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「iOS 11.3」は今春提供、旧iPhoneの性能低下問題が解決へ

AR、メッセージアプリなど強化

iPhone X

 アップルは、iOSの新バージョン「iOS 11.3」の概要を発表した。iPhone、iPad向けに今春提供される。

 「iOS 11.3」では、新機能の提供とともに、バッテリーが劣化した旧型iPhoneでパフォーマンスが低下する問題について、対策が実施される。

 提供が予定されている機種はiPhone 5s以降のiPhone、iPad Air/iPad Proシリーズの全モデル、第5世代iPad、iPad mini 2以降のiPad mini、第6世代iPod touch。25日の発表にあわせ、開発者向けのプレビュー版の提供が開始された。

ARが強化、壁を検出できるように

 ゲームアプリなどで利用されるAR(仮想現実)機能が強化される。床やテーブルのような水平線に加えて、壁やドアのような垂直面を検出して、オブジェクト(キャラクターなど)を配置できるようになる。

 また、現実世界の絵画やポスターなどを認識する機能が追加される。iPhoneをかざすと絵画の中のキャラクターが動き出すといったようなARアプリの開発が容易になる。アプリ開発者向けの「ARKit」はARKit 1.5にバージョンアップされる。

「アニ文字」追加、ドラゴンなど4種類

 メッセージアプリのアニ文字に、ライオン、熊、ドラゴン、ガイコツの4種類が加わる。iPhone Xなら自分の顔の動きにあわせて、ドラゴンなどを動かすことができる。

お店とチャットメッセージ「Business Chat」

 メッセージアプリから企業や店舗の担当者とチャットメッセージを交わす機能「Business Chat」が追加される。

 「Business Chat」では、各ブランドごとにチャット画面を用意。ユーザーの連絡先を企業に伝えずに利用できる。会話の他に、面会の予約を入れたり、Apple Payを使った支払いをしたりできる。

 当初はベータ版として、Discover、Hilton、Lowe's、Wells Fargoといった特定の企業向けに提供される。日本での提供予定は明らかにされていない。

「ヘルスケア」に受診記録

 「ヘルスケア」アプリの新機能、Health Recordsは、医療機関の受診記録やフィットネスアプリなどの記録を集約し、ひとつのアプリでまとめてチェックできる機能。医療機関から検査結果や投薬などについての通知を受け取ることもできる。

性能低下問題への対策

 旧型のiPhoneに対し、バッテリー劣化時に性能を制限していた問題について、iOS 11.3の提供にあわせて対策が実施される。

 アップルの性能を制限していた理由を、バッテリー劣化による予期しないシャットダウンを防ぐためと説明していた。iOS 11.3ではこの機能が有効になっているかどうかを明示して、ユーザーの判断でオフにすることができるようになる。対象モデルはiPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plusの7機種。

 また、バッテリーの状態を表示し、交換が必要する場合には案内する機能も追加される。

その他の新機能

 Apple Musicではミュージックビデオの品揃えを拡充。音楽と同じように、広告表示なしの見放題で楽しめるようになる。

 Apple Newsには映像ニュースの専門で紹介するコーナーが追加される。

 スマート家電などを管理するアプリ「HomeKit」では、開発者向けに新しい認証機能が追加される。

 緊急通報機能では、主にヨーロッパで提供されている「Advanced Mobile Location(AML)」に新たに対応される。「AML」は、警察、消防、救急などに通報した際に、スマートフォンの位置情報を自動的に送信する機能。Androidでは2016年7月よりAndroid 2.3以降のすべての機種がサポートしている。

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