本日の一品
意外と使えるウルトラビッグサイズのハイライター!
2020年12月14日 06:00
市場で長く愛用されている道具は、基本的に標準的な人の手や足、そのほかの体の部分に確実にフィットするサイズで提供されていることが多い。大工道具や文具のサイズは人の指の長さや手の大きさ、骨格や筋肉の構造に根ざして作られているはずだ。
時にはその普遍的な構造や動作原理を全く無視して登場してくる極めて便利な新商品といモノも目にするが、最終的には人がその便利さを享受する為に敢えて“使う努力”をいつまでやれるかでその商品の存続性が決まるような気がする。
しかし、同時に、生活が十分豊かになった高度な文明社会はその様子が多少違っていて、ユーモアやほかの人からのウケ狙い、人の場を和ませるという理由だけで、便利で役に立つ道具の領域や既成の常識の範囲を大きく逸脱した商品が登場することもままある。
多くの人はこれらを“ガジェット”と呼ぶが、そんな製品の入門編の定石は常識的な人の使うサイズを無視して、極端に大きなモノや、度を越した小さな商品を企画することだ。読者諸兄にも思い当たるモノが幾つかあるだろう。今回ご紹介する商品もそんな人間のみが理解できる“ウケ”を取ることのできる単純商品だ。
一般的には取れるウケのサイズに応じてガジェットの価値は決定され、その価格も戦略戦術によってある程度は嵩上げ可能だ。しかし、今回の商品は便利を安価に提供することがモットーの100均ダイソーがプロデュースした「JUMBO FLOURESCENT PEN」(大きな蛍光ペン:以降”ビッグ・ハイライター”)と呼ばれる商品だ。
ご紹介する商品は世界中で様々な呼び名があり、ある時は、蛍光ペン、蛍光マーカー、また、マーカーペン、ラインマーカーとも呼ばれる筆記後の文字列やイラストを部分的に注目させるために上書きするペンだ。これらは海外ではコスメの世界でも使われる“ハイライター”と呼ばれることも多い。
登場してもう数十年以上の歴史のあるハイライターは、今ではさまざまな素材や形状デザインに進化した極めて楽しいステーショナリーの一つの大きなジャンルだ。もちろん世界中の伝統ある筆記具ブランド各社も自社の強みを生かした高級ハイライターを市場に送り出している。
ボールペンのクロスや万年筆の老舗であるモンブランはごく一般的な斜めカットされたフェルト芯を使ったハイライター、ペリカンは蛍光インクと太字のペン先を組み合わせた万年筆構造のハイライターを発売している。これらは主にメインの筆記具としてレガシーな高級万年筆を使っているユーザーに向けたモノだ。
ダイソーのビッグ・ハイライターはごく一般的なハイライターをとにかく人間が何とか日常でも使える最大値まで膨張させたジャンボなものだ。一般的なハイライターと比べると、長さは約1.6倍、太さ(軸径)は約2.3倍、なんと重さは約5.6倍もある超大物だ。
デジタル表示だとこんなに大きなハイライターでも写真に撮ってしまうとサイズ感がいまいち伝わりにくい。しかし筆者の愛用しているペンケースのいずれにもまったく収納は不可能だった。とはいえ、こういうベタなビジュアルが最もウケるガジェットでもあるのだ。
一方、実際の使用可能度を日常的に使って真面目に比較チェックしてみると、前述の長さ、太さ、重さも何とか成人男性なら許容範囲だ。芯には標準的なフェルト芯を採用しており、ごく普通のハイライターと比較しても芯の直径は実測4㎜と6㎜(DAISOのスペック表示は5㎜)と外形の物理サイズ比や重量比より小さな感じだった
実際に使ってみたところ、筆者の使用環境的には4㎜幅よりも確実に幅広の6㎜幅のビッグ・ハイライターが便利で使い良かった。今回、単なるウケ狙いで購入したダイソーのビッグ・ハイライターだったが、最近は芯の太さにバリエーションが増加してきている鉛筆シャープ系と同様、2㎜、4㎜、6㎜、8㎜程度のハイライターの組み合わせ販売や、1本で2つ以上の幅広サイズを提供できるモノが便利かもしれないと感じた次第だ。
製品名 | 発売元 | 価格 |
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JUMBO FLOURESCENT PEN(蛍光ペン) | ダイソー | 100円 |