ニュース

auの5Gは「みんなの5G」――豊富なラインアップと新サービスで5G普及を図る

 KDDIは25日、UNLIMITED WORLD au 5G発表会 2020Autumnを開催。同社から発売される新型の5Gスマートフォンや新サービスが発表された。

 発表の場には、KDDI 代表取締役社長の髙橋誠氏が登壇。auの5Gは「みんなの5G」という髙橋氏は「auはこれから全機種5G。特定の人だけでなくみんなに5Gを」と5Gの広がりについて熱意を現し、これを「5Gの再起動」とも位置づける。

KDDI 髙橋氏

 今回、auから発売されるスマートフォンはいずれも5G端末。今後、auから発売されるスマートフォンは今回のようにすべて5G端末になるという。加えて、10月1日からUQコミュニケーションズより承継するUQ mobile、グループ傘下のBIGLOBEとJ:COMがそれぞれ展開するMVNOサービスでマルチブランド戦略を展開。

 auでは、さまざまなサービスと結びつき、大容量・無制限のヘビーユーザーに向けたサービス。UQでは、シンプルで低廉な料金。BIGLOBEとJ:COMもそれぞれが持つユーザー層へのアピールを続け、多様なニーズに合わせる。

 その上で、髙橋氏は「これからはサービスが回線を選ぶ時代。『このサービスを使うならauだ』と言ってもらえる回線を提供していかなくてはいけない」とネットワーク整備強化に向けた発言を見せる。

 スマートパスプレミアムについても、今までにない「視覚体験」「ダイナミックさ」「リアリティ」をキーワードにサービスを拡充する。具体的にはマルチアングル動画やGeForce Now、宇宙遊泳体験のVR空間やレッドブルによるエクストリームスポーツを選手視点で楽しめる動画や動物園のコンテンツも提供する。

 TELASA、Paravi、FODの見放題のプラン「データMAX 5G テレビパック」も登場する。提供は10月2日から。髙橋氏は「これまでは通信とサービスが別れていたため高額になったが、このサービスを使うならau 5G」というようになってもらえればと語る。また、ピタットプラン 5Gについては、4Gと同じ料金に改定された。

5G基地局の展開は

 5G基地局の整備について髙橋氏は「我々は5Gの投資をしなくてはいけない。それによりこれからの付加価値提供の基盤を作るのが役目」と5G展開の意義を語る。

 現在のKDDIの計画では2021年3月末で約1万局、2022年3月末で約5万局の5G基地局が展開される予定となっているという。5G用に割り当てられた新規の周波数に加えて、既存の4G周波数を5Gへの転用も併用し、エリアをいち早く広げていく。

 5Gは、政府が提唱する「Society 5.0」の基盤となるテクノロジーと髙橋氏。5Gの力で加速させるとともに、NTTやローソンなどほかの企業とのコラボレーションにより社会課題解決を進める。

SHOWROOMの新サービス「smash.」

 SHOWROOMが提供予定の新サービス「smash.」は、プロによる縦画面動画を配信する新たな動画配信メディア。

SHOWROOM 前田氏

 smash.はスマートフォンに向けた「縦画面動画」の配信サービス。YouTubeや類似する「TikTok」との違いは、クリエイター側がプロフェッショナルのみであることだ。これまでのSNSは一般ユーザーが一般ユーザーに向けてコンテンツを作ってきたが、smash.はプロクオリティのコンテンツをスキマ時間に手軽に楽しめることがポイント。動画の時間はおおむね5分~10分程度という。

ネットによりタレントとファンの距離が縮まったと前田氏。それにより熱狂的ファンが増加するというサイクルが発生。新人タレントなどもファンをつかみやすい状況に
smash.の小文字は主役がコンテンツであるということ、「.」には短い時間の体験を線の感動へという意味がある。「スマッシュ」はスマッシュヒットをスマホから、という意味

 SHOWROOM 代表取締役社長の前田裕二氏は「スマホの上にステージを作ること、『いつかテレビや映画に出たい』と言われるように『smash.』作品を出したい・出たいと言われるのがミッション」と新サービスへの想いを語る。

 プロのクリエイターとプロの演者によるハイクオリティなコンテンツを提供する場がsmash.であり、現状では「プロの演者が出る場所がスマホ上には存在していない」という前田氏。「憧れの場所」になるようなファンが集う場所を作り、TVなどレガシーメディアと共存しながら新しいメディアをつくるという。

 加えて5Gが普及することにより、これまでテレビや映画のスクリーンに向けて映像を作っていたプロの映像家がスマホへの進出が加速すると予測。高解像度の映像を遅延なく届けられる環境によりクオリティの高い動画がより活きるという見方を示した。

 縦画面のメリットについて、前田氏は「縦画面は『ポートレート(=肖像画)』。人を魅力的に魅せるのに適しているのが縦画面。人にフォーカスするのに適している」と説明。具体的なコンテンツについては、21年3月末までに2600本用意され、中にはジャニーズのグループのコンテンツもあるという。

 また、音楽ライブのみならず、ドラマなども用意され、ミステリー系のストーリーがすでに配信されることが決定している。加えて、フルリモートの劇団「ノーミーツ」とのコラボも予定しているという。

 利用料金は月額550円。auユーザーであれば、半年間無料で利用できる特典も用意されている。

バーチャル空間を推進

 KDDIはこれまでバーチャル渋谷やバーチャルハマスタ、LJL 2020 Summer Spilit Finalsなどのバーチャル空間体験を提供してきた。もともとは渋谷でVRなどを利用した体験を要していたが、新型コロナにより難しくなったことから始まったというバーチャル空間だが、利用者は10万人に上るという。

 こうしたことを踏まえて、10月には「バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス」が開催される。clusterが用意するVR空間でネットフリックスが空間内にある大型ディスプレイで映像を配信するほか、吉本興業の「ホログラムお笑いライブ」やキッザニアによる「アバターパレード」や音楽ライブが開催される。

試合観戦のみならずグッズ購入などが可能にパワーアップしたハマスタも

新CMも発表

 発表会の場には、auのCMに出演している松田翔太、桐谷健太、池田エライザの3人も登場した。桐谷健太は、新CMについて前作までと雰囲気が一変。クールでスタイリッシュな姿を見せられるのではと思うとコメント。

左から桐谷健太、松田翔太、池田エライザ

 3人は会場でARとVR空間を体験。松田翔太はARでやってみたいこととして「家具の配置」を挙げる。自粛期間中に本を沢山買ったという松田は部屋の中に配置する本棚の位置やサイズをARアプリでできたらと語る。

 初めてバーチャル空間を体験した池田エライザはclusterで配信中の同発表会を自分のアバターで体験。「まるで本当にみんなといるかのよう」と以前から興味があったというバーチャル空間に興味津々の様子だった。