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Apple Storeでキャリア版iPhoneの購入、独自の魅力とは

 iPhoneを購入する際、キャリアショップや家電量販店、オンラインストア以外に、Appleが展開する実店舗のApple Storeで、キャリア版のiPhoneを購入する方法がある。キャリアショップにおけるスマートフォンの激しい販売競争が沈静化する中、Appleならではのサポートを受けながら、気持よく使い始められるのがApple Storeでキャリア版iPhoneを購入するメリットといえる。

 では実際に、実店舗のApple Storeでキャリア版のiPhoneを購入する手順はどうなっているのだろうか。東京・表参道の店舗「Apple 表参道」にて、店内専用の最新のシステムとともにそれらを体験できる機会を得たので、本稿ではその模様をレポートする。

 Apple StoreでのiPhoneの販売は、キャリアショップや家電量販店とも異なる、独特の位置づけにある。NTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア版をそれぞれ購入できるほか、SIMロックフリー版も購入可能。店舗は従来から修理などのサポート窓口として機能しており、ワークショップなどで、機器の使いこなしや習熟する機会も提供されている。Apple Storeならではの優れた建築とミニマルに統一されたデザインの店内を歩いて見て回れば、Appleが示す世界観を身体で体験できるのも魅力だろう。

「Apple 表参道」
1階は最新の製品を展示
iPhoneにじっくり触れられるテーブル。「Apple 表参道」はふんだんに外光が取り入れられている
1階フロアの中央にある特徴的なデザインのらせん階段で地下フロアへ

「Plan Genius」で最適なプランや購入方法を見つける

 店内のテーブルには、iPhoneやiPad、MacBookなどAppleの製品が実機で展示されている。端末を試用してみて、気に入ったものをスタッフに告げれば、その場で通信プランを含めた相談に応じてくれる。

 その際には、この7月末から稼働しているという店内専用のシステム「Plan Genius」を用いて、3キャリアのプランや購入方法の比較が行える。これはスタッフが持つiPadに特別にインストールされたアプリで利用する形。取材時点ではこのシステム上に合計2016件の選択肢が存在しており、iPhoneの種類やストレージ容量、ボディカラー、分割払いなどの購入方法、希望の通信プランなどで絞り込んで比較できるようになっていた。

店内専用の「Plan Genius」システム

 通信プランを含めて仔細が決まったら、各キャリアに対応した契約作業を行う。「Apple 表参道」では、地下フロアにてこの対応を行っている。

 また、同店の地下フロアではケースなどiPhoneのアクセサリーや、ヘッドホンやBluetoothスピーカーといった周辺機器も幅広く取り扱っており、iPhoneを無事購入できたら、すぐにアクセサリーも手に取って検討できるようになっている。

「Apple 表参道」では1階で試用した後、地下フロアに移動して契約を行う。
ユーザーが手にするiPhoneのパッケージが届けられたところ。備え付けのMacBookには、今回契約するauの契約システム「Orange」が表示されている。「Orange」は量販店などにも提供されている

懇切丁寧に解説してくれる「パーソナルセットアップ」

 Apple Storeでは、初心者などに向けて、購入直後のiPhoneの初期設定をスタッフが丁寧に説明しながら一緒に設定していく「パーソナルセットアップ」というサービスも提供されている。iPhone起動直後の初期設定なども、その意味や内容が丁寧に解説され、ひとつひとつを理解しながら、自分の使い方にふさわしい設定にできる。Apple IDの設定といった、iPhoneを便利に使うための機能も、丁寧な解説を受けながら設定を進められる。

 キャリアショップなどの店頭でおなじみの手順とは異なる点は、契約したSIMカードをiPhoneに装着する作業を、スタッフではなくユーザーが行う点。箱の開封後、ピンを使ってSIMトレイを取り外し、SIMカードを装着して本体に戻すという一連の流れを体験することで、端末への理解を深めるという趣旨になっている。

 また、iPhoneの箱を初めて開ける瞬間をユーザーの手に委ねたり、初期設定が完了しホーム画面が表示されると「おめでとうございます」と小さく拍手が贈られたりといった、ユーザーの期待感を損ねることなく、体験を盛り上げている点も特徴的。Apple Storeならではの体験を重視するポリシーや美学が貫かれていることを窺わせる部分で、Appleファンのみならず、スマートフォンの初心者でも安心して、気持よく使い始めることができる。

「パーソナルセットアップ」サービスで開封からユーザーが進めていく。細かな作業になるSIMカードの挿入もまずはユーザーが挑戦
初期設定も各項目の解説を受けながらひとつひとつ設定できる
店舗で購入できるオススメのアクセサリーを紹介してくれる「Apple Store」アプリ。「パーソナルセットアップ」サービスでもダウンロードやインストールを手伝ってもらえる
店内の商品をスキャンしてApple IDで決済(キャリア決済にも対応)し、そのまま持ち帰ることが可能。希望すればスタッフが袋を用意してくれる

キャリア決済も設定方法をサポート

 また、8月の取材時点では、au版iPhoneで新たに利用できるようになっているキャリア決済(auかんたん決済)の設定も、パーソナルセットアップの中でカバーされている。

Apple IDでキャリア決済を選択可能。8月時点ではauかんたん決済が対応する

 Apple IDの設定では、料金の決済方法でクレジットカードに加えて「キャリア決済」を選択でき、auで契約しているユーザーが設定を進めれば、auかんたん決済が有効になるという仕組み。この設定を行うと、Apple IDで購入するコンテンツなどの決済がすべて「auかんたん決済」で行われるようになる。決済時には、登録したメールアドレスに決済内容が通知される。

 キャリア決済は、クレジットカードを利用せずにアプリや音楽などのコンテンツを購入でき、クレジットカードを契約できない年齢のユーザーや、クレジットカードの利用に抵抗があるユーザーには待望の機能となっている。

 すでに、一部の報道関係者などには、新しいiPhoneが発表されるとみられる発表会の招待状が届いているようだ。新しいiPhoneを購入する際にも、3キャリアを公平に比較しながらキャリア版iPhoneを購入できるApple Storeは、初心者や、キャリアにこだわらず最適なモデルを選びたいユーザーの強い味方といえるだろう。