スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い!

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い!

 久々にノイズキャンセリング・ヘッドホンを買いまして。モノはソニーの「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM2」(公式ページ)。スマートフォンなど音源と無線(Bluetooth)接続して使うオーバーイヤータイプのヘッドホンです。

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ソニー「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM2」。ノイズキャンセリング機能を搭載したBluetooth接続のヘッドホンで、業界最高クラスのノイズ低減性能を謳う製品です。カラーバリエーションはブラックとシャンパンゴールド。実勢価格は3万9000円前後です。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ソニー「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM2」。ノイズキャンセリング機能を搭載したBluetooth接続のヘッドホンで、業界最高クラスのノイズ低減性能を謳う製品です。カラーバリエーションはブラックとシャンパンゴールド。実勢価格は3万9000円前後です。
ソニー「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM2」。ノイズキャンセリング機能を搭載したBluetooth接続のヘッドホンで、業界最高クラスのノイズ低減性能を謳う製品です。カラーバリエーションはブラックとシャンパンゴールド。実勢価格は3万9000円前後です。

 このヘッドホンを発売前に試聴したんですが、考えてみれば新しいノイズキャンセリング・ヘッドホンを試すのは久々。イヤホンタイプでノイズキャンセリング機能搭載の製品は使っていたんですが、耳を覆うオーバーイヤータイプはかなり以前に使ったきり。本連載の過去記事にてソニーのノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンを2機種レビューしましたが、もう4年近く前ですね。

 そして最新型で「業界最高クラス」を謳う「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM2」(以下、WH-1000XM2)を試聴。試聴についてはこちらの記事にまとめましたが、試した瞬間あらビックリ! ノイズキャンセリング(以下、NC)の効果って、こんなに強力でしたっけ? みたいな。そして試聴後、迷わず「WH-1000XM2」を予約注文したのでした。

 そして使うこと約3週間。最初ちょっと高いな~と思った「WH-1000XM2」ですが、NC性能は抜群ですし、音質も上々。機能性にも優れていて使いやすいです。てなわけで、現在ではその価格にも納得しています。ともあれ以降、「WH-1000XM2」の機能や使用感についてお伝えしたいと思います。

「WH-1000XM2」って、どんなヘッドホン?

 まずは「WH-1000XM2」の概要から。ヘッドホンのタイプとしては、オーバーヘッド型でアラウンドイヤー(オーバーイヤー)タイプです。40mmのHDドライバーユニットを採用していてハイレゾ対応。音源とはBluetooth接続でき、対応コーデックはSBC以外に、AAC、aptX、aptX HD、LDACに対応しています。USB充電式で、NCをオンにした場合は最長で連続30時間音楽を聴くことができます(NCオフ時は最長38時間)。

 ちなみに、付属のケーブルで音源とつなげば、電源オフでも音を聴けます。また、ケーブル接続した状態で電源をオンにすれば、有線式のNCヘッドホンとして使えて、ハイレゾリューション・オーディオ再生にも対応します。

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! オーバーヘッド型としてはわりとスマートなヘッドホンです。質量は約275g。主なコネクタやボタン類は、NCオンオフボタン、電源ボタン、外部入力ジャック、充電用microUSBポートです。右側ドライバ外面はタッチセンター搭載で、曲の送り戻しや受話操作(通話もできます)などをタッチ操作で行えます。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! オーバーヘッド型としてはわりとスマートなヘッドホンです。質量は約275g。主なコネクタやボタン類は、NCオンオフボタン、電源ボタン、外部入力ジャック、充電用microUSBポートです。右側ドライバ外面はタッチセンター搭載で、曲の送り戻しや受話操作(通話もできます)などをタッチ操作で行えます。
オーバーヘッド型としてはわりとスマートなヘッドホンです。質量は約275g。主なコネクタやボタン類は、NCオンオフボタン、電源ボタン、外部入力ジャック、充電用microUSBポートです。右側ドライバ外面はタッチセンター搭載で、曲の送り戻しや受話操作(通話もできます)などをタッチ操作で行えます。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 専用のセミハードキャリングケースが付属します。ドライバ部を畳むようにして収納可能。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 専用のセミハードキャリングケースが付属します。ドライバ部を畳むようにして収納可能。
専用のセミハードキャリングケースが付属します。ドライバ部を畳むようにして収納可能。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ケースの厚みは約50mm。外寸200×160mmの楕円で、意外にコンパクトに携行できます。ケース裏面には伸縮性のあるポケットが付いていて、ポータブルオーディオプレイヤーなどを入れることもできます。スナップボタンでループを開閉できるストラップが付いていて、バッグやバックパックの定位置からズレないように固定できたりしてナニゲに便利。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ケースの厚みは約50mm。外寸200×160mmの楕円で、意外にコンパクトに携行できます。ケース裏面には伸縮性のあるポケットが付いていて、ポータブルオーディオプレイヤーなどを入れることもできます。スナップボタンでループを開閉できるストラップが付いていて、バッグやバックパックの定位置からズレないように固定できたりしてナニゲに便利。
ケースの厚みは約50mm。外寸200×160mmの楕円で、意外にコンパクトに携行できます。ケース裏面には伸縮性のあるポケットが付いていて、ポータブルオーディオプレイヤーなどを入れることもできます。スナップボタンでループを開閉できるストラップが付いていて、バッグやバックパックの定位置からズレないように固定できたりしてナニゲに便利。

