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石川温の「Android Auto」体験記@シリコンバレー
2016年6月28日 11:00
グーグルは自動車メーカーと普及を進める「Android Auto」のデモをアメリカ・シリコンバレーにおいて、メディアに公開した。
Android Autoとは、Androidスマートフォンとクルマを接続することで、Google Mapsや音楽プレーヤーなどを簡単に操作し、クルマのディスプレイに表示するというものだ。
今回、デモで使われたのはメルセデス・ベンツが今年アメリカで発売したばかりのEクラスだ。シフトレバー付近にあるカップホルダーのふたを開けるとUSB端子があるので、そこにケーブルを挿入し、スマホと接続することで、クルマとつながるようになっている。グーグルのAndroid Auto担当製品開発マネージャーであるMickey Kataria氏によれば、「メーカーによっては、無線でクルマとつなげるようにもしている」という。
接続が終わると、メーターパネルの隣にあるディスプレイの表示がクルマの設定画面から切り替わり、Android Autoの画面が表示される。通常は、クルマが持つ、オーディオ機能やカーナビが使えるのだが、スマホが接続されることで、外部入力となり、Android Autoに切り替わるという仕組みだ。
Eクラスの場合、ハンドルにマイクボタンがあり、そこを押すことでAndroid Autoが指示を待つ状態となる。ここで行きたい場所を音声で言えば、Google Mapsで検索し、ナビが始まるし、音楽をかけてもらおうとすれば、Play Musicアプリが起動する。アメリカ国内であれば、Pandoraといったアプリも操作することが可能だ。
画面内で選択や決定を行う操作はタッチパネルではなく、シフトレバー近くにあるダイヤル式のコントローラーを回してコントロールする。このあたりも自動車メーカーの考え方によって操作方法が異なる。
そもそもAndroid Autoは自動車の運転中に、スマホを操作することで急増する事故を防ぐために、できるだけ運転に集中できるような操作体系を目指している。そのため、タッチパネルでの操作性をあえて採用しないようだ。
実際に、目的地を設定しようとしたが、日本人が話す英語だと、こみ入った番地となると、なかなか認識してくれないことがある。目的地さえ決まってしまえば、あとはアメリカの場合は、道も大きく、複雑ではないので特に問題なくたどり着くことができた。自動車メーカーによって異なるが、スマホのGPSだけでなく、クルマが持つGPSやセンサーなどにより、自車位置をスマホに送ることで、スマホ単体で使うときよりも正確なナビゲーションが可能となる。
Android Autoは現在、ホンダ、アルファロメオ、アウディ、シボレー、シトロエン、フィアット、フォード、ヒュンダイ、ジャガー、ランボルギーニ、マツダ、メルセデス・ベンツ、三菱、日産、オペル、プジョー、スバル、スズキ、フォルクスワーゲン、ボルボといったブランドが賛同している。また、パイオニア、ケンウッドといったカーオーディオメーカーも名を連ねている。
ちなみに、今回デモで試したメルセデス・ベンツのE300は日本では夏頃の発売を計画しているようだが、日本でAndroid Autoが使えるかどうかは「まだ未定」(メルセデス・ベンツ広報)という。
現在のところ、Android Autoは日本では非対応となっている。日本語の音声による入力や操作面での改善を進めているようで「年内にはなんとかリリースさせたいと思っている」(Mickey Kataria氏)とのことだ。