【IFA2018】

LG初のAndroid One「G7 One」など、G7 ThinQ派生モデル2機種を披露

 LGエレクトロニクスは、独ベルリンで開催中の「IFA 2018」に合わせ、「LG G7 One」「LG G7 Fit」の2機種を発表した。同モデルは、5月に米ニューヨークで発表された「LG G7 ThinQ」の派生モデルとなり、LG G7 OneはGoogleブランドの「Android One」が採用される。

Android Oneを採用した「LG G7 One」。アイコンやウィジェットのデザインがGoogle仕様になっていることがわかる
チップセットやカメラのスペックを抑えた「LG G7 Fit」
こちらは5月に発表されたフラッグシップモデルの「LG G7 ThinQ」

 G7 ThinQは、LGのフラッグシップモデルで、チップセットにはSnapdragon 845を採用、ディスプレイ上部にはノッチを採用する。日本ではドコモの「V30+」、auの「isai V30+」がアップデートでLGのAIプラットフォーム「ThinQ」に対応したが、G7は当初からThinQに対応して発売された。

 LGの説明員によると、IFAで発表された2機種は、G7 ThinQの派生モデルに位置づけられるという。G7 Oneは、その名のとおり、G7をベースにしながら一部のスペックを落とし、“素のAndroid”に近いAndroid Oneが採用されている。説明員によると、3カ月に1回のセキュリティパッチ提供や、OSアップデートの保証が通常のG7 ThinQとの大きな違いだ。側面にはGoogleボタンが搭載され、シングルクリックでGoogleアシスタントが、ダブルクリックでGoogle Lensが一発で起動する仕組みになっている。

側面にGoogleボタンを搭載し、GoogleアシスタントやGoogle Lensを呼び出しやすい。この点は他のAndroid Oneとの差別化にもなっている

 G7 ThinQがフラッグシップモデルで、Snapdragon 845を採用していたのに対し、G7 OneはSnapdragon 835を搭載する。Snapdragon 800シリーズのためパフォーマンスは高いが、1世代前のチップセットでコストを抑える狙いがある。ミドルレンジ向けのSnapdragon 600シリーズやSnapdragon 400シリーズではなく、世代を落として最上位クラスのチップセットを採用しているのは珍しい。

 もともとは新興国向けのプログラムとして、ローエンドモデルから始まったAndroid Oneだが、今ではミドルレンジ上位モデルにまで広がっており、日本ではワイモバイルが普及の立役者となっている。一方で、スペックを見るともっとも高いHTCの「Android One X2」や、シャープの「Android One X4」でも、チップセットはSnapdragon 630だ。その意味で、G7 OneはハイスペックなAndroid Oneとして貴重な存在といえる。

 G7 ThinQはフラッグシップモデルゆえにデュアルカメラを搭載しており、標準と広角を切り替えることができたが、Android OneのG7 OneはF値が1.7と低いもののシングルカメラ仕様。メモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は32GBと、スペックもG7 ThinQより抑えられている。

シングルカメラで、背面にはAndroid Oneのロゴがあしらわれている

 ディスプレイはG7 ThinQと同じノッチありの6.1インチ、QHD+だが、OSのカスタマイズが最小限に抑えられているため、LG仕様の端末とは異なり、ノッチを隠すような機能は搭載されていなかった。

「G7 ThinQ」や「G7 Fit」はノッチの左右をカスタマイズすることができるが、「G7 One」にはこうした機能が存在しない

 Android Oneを採用したG7 Oneに対し、G7 Fitは従来モデルと同様、OSにLGのカスタマイズが加わっており、スペックはさらに落とされている。こちらも6.1インチでノッチありのFullVisionディスプレイという点は同じだが、チップセットにはG7 OneのSnapdragon 835よりさらに世代が1つ前の、Snapdragon 821が採用されている。

G7 Fitは、背面デザインやカメラのスペック、ユーザーインターフェイスのデザインがG7 Oneとは異なる

 カメラのスペックもG7 OneよりF値が高いなど、随所にコストダウンの跡が見え隠れする。なお、いずれのモデルも日本での発売は未定だ。