 ほか、詳細はメーカーの公式ページをご覧いただきたいと思いますが、わりとスマートで軽めのオーバーヘッド型Bluetoothヘッドホンで、携帯性も上々。対応コーデックも豊富で、連続使用時間も十分長く、ケーブル接続での利用やハイレゾ対応まで含めて、欠点らしい欠点は見当たりません。

 音質については、個人差や感受性などありますのでぜひ試聴して欲しいのですが、個人的な印象としては、それぞれの音がしっかり解像されつつも、低音が太いとか高音が鋭すぎるといった味付けが感じられず、自然なバランスがあるという感じ。Bluetoothヘッドホンって、機種によっては音質的な味付けを施すことでBluetoothの音質的物足りなさを補うようなこともあったりして、「音質的なバランスが独特」みたいな感じがすることもあるわけですが、「WH-1000XM2」にはそういう違和感・不自然さは感じられません。有線接続でも、NCをオンにしてもオフにしても、そういう音質的な素性の良さは同様だと感じられました。

ノイズキャンセリングの効果は?

 さて、この、ワイヤレスで使えてけっこー音が良いヘッドホンに、さらにNC(ノイズキャンセリング)機能があるわけです。で、NCの効果を筆者的な印象で言ってしまうと、「騒音が消えまくり!」という感じ。

 人の声を中心にした音は少し聞こえてきて、また、強めの高音も少々聞こえてはきます。ので、近くで誰かが話しているのはわかりますし、ドアノブをガチャッと回したりする音もわかります。

 しかし、それ以外の多くの騒音がスッと消えてしまう。ですので、「WH-1000XM2」を使い始めたときは、静かになり過ぎることからくる違和感を感じるほどでした。たとえば、朝起きて外を見たら雪が積もっていて、外に出てみたらシーンとしていて、いつもとは全然違う静寂の世界。……なんか雑音がなさ過ぎて、ちょっとヘンな感じがするんですけど~、みたいな「ノイズの無さからくる違和感」が、「WH-1000XM2」により生じたりもしました。

 でも、その違和感にはすぐに慣れ、間もなく「そっかーいつもはこんなに騒音があったのか~」と、それまで意識していなかった「騒音の多さ」に気付いたりします。同時に、騒音が激減すると、気分が落ち着いたり、騒音が原因のフラストレーションが減ったりすることにも気付きます。

 たとえば筆者の仕事場で「WH-1000XM2」を装着し、NCをオンにすると……さっきまで聞こえていたHDDの動作音、時計の秒針の音、冷蔵庫のコンプレッサーが動作する低音、マウスを動かす音やクリックする音、キーボードを打鍵する音などが、一斉になくなってしまいます。もちろん外を通るクルマの音なども消えちゃう。より仕事に集中しやすくなるわけです(仕事する気があればですが)。

 電車やバスでの移動や、単に街中で立っているときも同様。一瞬でかなり静かな世界にワープできます。ある程度の音は聞こえてくるので完全無音というわけではありませんが、たとえば昼間の街中で「WH-1000XM2」を使うと「電車・バスがまだ動き出していない時間帯」にちょっと近い、なんだか不思議な静けさになります。移動中の電車やバスなどで使うと「走行の振動は感じられるのに音が少ししかしない」という風変わりな静寂体験になります。

 ただ、そういう「不思議な静けさ」や「風変わりな静寂体験」は、すぐに慣れちゃうわけです。「こういうふうに静かなのが当然」と感じるようになり、結果、「WH-1000XM2」を使わないと「あーやかましい!」みたいな気分に。

