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「Xperia Hello!」は「家族の一員」を目指す、ソニーの新しいロボット
受付業務など法人向けの展開も検討中
2017年10月17日 17:23
ソニーモバイルコミュニケーションズは、記者向けに「Xperia Hello!」(エクスペリア ハロー)の発表会を開催した。
登壇したソニーモバイルコミュニケーションズ スマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏は、「Xperia」のブランドをスマートフォンとスマートプロダクトの両輪で展開し、スマートフォンでは実現が難しいコミュニケーション体験をスマートプロダクトが担当することを改めて説明する。
「Xperia Hello!」は、音声エージェントで片耳ヘッドセットの「Xperia Ear」、家庭向けでタッチ操作ができる小型プロジェクターの「Xperia Touch」に続く、第3弾モデル。すでにコンセプトモデルを披露し、検討や改善を重ねながら開発してきた製品であることも紹介され、今後も製品化に先んじてコンセプトモデルは披露していく方針を示している。この中で「Xperia Touch」は“家族が集う場”、「Xperia Hello!」は“家族の一員となる存在”と、どちらも家族をテーマにしながら、異なる位置付けになっていることも解説されている。
「Xperia Hello!」は、ソニーのセンシング技術、ロボティクス技術を集めて開発されたもので、能動的に発話することなども特徴。伊藤氏はステージ上でデモンストレーションを披露した後、「Xperia Hello!」について、こうした能動的な動作やロボティクスを駆使したしぐさなどで、「新しい家族の一員となるコミュニケーションロボット。より楽しいコミュニケーションを提供する」と紹介した。
技術的な詳細を解説した同社の倉田宜典氏も、「Xperia Hello! は家族の一員になることを目指して作ったコミュニケーションロボット。楽しくて、一緒に暮らしていきたくなる機能を追加していきたい」と意気込みを語っていた。
「Xperia Hello!」が受付ロボットに?
一方、製品の展開については、第1段階は家庭向けに集中するものの、第2段階としては法人向けの展開も検討されている。具体的には、企業の受付などで業務を行うサービスロボットとして利用するものが検討されており、2018年にはソニーのオフィス内で実働試験が行われる予定。
現在は、来社する人にあらかじめQRコードを送信しておき、QRコードを受付の「Xperia Hello!」のカメラにかざすと、社内の担当者に連絡がいく(通話も可能)という使い方になっていた。
またシニア世代に向けた遠隔コミュニケーションとして、老人ホームに設置して子供の世代とコミュニケーションを図れるようにしたり、入居者同士でコミュニケーションを活発にしたりするような展開も検討されており、こちらも2018年に実証実験を行う予定。
なお、「Xperia Hello!」の機能を活用できるようなAPIのサードパーティ向けの開放については、一般ユーザーからのフィードバックや、法人向け展開の実証実験のフィードバックを得てから、公開できるAPIの切り分けや提供を検討していくとしている。