スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone 11 Pro Maxの超広角撮影「成功のカギ」はスマホ用グリップにあった!

便利なグリップを3タイプ購入! 神グリップもあったヨ♪

 最近の筆者はスマートフォン用のグリップを多用中。スマートフォンに装着すると、撮影時に安定的に持って構えて撮れるというグッズですね。

 なぜスマホ用グリップ? メインのスマートフォンをiPhone 11 Pro Max(レビュー記事)にしたんですけど、そのカメラ性能が凄い。よ~く写るし、超広角レンズも非常にイイ。しかし、若干の問題があり、それを解決すべくグリップ類を使い始めたのでした。

筆者が購入&使用したスマートフォン用のグリップ各種。どれもスマートフォン背面に装着すると「スマホを安定的に握れる」ようになるグッズです。ちなみに黄色いのが使ってみていろいろ驚いた秀逸な品。筆者的には「神グリップ」となりましたが、本記事の最後にご紹介します。

 ところで、iPhone 11 Pro MaxなどのiPhone 11シリーズには超広角レンズが搭載されています。これは「非常に広い視野(画角120°)を1枚の写真に写し込めるレンズ」で、35mm換算だと13mm相当。目の前に広がっている視野を全部写真に写し込めるような感じです。

左が超広角(13mm相当)、右が広角(26mm相当)で撮った写真。超広角だとより広い範囲を写し込めるので、風景や大きな建物を撮るのがラクです。
こちらも同様に左が超広角で右が広角。広大な自然を写すときも超広角が大活躍します。

 レンズも画質も秀逸なiPhone 11シリーズ。もはやウェブメディア用ビジュアルとしてシッカリ使えるレベルです。なので、例えばインプレスのe-bike Watchの最近の写真は専らiPhone 11シリーズで撮っていたりします。自転車で移動しつつの写真撮影は、ミラーレスカメラやコンパクトデジカメよりも携帯性が高いスマートフォンの方が便利だったりもしますし♪

 ただ、筆者のiPhone 11 Pro Maxで超広角撮影する時、小さな問題が。不意に指が写り込んじゃうんですね。特に直射日光下で画面が見づらい状態で撮影していると、画面の端に指が入っているのに気づかないことがけっこうあります。

iPhoneはボリュームボタンでカメラのシャッターを切ることができます。筆者の場合、右写真のように両手でiPhone 11 Pro Maxをホールドし、レンズ上部のボリュームボタンを押して撮影。iPhone 11シリーズで超広角撮影をする場合、超広角レンズのみ手ブレ補正が効かないので片手撮りだとブレがち。なので、やはり両手でガッチリとホールドする必要があります。……ただ、注意しないと右手小指や薬指あたりが写り込んでしまいがち。
超広角撮影だと、こんなふうに指が写り込みます。写真で見ると明らかに写り込んでいるわけですが、明るい屋外だと画面が見づらく、写り込んだ指に気づかないことがありがち。後で「あっ指が……」と後悔するわけですね。
ダム写真に指! 猫写真にも指! 気軽なスナップなら「まあいいや」で済みますが、仕事用の写真となると後でレタッチによる「指消し」が大変。

 iPhone 11シリーズの超広角撮影は「撮れ高」がイイし、画質も十分。仕事で使えるレベルだけど、気を抜くと指の写り込み問題が。じゃあどうする?

 アレコレ考えた結果、スマートフォン用のグリップを使うとイロイロと解決できることがわかりました。手ブレ補正が効かない超広角撮影でも、片手でガッチリとホールドしてブレていない写真を撮影可能。そしてレンズに指がカブることも激減!

 なーるほど好都合じゃんスマートフォン用グリップ。てなわけで以降、筆者が試したスマートフォン用グリップ製品を、購入した順にレビューしていきます。

とりあえず片手でホールドできるグリップを!

