本日の一品

「Crowd Supply」で買ったDIY型スマートウオッチ「Watchy」

懲りずに3個目のDIYタイプのスマートウォッチを手に入れた

 三度の飯より腕時計の好きな筆者が、いつものように海外のオモシロ腕時計サイトを回遊していたところ、今年の3月初めに「Crowd Supply」というクラウドファンディングで販売されているDIY型のスマートウォッチ組み立てキット“Watchy”を見つけて速攻で購入した。

 買ったのは、腕時計本体キットであるWatch Kit(55ドル)とWatchy専用のアルミニウムケース(40ドル)の2つ。送料の18ドルを加えて全部で113ドルだった。

 約4カ月後の7月末に商品を受け取ったが、ちょうどほかのことで忙しい時期だったので8月中旬にやっとパッケージを開けて組み立てを開始した。

今回はWatch Kitと別売のアルミニウムタイプの高級?ケースも買った

 腕時計なので当然ではあるが、何点かあるパーツはけっこう細かく、文字盤として使うe-Paperなどデリケートなモノも多い。シリコン製のストラップも付属するので組み立てて即使用できる。

組み立てるパーツは全部でこれだけだけ

 組み立ては慎重にするに越したことはないが、はんだ付けなどの作業はまったくなく、いくつかのケーブル接続と付属の両面テープでのパーツ貼り付けだけで完成する。

アルミニウム製の外装ケースはしっかりした構造でボタンも精巧
基本的には基盤+Eインクパネル+バッテリーで完成だ
まずは仮組したパーツを標準のABSケースに収納してみた
大丈夫そうだったら各パーツを付属の両面テープを使って貼り付ける

 先人に聞くところによると、以前のモデルよりもバッテリー容量が倍増加されているので一回の充電で3~4日は使えそうだ。早速組み立てて、最後にスクリーンプロテクターをベゼルの四角い窓から落とし込んで張り付けて終了だ。

最後に液晶保護パネルを落とし込んで本体は完成だ

 しかし、どうもこのスクリーンプロテクターがパーツとしては最悪だった。綺麗に液晶画面に張り付くことなく空気が入る入らないのレベルではなく極めて液晶画面がムラに見える。最終的には個人のリスクでプロテクターは使わないことにした。

 ひとまずハードウェアとしては組み上がったので充電を開始。外観デザイン的にはキットに付属のケースの方が気に入っていたが、どうもABS系樹脂のケースは安っぽく感じたので、早速別売で買ったアルミケースに取り換えた。

ベルトを取り付けて完成
充電は3時間ほどで終了する

 全体にスクエアでハードなイメージになった。操作用の4つのボタンも引っかかりが少なくスムーズだ。ケースにベゼルを固定する4つのネジも遥かに安心感がある。組み立ては付属の専用レンチを使えば簡単で確実だ。

高級感のあるオプションアルミケースに入れ替えてみた
ちょっとごつい感じがするが堅牢でさすがに安心感はアップする

 Watchyの出荷時には“7segments”というファイル名のサンプル文字盤イメージと腕時計のコードが導入されている。Watchy単体でも左下のメニューボタンをはじめ4個のボタン操作で時刻合わせやWi-Fiなどの設定操作は可能だが、Watchyの楽しみはやっぱりパソコンとの連携しての拡張性だろう。

Watchy単体でも4つのボタンを使って様々な設定は可能だ

 Watchyを自分の好きなようにコードを書いてハードウェアの許す限りフルカスタマイズすることは究極の目的だが、そこまではいかなくても、まずは腕時計として毎日楽しく使うには文字盤(Watch Face)の切り替え変更などは最低限やりたいことのひとつだ。

 そのためにはWatchyと開発環境のArduino IDEを導入したパソコンをUSBケーブル接続して既成の文字盤データを転送さえすれば簡単に実現できる。Watchyの設定や操作、ファイル転送に関することや開発環境のセットアップはWatchyのWebサイトの“Getting Started”に細かく説明されており、文字盤イメージも紹介されている。

Watch Faceの交換やプログラムの細かな変更はArduino IDEを導入したパソコンとUSBケーブル接続して行う

 開発環境のArduino IDEをダウンロード導入後は、Web上に掲載されているスタートアップガイドを見て、まずはライブラリーやシリアルポートなどの設定が必要だ。

 ちなみに筆者は、WatchyのWEBサイトからダウンロードしたファイルの中で見つけたテトリスイメージのデジタル時計の文字盤をWatchyにインストールしてみた。そのほかにもWatch Facesには初期のMacintoshの頃のMacPaint画面イメージの文字盤や、DOSのコマンドプロンプトイメージの時刻表示などいくつかを切り替えて楽しめる。

WatchyサイトからダウンロードしたWatch Faceは簡単に転送できる
Tetrisイメージや懐かしいMac Paint、ちょっとオタクなDOSプロンプトなど数種類が用意されている

 そして最後にまた最もスマートウォッチらしい文字盤のひとつであり初期値の7Segmentsに戻してみたが、表示されるお天気や外気温が違うのに気が付いた。どうも初期設定されている国名や都市名が違っているようだった。

 早速、ソースコードの♯defineの部分を見てみると、設定されていた国は“US”(米国)で都市名は“NEW+YORK”(ニューヨーク)となっていたので、その部分を“JP”(日本)と“TOKYO”(東京)に変更してみたところ、正しい情報が表示されるようになった。同じ#defineには、使用するお天気サイトアドレスやデータを取りに行くサイクルなどを指定できるようだった。

出荷時のロケーション設定はDefine行で、米国、ニューヨークになっているのでTOKYO、JAPAN(JP)に変更することで気象データも最適化してくれる

 残念ながら、筆者にはイチから文字盤をデザインしてプログラミングする実力がなく、今のところこれ以上のことはできていないが、少しプログラミングの心得や経験がありコロナ禍の自宅時間を有効活用するにはWatchyはなかなか楽しいガジェットだ。

電子ペーパーなので炎天下の直射日光下でも視認性は圧倒的だ。逆に暗闇では光が必要となる。
製品名発売元価格
WatchySQFMIWatch kit(55ドル)
専用のアルミニウムケース(40ドル)