本日の一品

息苦しくないのがうれしいVanNuysの立体マスク&マスクカバー

 「半年もしたら、収束するんじゃないかなぁ」「年内には落ち着くよね」などと楽観視していたが、未だに収まらないどころかぶり返している感のある新型コロナウイルス感染の状況。マスク装着がニュースタンダードとなり、おしゃれマスクをあちこちで見かけるようになった。こんな時代が来ようとは誰が予測できただろうか。

 使い捨てマスクが品薄状態だった今年4月、iPhone 3GSを買った当初からケースやネックトラップで個人的にお世話になっていたVanNuys(バンナイズ)が「マスクカバー&マスクにもなります」(以下、マスクにもなります)を発売し、こちらでもお世話になったわけだが、機能追加版まで出したとのことで、さっそく試してみた。

 新製品の名前は「吸排気ダクト付き、抗菌・抗ウイルス 3way立体マスク&マスクカバー」(以下、立体マスク&マスクカバー)。以前のものが、どちらかというとマスクの上から装着する使い方を想定していたのに対し、こちらはガッツリとマスク機能を全面に押し出している。

「吸排気ダクト付き、抗菌・抗ウイルス 3way立体マスク&マスクカバー」。ホワイトには、縁布も同色の「オールホワイト」バージョンもある
新旧の外観の違い。立体マスク&マスクカバーは10色展開だ

 というのも、マスクにもなりますではバリスティックナイロン製にせよデニム製にせよ、1枚の生地がマスクの外側と内側を仕切っていたのだが、立体マスク&マスクカバーでは外側はコーデュラ・エコメイドキャンバス(いわゆる帆布)またはデニムで、内側にクラボウの「CLEANSE」(クレンゼ)という抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術を施された生地を採用している。

指でつまんでみないとわからないのだが、二層構造になっていて、肌に当たる部分にはクレンゼ加工の施された生地を採用している
こちらは「抗菌・抗ウイルスマスク用インナー」。立体マスク&マスクカバーの内側と同じクレンゼ加工の施された生地製だ。従来のマスクにもなりますに使ったり、不織布マスクやお手製の布マスクなどに使うといいだろう

 クラボウ公式サイトによれば、クレンゼの抗菌・抗ウイルス機能では、約20種類の細菌・真菌やウイルスに対して効果があり、その数を99%以上減少させられる。また、特定の細菌については増殖を抑える効果もあり、それらの効果は50回の洗濯後も衰えないとのことだ。

 新型コロナウイルスにも効果があるのかが気になるところだが、9月23日付でクラボウが出したリリースには、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターで試験した結果、ほかの菌やウイルス同様、効果のあることが認められたとの記載があった。

 少なくとも、自分が知らぬ間に感染していたとしても、クレンゼ加工の施された立体マスク&マスクカバーなら、マスク内部が汚染され続けるということは防げそうだ。

 追加された機能はそれだけではない。吸排気ダクトを搭載したのだ。ちょっと何言ってるかわかんない、という感じなのだが、ガーゼや不織布と異なり、バンナイズが扱う生地は、基本的に分厚くしっかりしている。バリスティックナイロンに至っては、それを使ったバッグで水を汲めるのではないかと思うほど気密性が高い。

 そのおかげで、自分の出した飛沫を撒き散らすことを避けられるのだが、装着者にとっては息苦しさを感じさせることになるかもしれない。通常の立体マスクに比べれば、口の周りの空間が広く、息苦しさを軽減するデザインとなっていてもだ。

 その息苦しさを軽減してくれるのが、新たに設けられた給排気ダクト。これは、マスクの脇近くに設けられた機構で、デザインの一部にしか見えないようになっている。

マスクの両側のラインはただのデザインではなく給排気ダクト

 耳にかけるゴム紐を通した下側の生地に載せた上側の生地に、ほんの少しゆとりを持たせることで、常に開放状態になっており、息のしやすさを実現。くしゃみをしたとしても、前方に飛ぼうとする飛沫が顔の横からさらに後方に向けて飛ぶとは考えづらく、飛んだとしてもダクトの穴が自分の耳に向かって開いているため、目の前の人は安全だ。また、ダクト部は被せになっているうえ、内側にはクレンゼ加工の施された生地を使っている。二重三重に安全策を講じているということで、マスク機能推しなのだ。

何もない穴ではなく、クレンゼ加工の施された生地が内側にあるのが見える。上側の生地にゆとりがあるため隙間が生まれている
給排気ダクトの開放部は後方に向かっている。対面している相手にくしゃみの飛沫が盛大にかかるようなことが避けられる

 とはいえ、個人的に気に入っているのはマスク機能うんぬんではない。ひとつは給排気ダクトによる息苦しさからの解放。もうひとつはゴム紐調整ストッパーの標準装備だ。

 本誌では、何度も何度も筆者が暑がりの汗っかきであり、それを解消するさまざまな素晴らしいソリューションについて書いてきたが、暑がりの汗っかきにとって、マスクを着けるということは苦行のひとつ。少し歩いただけでマスクの内側だけでなく顔全体が汗まみれになる。見ているほうもつらい。

 それが、給排気ダクトのおかげで息苦しさが軽減されるだけでなく、空気が入れ替わるため、体温上昇が抑制できるようになったのだ。駐車場からスーパーの入口へ向かうだけで汗だくだったのが、うっすらと汗をかく程度になり、マスクの内側も快適になった。

 また、呼気が給排気ダクトを通じて排出されるため、メガネが曇りづらくなった、というのもこれからの季節はありがたい。夏も冬も大活躍の機能なのだ。

 もうひとつのゴム紐調整ストッパーについてだが、マスクにもなりますでも、ゴム紐を結ぶことで長さの調整ができた。だがそれでは使い始めた時点での長さのまま使い続けることになる。体調によって、また顔のむくみ具合によって、耳への当たりや感じかたは日々変化する。時折、「痛いなぁ。今日はなんだか耳が痛いなぁ」と辛く感じることもあったのだが、調整ストッパー付きの本製品では、辛く感じたら即座に緩められる。実にうれしい機能追加だ。

使っている最中でも微調整できるゴム紐調整ストッパー
ゴム紐は取替可能

 なお、「やっぱり不織布のマスクも併用したい!」という向きのために、マスクにもなります同様、内側に不織布マスクやティシューペーパー、ハンカチなどを挟み込める押さえがあることもお伝えしておきたい。

旧製品同様、マスクやティシューペーパーを挟み込めるポケット付き
製品名発売元購入価格
吸排気ダクト付き、抗菌・抗ウイルス 3way立体マスク&マスクカバーVanNuys2300円