本日の一品

ガチなキャンプも安心? 太陽光を電力に変える「AUKEY ソーラーチャージャー 21W」

 2018年冬、スカパー!CS放送のAT-XやTOKYO MXなどで放送されたアニメ「ゆるキャン△」(原作:あfろ/芳文社)が、ネットで話題に上っていた。本作は、“ソロキャン”(ひとりキャンプ)好きな女子高生が、明るく物怖じしない転校生と関わってしまったことをきっかけに、それまで距離を置いていた“野クル”(野外活動サークル)メンバーたちと最終的に合同の“クリキャン”(クリスマスキャンプ)をし、「みんなでキャンプするのもいいな」と思うまでに成長(?)する過程を描いた作品。

 実在する地名が多く登場することから、舞台となった自治体によるイベントが行われたり、鉄道会社がコラボしたりとリアルでも大人気。かくいうわたしも、dアニメストアで毎話欠かさず見ていたひとりである。

 ただ、劇中でどうも気になったことがある。それは、イマドキの女子高生らしく、キャンプ中も友人とひんぱんにメッセージのやり取りをしているにもかかわらず、モバイルバッテリーの描写がどこにも出てこないこと。おかしい。これはおかしい。キャンプ場までナビとして使い、メッセージのやり取りにもスマートフォンを使っていたら、翌日までバッテリーが保つはずがない。

 いついかなるときでも電力だけは確保しておきたい。そうぼんやり考えていたら、ついうっかり「AUKEY ソーラーチャージャー 21W」(以下、ソーラーチャージャー)をポチってしまっていた。モバイルソーラーバッテリーでは散々な目に遭っていたのに、半額マジック怖い。

ソーラーチャージャーには4つのカラビナが同梱される。バックパックやロープ、バイクの荷台などに本体を取り付けられる

本当にソーラーでチャージできるのか

 本製品は、1枚が170(W)×305(H)mmのソーラーパネルを3枚、出力用のUSBポート2基を備えたソーラーチャージャーである。よって、蓄電機能はない。最大出力は各ポートとも5V/2.4Aとのことで、少し前のモバイルバッテリー並みにスマートフォンを2台同時充電できそう。ただ、ソーラーチャージャーの出力電力は天候に左右される。あまりに不安定だとスマートフォンに悪影響を及ぼすのではないか、という不安がわきあがってきた。

広げたときのサイズは510(W)×305(H)mm。iPhone Xと比べてみると「これならしっかり太陽光発電してくれそう」という気になる
背面に出力用USBポートを2基搭載。それぞれ5V/2.4Aの最大出力があるらしいので、晴天時の働きに期待したい

 そこで、モバイルバッテリーを使い、昼間の太陽が作り出した電力を、蓄えてみることにした。屋外利用と同じような環境を作り出すため、ベランダの物干し竿と物干しハンガーを利用。完璧に太陽光を捉える環境が構築できた。

 ちなみに、2基の出力ポートの間には、発電量の目安がなんとなくわかるLEDランプがついており、光の電力変換が不安定なときは赤く点滅、低いときは赤く点灯、十分に電力変換が行われているときは緑色に点灯する。テストはその緑点灯のときに行った。

 用意したモバイルバッテリーは、安定性と安心感のあるcheeroの「Power Plus 3 13400mAh」(以下、Power Plus)。電源ボタンを押せばバッテリー残量インジケーター4灯のうちひとつが点灯するが、スマートフォンへの給電がつなげてすぐに切断される状態になるまで蓄電量を低下させた状態でスタートした。

 晴天のもと、物干し竿にかけられたソーラーチャージャーのLEDランプは緑色に力強く点灯し、ケーブルを使いバッテリーとつなげたところ、出力は4.5V/1.5A前後と上々。9:30頃に開始して、日没前の17:30頃回収した。

物干し竿と物干しハンガーを利用して、降り注ぐ太陽光をいっぱいに受けるソーラーチャージャーのイメージ図。できればアウトドアで試したかった
緑色に力強く点灯する2つのUSBポート間にあるLEDランプ。説明書には何の記載もなかったが、多分、「今、絶好調」という意味なのだろう。
簡易型USB電流電圧テスターでチェック。あまりにも日差しがまぶしく見づらいが、4.79V/1.53Aとなっているのが確認できる

 どれくらいバッテリー残量が回復したか、Power Plusの電源ボタンを押して確認してみたところ、開始前は1灯のみ弱々しく点灯していたバッテリー残量インジケーターがふたつ点灯。13400mAhの半量ほど蓄電できたようだ。

 翌朝はどんよりしていたが、次第に晴れ間が見えるようになってきたので、少し遅い時間になってしまったがテスト開始。正午頃から日没直前の18:00まで物干し竿に掛けて、太陽光を電力に変換、Power Plusに電力を送り続けていた。取り込んでから確認したところ、なんと4つあるLEDすべてが点灯。もちろん、これはフル充電されたということではなく、75%以上のレベルまで充電された、という意味なのだが。

 とはいえ、もともと13400mAhもあるわけだから、75%でも10000mAhは蓄電できた計算になる。2日間太陽にさらしただけでiPhone 8なら3回ほど充電可能なほどの電力を貯められたというわけだ。

 今まで、ソーラーチャージャーについて、「太陽光を利用したチャージャーやバッテリーは使えないんじゃないか」「だけど、非常時やアウトドアで電力を供給するものが欲しい」と堂々巡りのように考えていたが、今回、ソーラーチャージャーを入手し、USB型電流チェッカーの値を確認しながらモバイルバッテリーへの充電を実験できたおかげで、ソーラーチャージャーが実用的なレベルになっているというのがわかった。

ソーラーチャージャーのLEDが赤点灯のときの電流量はわずか0.1A。晴天時の室内や曇天時の屋外ではだいたいこのレベルだった
製品名販売元購入価格
ソーラーチャージャー 21WAUKEY2549円