本日の一品
硬いバターをスムースに削り取る“おろしが二列”のバターナイフ
2020年12月28日 06:00
硬いバターをスムースに削り取る“おろしが二列”のバターナイフ
バターは食事する前の準備の手抜きをすると硬いブロックのままだ。時間があればレストランのように、食事する何分か前に小皿にカットして、小さなブロックバターサイズにしてキッチンやテーブルに出しておけば、食べる頃には適度な硬さに変化して、快適な朝食のスタートとなるはずだ。
しかし、毎日が日曜日のような緩くて温い暮らしに変化しても、筆者のように長年バタバタした朝食タイムを何十年も繰り返し過ごしてきた身には、朝のバタバタはもはや生活習慣のようになっているのでなかなか改善は難しい。
トーストとコーヒーあるいはミルクティーのコンビネーションが大好きな筆者だが、毎朝の悩みは、トーストとバターの融合だ。トースターででき上がったばかりのホットなトーストに冷蔵庫でずっと冷えたままの硬いバターをのっけても、簡単にトーストとバターは融合してくれない。
ゆったりとした朝には、トーストを焼き始める段階で、冷蔵庫から冷えた硬いバターを取り出し、小さなブロックサイズにバターナイフでカットして、セラミックの小皿に入れてトースターの上に載せ、トーストを焼く余熱で溶解させたりしていた。
しかし、それもついつい忘れてしまったり、同時に2つのことをする時間管理が面倒だったり、トースターの温度によっては、柔らか過ぎたり、まだまだ硬かったりどうも長い間、最適値が見つけられないでいる。
頭と時間を使ってもダメならチカラでやろうと考え、バターまるまる一本を回転させて削り出す“イージーバター”という効率の良いアメリカンなハードウェアを買ったこともあった。
またその後も懲りずにイージーバターより少し安易で安価な方法だが、市販のブロックバターをワンサイズ小さな太いスティック状に再カットして、スティック糊のようなスタイルの商品も手に入れた。本体を捻じってバターを繰り出し、トーストの表面に擦り付けて塗る“バタースティック”と呼ばれるモノだ。
しかし、前者は冷蔵庫に入れるには本体サイズが大き過ぎてはた迷惑なことと、バターが細いひも状になって出てくる周囲を綺麗にキープするのが面倒だった。そして後者は、所詮硬いバターを焦げてカリッとしたトーストの表面に押し付けても、トーストの表面がバターの硬さで押し潰され凹んでしまうことも多い。なにより買ったバターをスティックサイズに合わせてもう一度カットしなければならず、総合的にはそれほど使い勝手の良いモノではなかった。
いつの頃かやっぱりトーストにバターを塗るには、歴史あるバターナイフの形状がベストではないかと思うようになった。一時はマジにUSB充電タイプで握ると刃先が熱くなってバターのカットとトースト表面への塗りがスムースにいく商品の自作を考えたりもしたが、多くの電気を使ったキッチン用品の小物は理屈通りには便利ではないことも悟った。
そんな時に家族が見つけたのが、ごく標準的な“バターナイフ”と“おろし器”をハイブリッドしたアーネストの「とろける!バターナイフ」だった。販売開始から既に数年近くたっているが、ハイテク方面に気分が行ってしまって、根強い人気のトラディショナル製品同士のハイブリッド製品には全く気づかなかった。
外観サイズ的にはごく普通のバターナイフサイズ。唯一の違いは、おろし器同様の鋭利な小さな穴が横11個2段に並んでいることだ。とろける!バターナイフを裏面から見てみると、おろし器と同じ様な鋭い穴の形状が良く見える。これならスーパーやコンビニで買える一般的なバターを買ったままのサイズで扱える。
しかし、効率を考えると、バターの最大面積の部分を上から水平に削ることになるので、一般的なバターケースではなく、トレイのような平面の上にバターを置き、方形でドーム型のアクリルやセラミックの蓋がセットになったバターケースが必要になりそうだ。
使い方には多少のコツと練習が要る。バターの表面を真横に擦って削り取る要領だが、完璧な水平位置での横滑りでは、とろける!バターナイフの側面が先にバター表面にあたって沈み込み、水平移動操作に大きな障害となってしまう。これでは固いバターの抵抗で上手く表面だけを削り取ることはできない。
筆者は右利きなので、とろける!バターナイフを右手で持って、ナイフの側面を進行方向に対して少しだけ持ち上げ気味にしてスタートする。そうすると、まさにスノーボードの横滑りのイメージで、とろける!バターナイフの側面が直接バターの硬い表面にぶつかることなく、乗って滑るようにバターの表面だけをナイフの底面で削り取ることができるのだ。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
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とろける!バターナイフ | アーネスト | 866円 |