 スマートフォン用グリップを買うにあたって、ミラーレスカメラのように右手でグッと掴めるようなものを考えました。ああいうタイプなら、十分力強くホールドした状態での片手撮りができそう。また、iPhoneの「ボリュームボタンが無い側」を掴むように装着するので右手とレンズの位置が離れますから、片手撮りするなら指がレンズにカブるようなこともなさそう。

 そこでまず買ってみたのが、Neewerブランドの「スマホリグ フィルムメーカーグリップ」という製品。Amazonで税込1299円でした。以下、写真と説明文で見ていきましょう。

Neewerの「スマホリグ フィルムメーカーグリップ」。短辺50~92mmのスマートフォンをホールドできるグリップです。1299円ながらもけっこうな機能性を備えたグリップという印象で、グリップ底部には三脚ネジ穴が、側部には水平器まであります。ちなみにNeewerは「ニューワー」と読み、多種多様な撮影機材を発売しているブランド。筆者もいくつか製品を使っていますが、どれもコストパフォーマンスに優れていると感じます。
スマートフォンを挟んでホールドするネジ式のグリップで、上部のつまみを回して挟む強さを調節できます。素材は樹脂ですが、スマートフォンをかなりしっかりとホールド可能。ネジの部分には三脚ネジ穴と汎用シューがありますので、LEDライトやマイクなどのアクセサリーを装着して撮影することもできます。スマートフォンの短辺ならボタン位置以外どこにでも装着できますが、iPhone 11 Pro Maxの右端に装着してみました。
持った感じ。片手でしっかりグリップでき、親指でソフトウェアシャッターボタンを押すこともできます。スマートフォンでは考えられないレベルの高いグリップ感があり、しっかりとブレ防止につながりました。
下方に伸びたグリップ部は外せて、三脚ネジ穴が出現。ストラップも外せます。スマホスタンド的にも利用可能。

 コレかなりイイ感じです。グリップとしてシンプルに使えつつ、三脚取付用のスマホホルダーとしても実用的。作りも悪くないし、1299円だし、Neewer製品コスパ高いわ~。

 さて、広角撮影はどうだったかと言えば、ホールド感がかなりイイので、しっかりと手ブレ防止になりつつ、片手で撮影できるので指の写り込みもナシ。スマートフォンに軽く左手を添る場合でも、端末左上下端を人差し指と親指でつまめば指が写り込むことはまずありません。

 それと、片手で撮影できると屋外撮影時にメリットがあります。それは左手を「日よけ」や「画面への写り込みよけ」として使えること。太陽が眩しすぎて画面がよく見えないとか、画面が周囲の物を反射して表示が見えにくいといったことを、左手で影を作って防止できるわけですね。

 片手撮りができつつ画面の見やすさも向上。こんなアイテムをひとつ追加しただけなのに、iPhoneでの写真撮影がかな~り快適化しました♪

Bluetoothシャッター付きホルダーは便利!

 前出のグリップを使っていて、若干不便なのがソフトウェアシャッターボタンを押す操作。親指でタップするシャッター操作だと、不意に撮影モードを変えてしまったり、思い通りのタイミングで押せなかったりします。

 そこで探したのが、物理的なシャッターボタンを備えたスマートフォングリップ。bitplayの「SNAP! Grip」(公式ページ)という製品を見つけて購入しました。国内正規代理店直販価格は税込6875円。以下、写真と説明文で見ていきましょう。

bitplayの「SNAP! Grip」。スマートフォンの短辺をバネの力で挟むタイプのグリップで、前方上部に脱着式のBluetoothシャッターリモコンを備えています。底部には三脚ネジ穴。短辺が58~85mmのスマートフォンに対応。
Bluetoothシャッターリモコンはこんな感じで外せて、もちろん単独で利用できます。リモコンの電源はコイン型リチウム電池のCR2032。本体のリモコン近くに見えるスライドボタンは、リモコン部が不意に脱落しないためのロックです。
iPhone 11 Pro Maxをセットした様子。バネ式なので容易に脱着できます。ホールド力は十分強く、装着した感じもコンパクトで好印象。なお、写真では自立しているように見えますが、実際は自立しません。
持った様子。小型のミラーレス一眼のような感覚で握れます。シャッターボタンの位置も良好。クリップ部分上部に親指を置けて、サムレストのような安定感が得られます。
ちなみにこのグリップ、クリップ部とグリップ部を分離できます。同ブランドのスマートフォンケース「SNAP! CASE」シリーズにグリップ部を装着・流用できるというシクミ。bitplayのケースやグリップはけっこうシステマチックです。右写真は付属品。ポーチと電池交換用の精密ドライバーなどが付属しています。

 スマートフォンを片手で握って構え、人差し指の操作でシャッターが切れて、かな~り快適に撮影しまくれるスマートフォン用グリップです。撮り歩き時にこういうグリップを使うと、明らかに撮影が捗ります!

