てっぱんアプリ!

Androidスマホにも“完全版”の「Word/Excel/PowerPoint」が登場

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: Microsoft Word/Excel/PowerPoint
開発者: Microsoft Corporation
価格: 無料
対応OS: Android 4.4 以上
カテゴリ: 仕事

 スマートデバイスの分野ではAppleやGoogleに遅れをとっているように見えるマイクロソフト。それでも最近はWindows 10で注目を集めていたり、モバイル向けにオリジナリティのあるアプリをリリースしたりと、元気が出てきた。そしてついに、長年スマートフォンユーザーの不満でもあったOfficeアプリが、6月に一新。いわば“完全版”とも言える実用性を備えた「Word/Excel/PowerPoint」アプリとなった。

iOS版、タブレット版と同等の機能に

 従来、Androidスマートフォン向けには「Microsoft Office Mobile」というコンパニオンアプリが提供されていた。Word/Excel/PowerPointのファイルを読み込み、表示し、編集することはできたものの、文書のレイアウトや図形が崩れて表示されたり、編集できる範囲がテキストのみだったりと、課題や制約が多かった。

 一方、iOS端末とAndroidタブレット向けには、2014年11月に新版が登場。PC版のOfficeソフトに近い機能を搭載し、文書の再現性にもほぼ問題はなくなった(アプリ紹介記事はこちら)。ただ、その後もAndroidスマートフォンでは上記の「Microsoft Office Mobile」しか利用できず、ユーザーによってはオフィス文書をモバイルで活用したくても諦めざるを得ない状況が続いていたわけだ。

 そして6月、ついにAndroidスマートフォンでもiOS端末やAndroidタブレットと同等のオフィスアプリが利用できるようになった。これまでのAndroidタブレット版がアップデートしてスマートフォン・タブレット両対応となり、スマートフォンの小さな画面や縦置き画面に合わせた変更も一部加わっている。

iOS版の「Microsoft PowerPoint」
Androidタブレット版の「Microsoft Excel」

小さい画面での操作に最適化。表示崩れもなし

 ワープロアプリ「Microsoft Word」では、doc/docxファイルなどの新規作成・読み込み・編集・保存が可能。テキスト入力はもちろん、画像の挿入や表の編集にも対応する。画像については、挿入位置の調整と角度変更をドラッグ操作で簡単に行えるなど、タッチパネルによる操作にしっかり最適化している。

 一般的に縦長で、タブレットよりは小さい画面のスマートフォンでは、本来のWord文書のレイアウトのままでは文字が小さかったりして読みにくいことがあるが、ボタン一発でスマートフォンに最適な表示方法に切り替え、文書を読みやすくする機能も備えた。

スマートフォンに完全対応した「Microsoft Word」
画像などの位置調整、回転が楽になった

 表計算アプリ「Microsoft Excel」では、xls/xlsxファイルなどを扱える。選択したセル範囲の数値の一括集計、数式の入力、グラフ作成も可能。ドラッグ操作で行・列をまとめて移動することもでき、スマートフォン上でのデータ編集が苦でなくなった。

「Microsoft Excel」
ドラッグで行・列をまとめて移動

 プレゼンテーションアプリ「Microsoft PowerPoint」は、ppt/pptxファイルに対応。あらかじめ用意された多彩なテンプレートから選択して、バリエーション豊かなデザインのスライドを作成できる。以前の「Microsoft Office Mobile」では、単純な図形をわずかに変形させただけでも表示が完全に崩れていたが、そのような問題はほとんど発生しなくなった。PC上で作成した要素やデータの多いスライドであっても、表示内容を正確に再現できるようだ。

「Microsoft PowerPoint」
PCで作ったスライドもきれいに表示
変形した図形の表示崩れはほとんどなくなった
こちらは「Microsoft Office Mobile」での表示

代表的なクラウドストレージにも対応

 3つのアプリとも、ファイルは端末内だけでなく、OneDrive、Dropbox、Google ドライブなどのクラウドストレージに保存されているものを読み込んだり、それらのストレージ上に直接保存が可能。古いオフィスファイルであっても読み込み時に変換して最新のファイル形式で扱える仕組みになっているので、過去のファイルを元に資料を作成したい時も安心だろう。

 これで、いつでもどこでも、世の中に出回っている大部分のモバイルデバイスで、Office文書をフルに活用できるようになった。便利になった反面、外出先で「対応端末がないから仕事ができない」という言い訳が通用しにくくなり、ビジネスマンにとってはますます仕事から逃れられない日々が増えるかもしれない!?

Wordにも多彩なテンプレートが用意
OneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージにも対応

日沼諭史