする上で、デバイスの使い分けの柔軟性やセキュリティ確保の重要性を訴えるマルティス氏。
新しいテクノロジーとして「Inteligent Experiences」を挙げる。ユーザーの作業を理解しユーザーが必要としているものを予測する機能だという。また、常にネットワークに接続することも念頭に置くとマルティス氏。今後、多くのChrome BookでLTE対応を進めていくことを明かした。
セキュリティの向上や違うデバイス間での作業が苦でなくなるように、よりシームレスにできるよう、生産性の向上に務めていくとした。