本日の一品

備えあれば憂いなし! Ankerの大型ソーラーパネル充電器

 天災は忘れた頃にやってくる、とは寺田寅彦の言葉だが、一方で喉元過ぎれば熱さを忘れるとも言うように、身近に大きな災害が起きない時期が続くと、防災への準備は怠ってしまいがちなものである。今年で東日本大震災から10年が経ったが、あの時あれだけ電力確保に苦労したことも忘れつつあるのが正直なところだ。気を引き締める意味でも、防災の備えとしてAnkerのソーラーパネル充電器を紹介したい。

 「PowerSolar 3-Port 100W」は、Ankerから発売された大型ソーラーパネル4枚を備えた充電器だ。

 最大100wのソーラーパネル出力で、5V/3A(USB Type-Cポート)、5V/2.4A(USB-Aポート)で、屋外でスマホ・タブレット・モバイルバッテリーを充電できる。このほか「XT60」出力ポートを備え、パッケージには「XT60ケーブル」と「XT60 to DC 7909変換コネクタ」が付属する。

Ankerの大型ソーラーパネル充電器「PowerSolar 3-Port 100W」(隣は比較用のiPad Air2 9.7インチ)
まず持ち手の部分から左右に開き……
さらにもう一段階、観音開きにすると4枚のソーラーパネルが現れる

 4枚のソーラーパネルがあるためその外観は大きく、折り畳み時で約53cm×47cm、展開時は横幅1.5mほどにもなる。重量も5kgと、掴みやすいグリップは備えているものの、持つとずっしり重い。常日頃携帯するというわけにはいかないだろう。

最大展開時とiPad(9.7インチ)の比較。横幅は約1.5mにも
パネル中央部にある小窓が最大発電効率にするためのガイド。青いドットの影を、背面にある赤い丸印の中に入れるよう角度を調整すると最適な状態になる

 近所の公園で(蚊に喰われながら)実験してみた。展開したパネルの中央部に日時計のようなものが埋め込まれており、前面の印が作る影が、背面中央の丸印に重なる方向・角度が最も充電効率の良い設置場所になる、というガイドになっている。簡単に効率の良いセッティングができる仕組みだ。とはいえ、太陽は刻々と動いていくので定期的に位置調整は必要になる。

背面に足ついており、これで傾ける角度を調整する

 重量と大きさのぶん、性能は中々なものだ。充電テスト対象は電池残量が少なくなっていたiPad Air2。暑さの残る9月中旬、天気は晴れのち曇り、テスト中は直射日光が全面に当たる時間と、雲にさえぎられて薄い光が当たっている時間が半々というコンディションだった。1時間ほどのテストで、28%だった充電残量が43%まで回復した。フルに直射日光が当たっていないという環境下で、1時間に15%充電できるのは上々と言えるのではないだろうか。

充電ポートは、USB Type-C、USB-A、XT60の3種類の出力ポートを備える
本体には「XT60ケーブル」と「XT60 to DC 7909変換コネクタ」が付属する。ほかのケーブルは別途用意の必要がある

 高出力とはいえ、大きさが大きさなので、災害対策に非常持ち出し用品のそばに備えておくのがよいだろう。ただ、取り回しは良いので、車に乗せてキャンプやレジャーのお供として使うのにも良さそうだ。使い方に難しいところは何もないが、普段から楽しみながら使い方を覚えておけば、いざというときに慌てることもない。かさばるものではあるが、非常食や飲料水以外の防災対策として備えておけば安心できるのではないだろうか。

晴れたり曇ったりの屋外で、iPadに約1時間充電。28%→43%まで充電できた
商品名価格
Anker PowerSolar 3-Port 100W2万9800円

【お詫びと訂正】
 本記事初出時、出力ポートに「メガネ口」としておりましたが、「XT60」ポートに修正いたしました。