【WIRELESS JAPAN 2009】
次世代ワンセグ「ISDB-Tmm」のデモ


 アナログテレビ放送のデジタル移行にあわせ、総務省では周波数再編を行う方針をかねてより示している。その再編によって電波の使い方が整理され、これまでなかった新基軸のサービスにも周波数を割り当てることが決まっている。その新サービスの1つが「携帯向けマルチメディア放送」だ。

 その枠を巡って、KDDIとクアルコムでは「MediaFLO」と呼ばれる携帯機器向け放送技術の導入を目指す一方、NTTドコモやソフトバンクモバイルは「ISDB-Tmm」と呼ばれる放送方式の導入を目指している。NTTドコモでは、フジテレビや日本テレビなどと共同出資して「株式会社マルチメディア放送」を立ち上げ、ISDB-Tmm方式の導入を目指している。

 今回のドコモブースでは、「ISDB-Tmm」によるデモが披露されており、リアルタイム放送の「ストリーミングサービス」に加えて、同時にファイルを送信する「ファイルキャスティング」のデモが披露されている。担当者によれば、1つのTSファイルでストリーミングとファイルキャスティングが可能とのこという。

 ISDB-Tmmでは720×480ドット、30fpsという映像を放送でき、今回のデモでは、ビットレートが3Mbps程度という高品質映像が流されていた。携帯向けマルチメディア放送の周波数は14.5MHz幅になる見込みで、仮に2社に割り当てられた場合、1社あたり7.25MHz幅となるが、担当者は「ビットレートが1Mbps程度でも十分な品質」と説明。免許が付与される際には、マルチメディア放送が放送事業者となり、コンテンツも保有した上で携帯向け放送事業を展開するとしていた。

ファイルキャスティングのデモストリーミングサービスのデモ
ファイルキャスティングではPDFファイルを配布するデモとなっていたファイルの一部が欠損していると、iモード経由で補完することもできる

 

(関口 聖)

2009/7/22/ 17:40