 一昔前のNC対応ヘッドホンの類でも、これと似た体験ができましたが、最新のNCヘッドホン「WH-1000XM2」は、ノイズ除去のレベルが違う感じ。すごーく静かになりつつ、人の声あたりは恐らく「敢えて少し聞こえるようにしている」のだと思います。実際、「WH-1000XM2」を使いつつ振動はしているけどかなり静かな電車に乗っていても、アナウンスは少し聞こえてきて「あっ乗り換えか?」みたいな気づきはあるんです。ちなみに、そのときにドライバ右側全体を手のひらで覆うようにして触れれば、一時的に周囲の音を聞ける「クイックアテンションモード」になり、アナウンスをしっかり聞くことができます。

 でまあ、ホントに強力に効果を発揮する「WH-1000XM2」なので、ぜひ店頭でそのノイズ除去効果を体験して欲しいのですが、そんなふうにノイズを除去しつつ、高音質で音楽を流してくれるというわけです。結局、小さめの音でも音楽を十分楽しめますし、少し音量を上げれば十分な大音量と感じられます。肉体的に耳がラク。快適です。

 また、周囲のノイズが大幅に減りますので、小さい音量で始まる曲などもちゃんと聞こえますし、繊細な楽器の音もよく聞こえます。僅かな音で始まって、徐々に音量が上がりつつ演奏の楽器数も増えつつ、みたいな曲中全体のダイナミックレンジが広い曲でも、ボリューム操作なしで楽しめます。騒音の多い電車などでの移動中にそういう曲が始まると、「あっこの曲は移動中だと聞こえない」と曲スキップ操作をしていた筆者ですが、「WH-1000XM2」だとそういうこともなくなります。

 まあ、そういうノイズ除去効果が必要かどうかはさておき、ぜひ「WH-1000XM2」実機を試してみてください。そのNC効果に驚けると思います。

「WH-1000XM2」の利便あれこれ

 主に外出時に「WH-1000XM2」を使っていますが、「このヘッドホン便利だな~」とたびたび思います。便利だと感じる要素を、いくつか具体的に挙げてみましょう。

 ひとつは「外音取り込み機能(アンビエントサウンドモード)」。周囲の音を敢えて取り込んで聞こえるようにする機能(動作モード)です。ヘッドホンやイヤホンを使っていると、その時点で「周囲の音がある程度聞こえにくくなっている」という状態です。騒音が減って良いですが、その一方で「周囲の音を聞き逃す」ことにもなります。アナウンスや呼びかけが聞こえないとか、接近する人や車両の(音による)気配がわからないとか。そういう場合にこの機能を使うわけです。

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ヘッドホンの「NC/AMBIENTボタン」を押すたびに動作モードが変わります。「NCオン/緑ランプ点灯」→「外音取り込み機能オン/黄ランプ点滅」→「NCオフ/緑ランプ点滅」の繰り返し。後述の「クイックアテンション機能」を使っている間は、黄ランプが速く点滅します。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! ヘッドホンの「NC/AMBIENTボタン」を押すたびに動作モードが変わります。「NCオン/緑ランプ点灯」→「外音取り込み機能オン/黄ランプ点滅」→「NCオフ/緑ランプ点滅」の繰り返し。後述の「クイックアテンション機能」を使っている間は、黄ランプが速く点滅します。
ヘッドホンの「NC/AMBIENTボタン」を押すたびに動作モードが変わります。「NCオン/緑ランプ点灯」→「外音取り込み機能オン/黄ランプ点滅」→「NCオフ/緑ランプ点滅」の繰り返し。後述の「クイックアテンション機能」を使っている間は、黄ランプが速く点滅します。

 人によって使われ方が違う機能だと思いますが、筆者の場合は「音楽は聴いていたいが周囲の音も聞き漏らしたくない」というときに使っています。初めて乗る路線などで使うとアナウンスを聞き漏らさずに済みますし、待ち合わせ中に使えば声をかけられたらすぐ気づくことができます。なお、この機能を使った場合、ヘッドホンをしただけの状態よりも鮮明に周囲の音を聴くことができます。

 少々前述しましたが、周囲の音を敢えて取り込む点で同様の「クイックアテンション機能」も便利。これは「外音取り込み機能(アンビエントサウンドモード)」よりもさらに多くの音を取り込む機能で、右側のハウジングを手のひらで覆うようにタッチしている間だけ機能します。たとえばNC機能使用中に急に声をかけられたとき、この「クイックアテンション機能」を使えば、即座に相手の声をしっかり聞けるようになるわけです。

 それから「タッチセンサーコントロールパネル」。ヘッドホン右側に触れることで曲の再生や送り戻し、ボリューム調整、受話/終話ができるという機能。ボタン式と比べると触れるターゲットが大きいので、誤操作が少なく実用的です。反応もクイック。ほかのソニー製ヘッドホンにも搭載されている機能ですが、と~っても便利です♪

