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ドコモ、総務省「5G総合実証試験」の取り組みを発表

 NTTドコモは16日、総務省の令和元年度5G総合実証試験の取り組みとして、2019年10月から2020年3月にかけて、5Gを活用した12の実証実験と超高速移動環境における電波伝搬特性の測定を行った。

 5Gを活用した実証実験は、総務省が主導して2018年度(平成30年度)から開始している。2019年度には、5Gの利活用アイデアを募集した「5G利活用アイデアコンテスト」で上位に入賞したアイデアをもとに、37の自治体、企業、大学などがさまざまなユースケースで実現性の検証に取り組んでいる。

全国各地で実施された5G総合実証実験

 ドコモは「屋外環境において複数基地局、複数端末の環境下で平均4~8Gbpsの超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」の主体となって実験を実施した。同実験は4.5GHz帯および28GHz帯の5G無線装置を用いた医療・介護、観光、労働力、教育、モビリティの5つの応用分野におけるサービス・アプリケーションの実証試験を全国各地で行った。

「屋外環境において複数基地局、複数端末の環境下で平均4~8Gbpsの超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」
応用分野実施場所5Gを活用した実証試験の概要
医療・介護和歌山県日高川町など5Gを活用した高度遠隔移動診療に関する実証試験
群馬県前橋市5Gを活用した救急搬送高度化に関する実証試験
広島県広島市5Gを活用した高精度顔認証およびセンサーによる見守り・行動把握に関する実証試験
観光宮城県仙台市5Gを活用したリアルタイムクラウド編集・中継ソリューションに関する実証試験
沖縄県名護市ほか5G×BodySharingを活用した沖縄県の観光振興に関する実証試験
労働力愛媛県今治市5Gを活用した高技能工員の労働安全確保に関する実証試験
教育岐阜県中津川市5Gを活用した伝統芸能の伝承(遠隔教育)に関する実証試験
モビリティ岐阜県中津川市5Gを活用した音の視覚化による生活サポートに関する実証試験

 また、NTTコミュニケーションズが実施主体となった「移動時において複数基地局、複数端末の環境下で平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」にも参画した。4.5GHz帯および28GHz帯の5G無線装置を用いて、電車や除雪車などを想定した移動体に対する無線アクセスに関する試験を行い、4つの応用分野における実証試験の実施および超高速移動環境における電波伝搬測定を実施した。

「移動時において複数基地局、複数端末の環境下で平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」
応用分野実施場所5Gを活用した実証試験の概要
モビリティ大分県大分市ほか5Gを活用した濃霧の中での運転補助に関する実証試験
防災・減災大阪府大阪市5Gを活用した地下鉄安全確保支援に関する実証試験
行政サービス福井県永平寺町5Gを活用した雪害対策(除雪作業の効率化)に関する実証試験
地場産業長野県長野市5Gを活用したゴルフ場でのラウンド補助に関する実証試験