本日の一品

Google Homeよりも本格オーディオ機器っぽい、オンキヨーのスマートスピーカー「G3」

Google Home(左)とG3

 「スマートスピーカー」と呼ばれるジャンルが盛り上がっている。一見するとただのワイヤレススピーカーのようだが、音声アシスタント機能を搭載していて、音楽の再生、タイマーの設定、ネットワーク対応のLED電球の点灯といったいろいろな操作をしたり、天気や株価などいろいろな情報を調べたりできる、そんなスピーカーだ。

 スマートスピーカーとしては、Google アシスタントが使える「Google Home」シリーズ、AmazonのAlexaが使える「Amazon Echo」シリーズ、そして未発売だがアップルの「HomePod」が有名。これらに加えて、Google アシスタントとAlexaはAPIが公開されていて、サードパーティが対応スマートスピーカーを作ることも可能となっている(電子工作に長けている人なら個人で自作もできるらしい)。

ONKYOのG3。伝統的なスピーカーらしいデザインだ

 サードパーティー製のスマートスピーカーはすでにいくつかのメーカーから登場しているが、今回紹介するのは、スピーカーを知り尽くした老舗オーディオメーカーのオンキヨーによる「G3」(VC-GX30)というGoogle アシスタント対応のスマートスピーカーだ。

 G3の使い方は基本的にGoogle Homeと同じで、スマホ上のGoogle Homeアプリから設定を行なう。設定すればWi-Fi経由でインターネットにつながり、あとは話しかけるだけでさまざまな機能を使えるようになる。

 「ねぇグーグル、明日の天気は?」といったように、ウェイクアップキーワードとコマンドをつなげて話しかけるのがコツだ。Googleアカウントとも連携していて、Googleアカウントのカレンダーに登録した予定を聞くこともできる。また、ネットワーク家電などの対応機器をコントロールしたり、音楽を再生したりもできる。一方で新着メールのチェックやメッセージの送信などといったスマートフォン的なことはできない。

 ほとんどのスマートスピーカー製品は全方向に音を鳴らす無指向性タイプだが、G3は正面に向けて音を鳴らすという、普通のスピーカーのような指向性を持っている。そのため、G3は部屋の真ん中に置くのには向いていないが、壁際に置くには最適なデザインとなっている

 スマートスピーカーをどこに置くかは、その家の間取り次第だ。しかし、たとえば棚の上やベッドサイドなどの壁際は、たいていの間取りで置き場所も電源も確保しやすく、スマートスピーカーを置きやすいのではないだろうか。そうした壁際スマートスピーカーとしては、G3はかなり扱いやすい。一方で広いリビングのど真ん中で運用したいのなら、G3以外の製品を選んだ方が良いだろう。

底面のインシュレーター(足)も本格的な作り。木製ボディで電源内蔵だ
上面のコントロールパネル部はゴムっぽい素材。フローティング構造で、ボディの振動を内蔵マイクに伝えにくくしている

 音質で言うと、G3の低音域を鳴らすウーファーユニットは80mm。約50mmのウーファーを搭載するGoogle Homeと比べると、低音の鳴り方はだいぶ上という印象だ。女声のような中高音もGoogle Homeに比べ解像感が高く、音量を上げても下げても聴きやすく、BGMとして音楽やラジオを鳴らすといった用途にも向いている。

 G3をBluetoothスピーカーとして使うことも可能だ。しかし、iOSデバイスにつないだとき、なぜか遅延が発生し、Androidスマホをつないだときにも接続がやや不安定になることがあった。動画視聴時やゲームプレイ時のスピーカーとしてはちょっと不向きかも知れない。G3はスマホ内蔵スピーカーが苦手な低音に強いので、ここはちょっと惜しいポイントだ。

 また、当たり前ではあるが、モノラルスピーカーなので、音の拡がりはヘッドホンやステレオスピーカーに劣る。ほかのスマートスピーカーも同じではあるが、今後はサウンドバー型のスマートスピーカーなんかも見てみたいものだ。

 G3はオンキヨー製というだけあって、高音質が売りのスマートスピーカーだ。指向性があるので、部屋の隅に置いてBGMとして音楽やラジオを流すのに向いている。価格は2万5000円前後(税抜)と、Google Homeより1万円ほど高いが、音質にこだわる人には価値のある差だ。モノラルなのでじっくり音楽を楽しむのには向いていない面もあるが、音質にこだわる人は選択肢のひとつに入れておきたいモデルだ。

製品名販売元価格
スマートスピーカーG3オンキヨー2万5000円前後(税抜)