【IFA2014】

IFAで見つけた「iPhone 6」

 日本に比べiPhoneの存在感が薄い欧州だが、ここIFAの会場だけは例外だ。「ホール28」には、虎視眈々とビジネスチャンスを狙う中国の中小メーカーが一堂に会していた。勢い余って、9日(現地時間)に発表されるとみられる「iPhone 6」のケースを“先行展示”しているメーカーも。ここでは、IFAで見つけたiPhone 6関連製品の数々を、担当者の「ウワサ」とともにレポートしていきたい。

iPhone 6対応をうたうスタンド

 「ここになら、iPhone 6の何かがあるかも」――そう思って突入したホール28だが、期待は裏切られなかった。むしろ期待以上の成果だった言える。入って早々、これまでのiPhoneとは異なる、丸みを帯びた金属のボディを持つ端末のモックアップを発見した。このメーカーは、スマートフォンを固定するためのスタンドを開発しているという。特にiPhone 6である必要性はまったくないはずだが、あえて目立つために展示していたのだろう。

バッテリー内蔵型のカバー

 幸先のいいスタートを切ることができ、続いて発見したのがバッテリー内蔵ジャケットを開発するメーカー。怪しげな雰囲気をかもし出していたので「iPhone 6用のはある?」と聞いたところ、某ドラマよろしく「あるよ」と返ってきた。見せてくれたのは、「4.7インチのiPhone 6用のもの」(担当者)。「もう1つサイズがあるはずなんだけど」と確認したところ、「それは後から発売する」と語っていた。

 この担当者は「4.7インチの方が売れると思う。5.5インチより、手にフィットするからね」と、まるで見てきたかのように次のiPhoneが2サイズあると話す。売れ筋は、4.7インチになると予想しているようだ。

レザーケースをいち早く製作する中国メーカー。Androidも売れ筋はきちんと押さえていた

 続いて発見したのが、レザー製のケースを作るメーカー。IFAで3日(現地時間)に発表されたソニーモバイルの「Xperia Z3」「Xperia Z3 Compact」や、サムスン電子の「GALAXY Note 4」のケースに混ざり、iPhone 6用のケースが多数並べられていた。このメーカーの担当者は、「発売のタイミングで出せて、サイズも絶対にピッタリ」と自信をのぞかせる。その根拠を尋ねたところ、「工場からデータをもらっている」とのこと。そのデータが偽物である可能性を疑わないのも不思議だったが、中国メーカー同士のネットワークがあるのかもしれない。

 ちなみに、ここでも展示されていたケースは、すべて4.7インチ用のものだった。前のブースと同じ質問をぶつけてみたが、ここでは「5.5インチは今年の年末に出るから、まだ製作していない」と驚きの回答が。アップルの発表前に、発売日が確定したかのように語られており、別の時間軸にタイムスリップしたかのような感覚におそわれた。

別のブースではバンパー型のケースも出展されていた
背面にカードを入れられるタイプのケース

 続いて訪れたのが、アップル関連の周辺機器を展示する「iZone」。こちらでは、入り口から多数のiPhone 6ケースが展示されていた。カードケースを兼ねているものや、レザーを選択してオーダーできるものまで、幅も広い。ただし、いずれも4.7インチが中心だ。

ホールの入り口付近にあったブースにズラリと並べられていたiPhone 6用ケース
左が5.5インチ版iPhone 6用のケース。右が4.7インチ版で、その大きさの違いがよく分かる

 このiZoneをさまよっていたところ、ついに5.5インチ用ケースを発見することができた。ただし、担当者によると、「11月かもっと遅くなる可能性がある」といい、先行して4.7インチ用のケースを製作している模様。5.5インチのケースを展示していなかったメーカーは、「実際には出ない可能性もあるため、今はまだ作っていない」と語る。

少ないながら、5.5インチ版のケースはほかにも展示されていた

 これらの情報をまとめると、iPhone 6は4.7インチと5.5インチの2タイプあるが、先に登場するのは4.7インチのみとのこと。どのブースでも、4.7インチは「確定情報」として扱われていた。対する5.5インチのiPhone 6については、担当者によって見方が分かれる。11月や年末、あるいはフェイクの可能性があるなど、情報が錯綜している印象を受けた。いずれにせよ、アップルの発表まであとわずか。答えも、そこで分かるはずだ。

石野 純也