本日の一品
30cm竹尺をあの頃とは違う使い方のために買う
2018年10月15日 06:00
文具全般に関してなんでもすぐにコレクションを始めてしまう傾向のある筆者だが、実は定規もいろいろ衝動買いしてしまって、今ではかなりの数が集まっている。30cm定規はもちろん、15cmや中には1cmなんていう変態定規やそれ以外の半端な長さのモノまで、ピクっとくれば速攻買いだ。
しかし大人になってもやっぱり一番記憶にあるのは30cm定規だろう。筆者が小学生の悪ガキの頃は、常にランドセルのフラップの閉まる外側に挿していて、いざというときは利き腕で定規を引き抜き、臨戦態勢に持ち込むための武器でもあった。
そんな筆者が今回購入したのは、「安原製作所」という文具系の人には聞きなれない名前の会社が作った30cm竹尺だ。同社は、知る人ぞ知る魚眼レンズや超広角レンズ、ソフトフォーカスレンズなどを開発・製造・販売しているユニークな光学機器メーカーだ。
そんな同社がユーザーや販売店向けのノベルティとしてデザインした竹尺が今回ご紹介する30cm竹尺だ。ちなみに製造は、今や日本国内には“竹尺ならここだけ!”と言われている滋賀県の岡根製作所製だ。
さて今回、ご紹介する30cm定規は本体の材料はもちろん竹だが、ローマ字で定規のほぼ中央に安原製作所の頭文字である「や」(ひらがな)とローマ字の社名が刻印されたものが現在は商品としても販売されている。
現在のモデルに先立ち、以前、製造された当初のモデルは、現在のひらがなの「や」が「安」というデザインされた漢字一文字で表示されていた。今回は新旧の竹尺の違いも含め、竹尺の魅力や面白い特徴なども簡単にご紹介できたらと思っている。
まず第一に筆者は竹尺を持った時の手触り感が大好きで、ネット上の評判などを知り、今回の竹尺購入となった。ご存知のように、市場にある定規の多くは長さを問わず、実用品の多くはアクリル製の定規に置き換わっている。
そして一部の作業用途ではステンレス製定規、インテリア系にわずかながらの木製定規、こだわりの真鍮製定規、超趣味の世界のチタン製定規などがごく少数存在する感じだ。そんな中で竹尺は時代の移り変わりと共に日本の定規市場でも極めてマイナーな存在となったレトロ感満載の文具だ。
安原製作所製の竹尺は、目盛りや星(5cm、1cmごとのマーク)は伝統的な位置や図柄を守りながらも、本体を薄くスリムに変更、定規そのものの幅も一般的な竹尺よりも2割ほどスリムな構造だ。この変更で従来の竹尺よりもはるかに軽量な、実測15gいう軽量性を実現している。
ちなみに一見して同じように見えるが、同社の初期モデルの竹尺は実測20gと現在のモデルより35%近く重い。実際に2本の新旧モデルを並べて細かく見てみると、現在モデルの方が初期モデルより遥かに薄く削られており、より軽量化されていることがよく分かる。
筆者が手触りの次に竹尺を好きなの二番目の理由は、30cm竹尺の場合だと、両端の目盛りの両外側に余分な長さが全くなく、竹尺全体の端から端までがきっちりと30cmである無駄のないデザインであることだ。
アクリルや金属素材の定規の場合は、目盛りに沿って正しい位置に測定時の目安となる数字を刻印することが一般的だ。言い換えれば、長さの目安となる数字を目盛りの刻み線に合わせて中央配置するために、目盛り線の左右に溢れた数字になり、どうしても定規本体が30cmより大きくなってしまう。
一方、竹尺は見ての通り、測定の目安となるマークである星は、5cm間隔であるだけで両端には無いし、伝統的に数字表記もない。今回、手に入れた安原製作所製の竹尺は、ちょっとオールディーズな昭和の文具や同類のウッド系のアイテムと相性が良いようだ。ジョーク系の定規から奇想天外な定規まで、まだまだ30cm定規のコレクションは止められない。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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安原製作所製 30cm竹尺 | 安原製作所 | 1000円 |