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【今日は何の日?】2010年、TigersケータイとGiantsケータイが発表――プロ野球をまた応援できる日を期待して

 2010年4月30日、「Tigersケータイ」「GIANTSケータイ」が発表されました。その名の通り、プロ野球球団の阪神タイガースと読売ジャイアンツのファンに向けたMVNOです。携帯電話端末そのものはあっさりした仕上がりながら、オリジナルコンテンツとしてチーム関連のニュースや画像、試合の選評などが提供されたほか、チケットの優先販売などが用意されたサービスでしたが、約2年後、残念ながらサービスは終了します。

 4月30日は、大型連休の時期で、過去の本誌を振り返ると携帯電話会社の決算会見を伝える記事がいくつかありますが、新製品や新サービスの発表は少な目です。そうした中で筆者はなぜ、今回、TigersケータイとGiantsケータイの発表を伝える記事に着目したのか――。

 振り返ると、日本の携帯電話の歴史で、プロスポーツ、特にプロ野球との関わりはたくさんありました。2000年の「J-SH03 ジャイアンツフォン」や、2003年秋に登場した「P505i 阪神タイガース優勝バージョン」、12球団分用意された「901i」向けのカスタムジャケットといったハードウェアのほか、2006年春にスタートした「ワンセグ」では先行サービスとして巨人の開幕戦の放送が実施されたり、今では当たり前となった実在選手の登場する携帯向けゲームの発表会が開催されたりしたこともありました。ちなみに本誌では、2011年12月、DeNAのプロ野球参入会見も取材しています。ちょっとセ・リーグの話題が多めではありますが、たとえばパ・リーグの各球団が2007年に設立したパシフィックリーグマーケティングは、当初からモバイル向けの試合中継などに向けて立ち上げられた企業。過去の取材では、パ・リーグのほうがWebを通じたコンテンツ配信において、先進的な取り組みをしていると感じたことが何度かありましたが、その際、パシフィックリーグマーケティング社の存在があったからこそなのでしょう。ここ数年はDAZNのおかげで、どの球団のファンであっても、スマホでの視聴環境は本当にお手軽になったのではないでしょうか。

 阪神ファンの筆者も、スマートフォン向けのプロ野球実況サービスを利用しています。この時期はシーズン開幕から1カ月、チームの成績に一喜一憂しつつ、まれに球場を訪れて応援したり、現地で応援できなくても帰宅後のスポーツニュースを晩酌とともに楽しんだりしている時期です。

 しかし2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、プロ野球の開幕は依然、いつになるかわかりません。プロ野球に限らず、各スポーツ競技がプレイすることも、対面で応援することも難しい状況です。観客を入れずに実施する方法などが模索される中、もしプロの素晴らしいプレイを観る機会があるのなら、ファンは現地観戦の代わりに、パソコンやスマートフォン向けの中継サービスに加入したり、応援グッズを別途購入したりするなど、それぞれのスタイルで時代にあわせた応援をしていくでしょう。モバイル分野を追いかける本誌では、スマートフォン本体や料金といった情報はもちろん、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越える時代に向けて、スマホで楽しんだり応援したりできるスポーツとの関わり方をこれからもお伝えしていきます。