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超広角カメラがポイントのiPhone 11シリーズ
2019年9月14日 10:00
2019年の「iPhone」は、初めて超広角カメラを採用し、「iPhone 11 Pro」の2モデルはトリプルカメラ構成となった。
トリプルカメラは、Androidスマホのハイエンドモデルでは当たり前のようになりつつあるが、「iPhone」もそうしたトレンドをフォローしてきた形だ。ユーザーのニーズも多く、使用頻度も高いカメラ機能、これが最新の「iPhone」ではどうなったか、この記事では発表済みのスペックをもとに、主に2018年モデルの「iPhone XR/XS/XS Max」と比較しつつ解説する。
iPhone 11 Pro/11 Pro Max | iPhone XS/XS Max | iPhone 11 | iPhone XR | |
超広角カメラ | f/2.4 12MP | 非搭載 | f/2.4 12MP | 非搭載 |
広角カメラ | f/1.8 12MP OIS | f/1.8 12MP OIS | f/1.8 12MP OIS | f/1.8 12MP OIS |
望遠カメラ | f/2.0 12MP | f/2.4 12MP | f/2.0 12MP | f/2.4 12MP |
2019年モデルの「iPhone」は、3モデルともに超広角カメラが追加された。各カメラの細かいスペックを言うと、超広角カメラは5枚レンズで13mm相当(画角120度)、f/2.4。広角カメラは6枚レンズで26mm相当、f/1.8、光学手ぶれ補正、全フォーカスピクセル。Proの2モデルが搭載する望遠カメラは6枚レンズで52mm相当、f/2.0、光学手ぶれ補正、一部フォーカスピクセルとなっている。
「望遠カメラの有無」が「iPhone 11 Pro」の2モデルと「iPhone 11」の差になる。しかしスタンダードモデルの「iPhone 11」にも超広角カメラが追加されてデュアルカメラになったことは、画角の選択肢が増えたというメリットもあるが、2つのカメラを使うポートレートモードやARアプリの精度が向上したというのも見逃せないポイントだ。アップルによる作例にもあるが、シングルカメラの「iPhone XR」のポートレートモードと異なり、人物以外の背景をボカす撮影が可能になるのもひとつの変化である。
筆者はすでに超広角カメラ付きのAndroidスマホを使っているが、超広角は使っていて楽しいと感じている。望遠側はデジタルズームでなんとかなるが、超広角カメラがないと撮れない場面も少なくない。後ろに引けば広角カメラでも撮れる、というようなときも、あえて近寄って超広角カメラを使えば、遠近感を強調した写真を撮れる。以前の「iPhone」上位モデルのような広角+望遠の構成にせず、「iPhone 11」が広角+超広角にしたのは良い判断だと思う。
とはいえ、どのモデルでも一番使用頻度が高いのはスタンダードな広角カメラだろう。画角が使いやすいというのもあるが、暗所に強く、画質も最も良いはずだ。望遠はコンパクトなレンズ設計的に画質を良くしづらいし、超広角は遠近感が強調されすぎて普通の写真には使いづらい。
「iPhone 11 Pro」の2モデルが搭載する望遠カメラは、前モデルの「iPhone XS/XS Max」に比べると望遠カメラに比べ、明るさ(f値)がf/2.4からf/2.0へと明るくなっている。レンズ設計自体が新しくなっているなら、画質向上も期待できそうだ。
52mmは人物1人を撮影するポートレートなどにも使える画角だが、遠くにある人物や大きくないものを撮影するにはやや物足りなさを感じる焦点距離でもある。焦点距離を伸ばすのはスマホの厚みでは設計上困難ではあるが、80mmくらいあれば良かったなぁ、とは思うところだ。
数値スペック以外のところでは、スマートHDRの強化、ナイトモードの追加、自動調整の追加、True Toneフラッシュの強化などが新しいポイントだ。このあたりは「iPhone 11」でも搭載している。
「iPhone 11」と「iPhone 11 Pro」の2モデルの違いは、現時点で発表されている情報を見る限り、「望遠カメラの有無」だけとなる。この望遠カメラの画質がどのくらいのものか、筆者も発売日入手を目指しているが、実写してみるのが楽しみでならない。しかしそれ以外は「iPhone 11 Pro」の2モデルと同じと考えると、カメラの面でも「iPhone 11」はコストパフォーマンスに優れていると言えそうだ。