 ただ、残念な点が少々。ひとつはBluetoothリモコンのオンオフが自動であること。シャッターボタンを押せばオンになり、不使用状態が3分続くとオフになるというタイプなんです。この自動オンオフ、一見便利そうに思えるんですが、時々不便。

 このBluetoothリモコンはボリュームを上げる操作をするタイプです。多々あるスマートフォン用のBluetoothシャッターリモコンと同様ですが、このタイプのリモコンがスマートフォンに接続されていると、ソフトウェアキーボードが使えなかったりします。Bluetoothシャッターリモコンを外部キーボードだと認識しているため、ソフトウェアキーボードが出てこないんですね。

 なので、リモコン使用中や、リモコンを使い終えて3分経っていない状態では、メールやメッセージなどで文字入力ができません。そういう挙動がたまに不便。

 もうひとつ、リモコンのボタンが押下されるとオンになってスマートフォンに自動接続されますので、バッグの中で不意にオンになったりすると、上記と同様の不便さが突如発現。あるいは、バッグの中で不意にオンになりつつボタンが押され続けると、いつの間にかスマートフォンのボリュームが最大に! みたいなことも起こり得ます。

 Bluetoothシャッターリモコンの電源が自動オンオフだと、こういう細かな問題が出てくるわけですね。やはりBluetoothシャッターリモコンの電源は手動の方がいいような気がする筆者なのでした。

出た! 神グリップ! これサイコー♪

 最後に、Adonit(アドニット)の「PhotoGrip」(公式ページ)。ディスク式スタイラスペンなどでけっこう知られているあのブランドですね。Amazonにて税込4224円で買いましたが、このグリップ、使ってみたらほとんど抜け目ナシって感じで、かなりサイコー。現在の筆者にとっては神グリップです! ともあれ、写真と説明文で見ていきましょう。

Adonitの「PhotoGrip」。スマートフォン短辺をバネで挟むタイプのグリップで、短辺62.5~85mmのスマートフォンに対応。バネの力は十分強く、また端末を挟む部分が幅広なので、かなり安定的にスマートフォンをセットできます。底部には三脚ネジ穴あり。
グリップ上部には脱着式のBluetoothシャッターリモコン。USB充電式(microUSB)です。ロック機構無しで挿抜して脱着しますが、適度な抵抗感があって不意に抜けることもなさそうです。グリップの横にはスタイラスを内蔵。先端がディスクになっているタイプで、わりと快適にiPhone 11 Pro Maxを操作できます。グリップへの収納感も良好で、スタイラスが不意に抜け落ちることもなさそう。
iPhone 11 Pro Maxに装着した様子。写真のように自立します。
握った様子。グリップ部がやや幅広なので、今回紹介した製品のうち最も安定的に握ることができました。人差し指や親指を置けるスペースが広めで使いやすい。
縦向きにも自立します。スマートフォンにグリップ本体をセットしたまま携帯できるポーチと、それを首などから吊せるストラップ、ミニ三脚などが付属します。

 グリップ感が良好で適度なサイスがあり、とても快適に使えるスマートフォン用グリップです。また、Bluetoothシャッターリモコンですが、長押しで電源オンで、そこから長押しで電源オフ。電源オンオフを至ってフツーに任意に行えるシンプルさが便利です。なお、リモコンが無操作で10分が経過すると自動で電源オフになります。

 それから細かな部分もよくできている。例えばこのBluetoothリモコン、iPhone 11 Pro Maxと接続中でもソフトウェアキーボードが利用できるという仕様。さらに、iPhone側でカメラアプリを立ち上げていない状態では、ボタンを押すごとにボリュームのアップ/ダウンを交互に繰り返します。なので、ボリュームの上がりすぎ問題は起きない。いや~、そんなあたりをよ~く心得て作ってありつつ、価格も抑えめで、ナイス!

 このテのBluetoothシャッターリモコン脱着タイプのスマートフォン用グリップ製品って、実は意外に少ない。数えるほどしかありませんが、そんな中でこのPhotoGripはミョーに完成度が高いというか作っている人の愛が深いというか、そんな印象を受けました。結果、とても便利に活用できています。感謝。

 てな感じのスマートフォン用グリップ×3種。PhotoGripが筆者イチオシ品ではありますが、どれも「スマホをガッチリとホールドしつつ撮影できて快適」という部分は共通しています。用途や目的に応じて吟味してみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。