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「あけおめコールは控えて」呼びかけ、今年は実施せず――3キャリアに背景を聞いた

 電気通信事業者協会(TCA)と携帯電話各社は例年、大晦日~元旦にかけての「あけましておめでとうの通話やメールは控えて」という呼びかけを連名で行っていた。ところが、今年(2018年)の元旦に向けて、この呼びかけを行ったキャリアは無かった。その背景を3キャリアに聞いた。

 NTTドコモ広報は「お客様への影響が少ないと判断し、通話に関する案内を行わなかった」と回答。年末~年始にかけて通話・通信は2017年の元旦に引き続き実施しておらず、実際に通話や通信が繋がりにくくなるような状況は発生しなかったという。KDDI広報も同様の回答。「ネットワーク設備の許容量増加により対処できると判断した」(KDDI広報)と説明した。

 ソフトバンク広報は3キャリア共通の事情として(1)メッセージのやり取りが通話中心からデータ通信中心に移行した需要の変化、(2)ネットワーク整備によるキャパシティ増加、という2つの要因を挙げ、「輻輳(通話が混み合うこと)が発生しづらい状況となっている」と説明。同社もネットワーク制御などの実施計画はなかったとした。

 かつては年末の風物詩だった「あけおめコール」に関する案内。かつては年明けの2時間程度、通信が混み合うおそれがあるというものだったが、1時間→30分と年を追うごとに短縮され、昨年(2017年)の元旦に向けた案内では「大晦日から元日にかけての時間帯での利用はなるべく控えて」と時間を明示しないものに留まっていた。

2016年の元旦に向けたTCAの案内「ヒツジから最後の、サルから最初のお願い」