ニュース

au初のファーウェイ製スマホ「nova 2」、採用の狙い

 9日、auは2018年春モデルを発表した。ハイエンドモデルを数多く用意した秋冬モデルに続く今回は、キッズ向けの機種やシニアを意識したモデルなどがラインアップされている。

 さらにauオリジナルブランドのQuaシリーズでスマートフォンとタブレット、そしてauとして初めてファーウェイ製のスマートフォンを採用した。

国内SIMフリースマホでトップ

 格安スマホとも呼ばれるSIMロックフリーのスマートフォン。その中で、ファーウェイは2014年ごろからラインアップを拡充し、2016年ごろからはSIMロックフリースマホ市場では国内トップとの調査結果も発表されるまでにいたった。

 グローバルでのメーカー別シェアもアップルやサムスンに次ぐポジションを獲得した巨大な存在。それでも日本市場の大半を占める大手キャリアのラインアップとしては、モバイルWi-Fiルーターや子供向け機種など、その製品の取り扱いはごく限られた形になっていた。そこへ今回、auとして初めてファーウェイのスマートフォンがラインアップの一角に加わった。

nova 2
KDDIの山田氏

 ところで、そのファーウェイは、10万円近いハイエンドモデルから、2万円前後の機種まで幅広くスマートフォンを取りそろえている。今回の「nova 2」は、auでの販売価格が3万円前後(毎月割なし)になる見込みで、いわばミドルクラスに位置づけられる機種。商品企画本部長の山田靖久氏は「ユーザーのニーズを見ると、一番のボリュームゾーン」と語り、今まさにニーズが高まっているゾーンにハマる機種との見方を示す。よりハイエンドのファーウェイ製スマートフォンについては現時点で取り扱いの予定はないという。

 一方で、同じ価格帯で今回は「Qua Phone QX」を用意する。nova 2と位置づけで重複するのでは? という問いには「両方ともお手頃価格帯ではあるが、Qua Phoneは日本仕様で防水や安心を重要視する方に向けたモデル。一方でnova 2はお手頃かつ性能・機能を重要視する方向け」と説明。それぞれ異なるユーザー層に受け入れられるとした。

 ちなみに「nova 2」の販売については、auだけで独占するような排他的な契約ではないとのこと。

他の中国系メーカーは?

 国内のSIMロックフリー、あるいは海外市場に目を転じると、ファーウェイ以外にもさまざまなメーカーがひしめき合っている。そうしたメーカーの端末を今後、販売することはあるのか? という質問に山田氏は、ユーザーからのニーズ次第といった回答。

 ファーウェイについては、ブランドを含め、スペックなどがauのユーザー層のニーズに合致したと山田氏。ハイエンドモデルをすでに数多く用意し、その中にはGalaxyシリーズなどグローバルで販売されるモデルも含まれるが、SIMロックフリーでよく見かける機種やメーカーをauでも取り扱うかどうかについて「可能性はあるとは思う。ただ、メーカーさんと一緒に話し合って、日本のお客様に合うようにしていく、ということは我々としてはやっていきたい」と述べるに留まった。

楽天参入意向「活性化できれば」

 携帯電話用に新たな周波数が割り当てられることにあわせて、楽天が新規参入する意向を示したことについて、山田氏は「モバイル市場の動きはとても速い。競争が激化して、市場の活性化ができればいいと思う」と前向きなコメントを残した。

ワンセグ、どうする?

 NHKの受信料はワンセグを搭載する携帯電話にも発生する、という裁判所の判決が最近報じられた一件に関し、今後のauのラインアップへワンセグを搭載し続けるのか問われた山田氏は「ユーザーのニーズにあわせて対応していくと思っている」と述べるに留まり、明確に搭載・非搭載については語らなかった。

CPU脆弱性、auの取り組みは

 パソコンやスマートフォンのCPUに脆弱性がある、と指摘が挙がり、Webブラウザなどで影響を低減する取り組みが進んでいる。9日にはiPhone、iPad向けにも最新のソフトウェアが配信された。

 山田氏は、auとしてAndroidスマートフォンへの対応として、メーカーごとに検証作業はした上で、できるだけ早く、グーグルからのセキュリティパッチを一般ユーザーへ提供したい、とした。

新料金、450万契約に

 2018年春モデルを発表する中で、山田氏は2017年の取り組みをあらためて紹介。「やってみよう」というテーマを掲げていたとのことで、毎月割のないau ピタットプラン/au フラットプランを導入していたが、その契約数が2017年末に450万件を突破したことを明らかにした。