スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneからNFCタグに何か書き込んで遊ぼう!!! 役立てよう!!!

iOS 13からはNFC関連をイロイロ楽しめる♪

 2019年の9月20日にアップデート提供開始となった「iOS 13」。さまざまな新機能がある中、俺的に愉快なのがNFCを幅広くサポートしたことだ。

 NFC(Near Field Communication)は近距離無線通信のひとつ。用途別にいくつかの規格が用意されており、多用される規格としてはType-A、Type-B、Type-F(FeliCa)がある。

 Type-Aはタバコ購入時に使うカードのTaspoなど、Type-Bは免運転免許証やマイナンバーカードやパスポートなど、Type-F(FeliCa)は各種電子マネーカードやおサイフケータイなどで使われている。海外ではType-AとType-Bが主流だ。

 で、iOS 13以降をインストールしたNFCチップ内蔵のiPhoneだと、上記のようなNFC対応カードの内容を読むことができる。iPhone 6以降はNFCチップ内蔵だが、iPhone 6世代の対応規格はType-AとType-Bのみ。iPhone 7以降はType-AとType-Bに加えてType-F(FeliCa)にも対応したので、日本国内で幅広く使われている電子マネーカード類を読める。

 また、iPhoneでNFCタグに情報を書き込むこともできる。最近ではNFCタグが安価に売られていて、形状としてもシールやキーホルダーやカードなどバリエーションが豊富。iPhoneを使い、これらNFCタグに情報を書き込んで遊ぼう!!! てなわけだ。

 ……余談だが、NFC関連についてはAndroid端末の方がずっと先進的で開放的。iPhoneでは実現していないおサイフケータイもず〜っと以前から使えるし、NFCタグによる“タッチで設定”の類も大得意なAndroid端末。NFCタグへの書き込みアプリも多々ある。

 なので、今回の“NFCで遊ぶ”的テーマなら、Android端末で行った方がスムーズ……なのだがッ!!! 本連載名は“Apple”野郎なのであり、やっぱりiPhoneユーザーもNFCで遊びたいよネ!!! ってコトなのである。

NFCタグに何を書き込むと何が起きる?

 NFCタグに情報を書き込むと、どうなる? たとえば電話番号を書き込んだNFCタグの場合、NFC対応のスマートフォンでそのタグにタッチすると、書き込まれた電話番号へ発信できる。スマートフォンがNFCタグから自動的に電話番号を読み込んでくれるわけですな。

 iPhoneからNFCタグへの書込みは、NFCタグの読み書きに対応したアプリを使う。いくつかアプリを試したが、ここではわりとシンプルに使える「NFC Tools」で話を進めて行こう。

 NFCタグとしては、サンワサプライの「MM-NFCT」を使う。NFCタグは他にもた〜くさんあるが、入手性が良い定番品ということで、この製品を選んでみた。

 書込み手順としては、NFC Toolsアプリ上でNFCタグに書き込みたい情報を入力し、アプリ上から書き込み操作をする。書き込み時はiPhoneのNFCチップ位置とNFCタグを近接させる。書き込みは一瞬で完了する。

 具体的には、電話番号を書き込む手順なら、アプリのホームから[Write]→[Add a record]→[Phone number]と進んで電話番号を入力し[OK]で確定。[Write]→[Write ○Byte]ボタンを押し、iPhoneとNFCタグを近接させ、NFCタグへ電話番号を書き込む。

 電話番号の書き込みを完了したNFCタグにiPhoneを近接させると、画面上部に電話番号への発信を行える通知表示が現れる。それをタップすれば電話番号へ発信することができる。あらオモシロい♪

アイデア次第で案外実用的かも!?

 他にもイロイロな情報をNFCタグに書き込める。テキスト、URL、SNSリンク、検索キーワードと検索サイト、メールや連絡先やSMSや場所やWi-Fi接続設定等々、様々な情報を書き込める。

 例えばNFCタグにURLを書き込んでiPhoneでタッチすると、URLの検出を示す通知表示が現れる。それをタップするとウェブサイトが開かれる。

 あるいはメールアドレスと件名と内容を書き込んだNFCにタッチすると、やはり通知表示が現れる。それをタップすると、メールアドレスと件名と内容が書き込み済みの下書きメールが表示される。

 ちなみに、NFC ToolsもNFCタグもさまざまな情報の読み書きに対応してはいるが、iPhoneでそのNFCをタッチして“何かしら自動に近い処理が始まるかどうか”は、iOSの仕様により制限があるようだ。NFCタグ上のどんな情報に対してもiPhoneが反応するとは限らないというわけですな。

 また、今回扱ったNFCタグは、そのメモリサイズが144byte。英文字で144文字相当の情報を書き込める(実際に書き込める文字数はそれより少ない)。なので、あまり長いメッセージなどを書き込むことはできない。なお、メモリ容量がより大きなNFCタグも市販されている。

 ところで、NFCタグに書き込んで、遊んで、それで終わり? 役立てられないの?

 たとえば電話番号の場合、ちょっと古典的な電話番号交換ができる。相手がNFC対応スマートフォンを持っていたら、自分の電話番号を書き込んだNFCタグにタッチしてもらう。そして読み込まれた電話番号に発信してもらう。これで、相手側にはコチラの電話番号が伝わり、コチラのスマートフォンには相手からの着信履歴が残り、電話番号を交換できたことになる。

 前述のメール情報を書き込んだ場合、ルーチンワーク的に同じ内容を送信しているメール作成が格段にラクになるだろう。本文が長いメールだと無理だが。URLを書き込んだNFCタグを名刺に貼り付けておけば、自分のブログやポートフォリオサイトへ容易にアクセスしてもらえる。

 てな感じで、あまり複雑なことはできないものの、アイデア次第で役立てられるNFCタグ。使い方も簡単で、やってみるとちょっと面白いので、ゼヒ♪

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。