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nuroモバイルが2周年、料金プランを刷新した理由とは

 10月1日、ソニーネットワークコミュニケーションズ(ソニーネットワーク)のMVNO型携帯電話サービス「nuroモバイル」が料金プランを刷新した。

 モバイル事業部門ビジネス開発部長の細井邦俊氏は、料金プランの刷新により、拡大するMVNO市場でさらに勝負をかける狙いがあると語る。

細井氏

独自性で存在感を打ち出した2年間

 これまでのnuroモバイルは独自性の高い取り組みを続けてきた。たとえば料金プランは1GB単位で200円刻みにした。ユーザーにとっては毎月、自分の使い方にあわせてプランの変更をできる体系だった。

1GB単位に刻んだ料金プラン

 また1時~6時という深夜・早朝の時間帯は通信量の制限がない「深夜割プラン」(月額1500円)を提供したことも話題を呼んだ。

深夜割プラン

 端末でも、昨秋、「Xperia XZ Premium」をMVNOとして独占的に発売した。

Xperia XZ Premium

 いずれの取り組みも他のMVNOとの違いを持った形だった。

より多くの人が利用しやすい形に

 ソニーネットワークが独自性を重視してきたのは、これまでのMVNO市場が、ITリテラシーが高く先進的なユーザー層が中心だったから、と細井氏。

MVNO事業者は年々増加

 だがMVNOサービスを提供する企業が増加し、価格などでの競争が激化。そして国内のMVNOユーザー数は、携帯電話市場全体の11%を占めるまでに増加した。

先進的なユーザー層にはある程度行き渡ったと分析

 こうなってくると、アーリーアダプターやイノベーターといった先進的なユーザー層だけではなく、ITリテラシーが高くない層にも利用されはじめる、そうした新たなユーザー層にとっての使いやすさを検討した結果、今回、プランを刷新することになった――細井氏は今回のプラン改定にある背景をそう説明する。

nuroモバイル、ユーザーの多くは2GBプラン

 1GBごとの料金プランを提供してきたnuroモバイルだが、ユーザーの利用動向はどうだったのか。

 細井氏が今回示したデータによれば、ほとんどのユーザーが2GBプランを利用していることがわかった。

これまでは2GBに集中

 その他のプランは、2GBプランと比べればわずかな形となるが、それでも7GBや10GBの利用がやや多い形だ。大手キャリアから数十GBの大容量プランが登場する中で、ソニーネットワークでは新たな料金プランにおいて2GB、7GB、13GBというプランを主力にすることを決めた。

新プラン

 その上で、0.2GB(200MB)という少量のデータ通信量で、料金も安い「お試しプラン」を追加。これは、その名の通り、MVNOのサービスに興味を持つユーザーが気軽に利用できるよう用意したものという。なお、MNPで他社へ頻繁に乗り換える人が出てくるのでは? という問いかけには「現在のMNPはさほど活況ではない。特に心配していない」とコメント。一時はキャッシュバックなど激しいキャンペーンが展開されたが、現在は以前ほどのものはなく影響が少ないという見立てのようだ。

お試しプラン

 細井氏は「選びやすさを追求している。『こんなものを出してきたのか』と驚いていただければ」と意気込みを見せる。

0 SIMはそのまま

 新プランに刷新したものの、既存ユーザーは現在利用中のプランで引き続き利用できる。一時、話題を呼んだ「0 SIM」については今回の改定の対象外。何かしらの検討は社内で重ねているものの、今回はまず料金プランの全体像の改定となった。細井氏は、その理由について、0 SIMのユーザー層と、他の一般的なプランのユーザー層では、使い方が異なるためと説明する。

 またソニーネットワークでは、ドコモ回線とソフトバンク回線でサービスを提供しているが、au回線について今回の発表では触れられなかった。細井氏は「まだ発表できるものはない。方向性を示せる段階になったら」と語るに留まった。

 細井氏は、数多くのMVNO事業者がひしめきあう中で、激しい競争環境に「苦しい」と率直な感想を示し、現状のままでは1年後、2年後に行き詰まる可能性もあり、事業として生き残りを図るためにも、今回の料金プランを、今後の飛躍に向けた第一歩と位置づける。引き続きオンラインでの販売で展開しつつ、ユーザーに選ばれるサービスとして、今後もブラッシュアップを続けていく考えを示していた。

取り扱い機種も拡充