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Twitter、米国大統領選挙への取り組みを分析

引用ツイート推奨は引き続き経過観察

 Twitterは、2020年アメリカ大統領選挙に関して行った取り組みの影響についてTwitterブログにまとめた。

Twitterブログより

誤解を招くツイートにラベル付け

 Twitterでは10月27日~11月11日まで、「議論の余地があるコンテンツ」や「誤解を招く情報」が含まれている約30万件のツイートにラベル付けを行った。

 ラベルを付けたツイートは、すべての大統領選関連のツイートのうち0.2%に相当する。

 ラベルが付いたツイートのうち、456件に対しては警告メッセージも表示された。警告メッセージが付加されると、ツイートの引用はできるが、リツイートや返信、いいねができなくなる。

 ラベルや警告メッセージ付きのツイートを見たユーザーのうち、約74%は該当のツイートを表示させたが、ツイートの引用は従来より約29%減少したと推測している。

 また、Twitterではアメリカ国内のすべてのユーザーに、アメリカ大統領選挙に関する注意喚起を表示させ、選挙結果に遅れが生じる可能性や郵便投票の安全性や適法性などを再認識させることができた。

引用ツイートの推奨

 ユーザーがツイートをリツイートする際、考える時間をつくれるように引用ツイートでの拡散を推奨した。これにより、リツイートは23%減少、引用ツイートは26%増加した結果、リツイートと引用ツイートの全体の総数は、20%減少した。

 Twitterによると、この施策で誤情報の拡散を抑制したことになるという。

 Twitterでは、引用ツイートの推奨に関する影響を、長期的に観測し検討するため、当面この取組を継続していくとしている。

おすすめツイートの非表示

 ユーザー自身がフォローしていないアカウントやツイートをタイムラインや通知に「おすすめ」として表示する機能がある。

 Twitterでは、誤情報の拡散抑制に役立つと考え、おすすめ機能を停止した。

 データを分析した結果、この取組は誤情報の拡散抑制に役立ったという成果は見られず、むしろ多くの人が新たな会話やアカウントに出会う機会が少なくなったことが明らかになった。

 よって、おすすめ機能はもとに戻すことにしたという。

トレンドの 「おすすめ」には背景情報を必須に

 トレンドのおすすめには、代表的なツイートや説明のツイートなど、背景情報を必ず盛り込むことにした。これによりユーザーは、迅速に情報を得られ理解が進む記事を表示した。

 この結果、Twitterへの報告件数が大幅に減少し、Twitterに表示されるトレンドの数や範囲が大幅に制限されることになった。これにより、多くの人にとって「おすすめ」を自分の興味の対象と関連性のないものになってしまったという。

 このため、Twitterでは背景情報の掲載はできるだけ掲載するが、必須とはしないことにした。

 Twitterでは、2020年アメリカ大統領選挙に関する全ての取り組みを振り返り、2021年上旬により詳細な報告書を作成する。

 また、今後も警戒を緩めずTwitter上の選挙に関する会話の清廉性を守るための取り組みを続けていくとしている。