 ヘッドホンとスマートフォンを連携させ、状況に合わせてNC効果などを変化させる「アダプティブサウンドコントロール」機能も実用的。ペアリング中のスマートフォンの加速度センサーなどにより、ユーザーの状態を「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物で移動中」の4つから検出し、それぞれの状態に合わせてNC効果/外音取り込みを自動的に切り換えてくれます。どの程度外音を取り込むか、人の声を聞こえやすくするかなどをユーザーが自由に設定することもできます。

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 「アダプティブサウンドコントロール」機能は専用アプリ「Headphones Connect」からオンオフできます。状態を「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物で移動中」から検出し、その状態に適切なNC機能を自動的に適用します。各状態のNC機能の強度などはユーザーが自由にカスタマイズ可能。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 「アダプティブサウンドコントロール」機能は専用アプリ「Headphones Connect」からオンオフできます。状態を「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物で移動中」から検出し、その状態に適切なNC機能を自動的に適用します。各状態のNC機能の強度などはユーザーが自由にカスタマイズ可能。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 「アダプティブサウンドコントロール」機能は専用アプリ「Headphones Connect」からオンオフできます。状態を「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物で移動中」から検出し、その状態に適切なNC機能を自動的に適用します。各状態のNC機能の強度などはユーザーが自由にカスタマイズ可能。
「アダプティブサウンドコントロール」機能は専用アプリ「Headphones Connect」からオンオフできます。状態を「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物で移動中」から検出し、その状態に適切なNC機能を自動的に適用します。各状態のNC機能の強度などはユーザーが自由にカスタマイズ可能。

 この「Headphones Connect」アプリからはヘッドホンの音質(イコライザー)やサラウンド効果、音が聞こえてくる方向なども設定できます。ヘッドホンの装着状態や使用場所の状況に応じたNCの最適化を行うこともできます。

 といった感じで、なかなか柔軟に活用できる「WH-1000XM2」。本体の操作性も良く、アプリも扱いやすい感じです。それに加えて音質の良さや抜群のNC性能がありますので、一度使うと後戻りできない感覚。よくできた製品だと思います。

オマケ:隠れ対抗馬? の「h.ear on 2 Wireless NC」との違いは?

 ところで、機能性や外観が「WH-1000XM2」と良く似ているワイヤレスヘッドホンとして、「ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット h.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)」(以下、WH-H900N)(公式ページ)という製品があります。性能も機能も「WH-1000XM2」ほどではないというイメージですが、「WH-H900N」の実勢価格は2万9000円前後。「WH-1000XM2」の実勢価格は3万9000円前後なので、それより1万円くらい出費を抑えられる製品です。

ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 左がハイエンド機に相当する「WH-1000XM2」。中央と右は「WH-1000XM2」の機能や性能をやや押さえたというイメージの「WH-H900N」。「WH-H900N」のカラーバリエーションは新鮮&豊富なので、よりカジュアルにワイヤレスのNCヘッドホンを使いたい人にとって魅力的です。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 左がハイエンド機に相当する「WH-1000XM2」。中央と右は「WH-1000XM2」の機能や性能をやや押さえたというイメージの「WH-H900N」。「WH-H900N」のカラーバリエーションは新鮮&豊富なので、よりカジュアルにワイヤレスのNCヘッドホンを使いたい人にとって魅力的です。
ソニーNCヘッドホン「WH-1000XM2」が凄い! 左がハイエンド機に相当する「WH-1000XM2」。中央と右は「WH-1000XM2」の機能や性能をやや押さえたというイメージの「WH-H900N」。「WH-H900N」のカラーバリエーションは新鮮&豊富なので、よりカジュアルにワイヤレスのNCヘッドホンを使いたい人にとって魅力的です。
左がハイエンド機に相当する「WH-1000XM2」。中央と右は「WH-1000XM2」の機能や性能をやや押さえたというイメージの「WH-H900N」。「WH-H900N」のカラーバリエーションは新鮮&豊富なので、よりカジュアルにワイヤレスのNCヘッドホンを使いたい人にとって魅力的です。

 さて、ハイエンドの「WH-1000XM2」か? それとも性能もまずまずで色が魅力的な「WH-H900N」か? どちらを選ぼうか迷っている方も少なくないと思います。細かな違いはメーカーの公式サイトをご覧いただくとして、以下に主な違いをザッとまとめてみました。

 まず、NC性能に差があります。「WH-1000XM2」は業界最高クラスのNC性能を謳っている機種ですので、「WH-H900N」のNC性能はそこには届きません。ただ、実際に「WH-H900N」実機を使ってみると「これでも十分ノイズが低減されている」と感じる方も多いと思います。ので、そのあたりはやはり実機に触れて確かめてみてください。

 それから、「WH-H900N」は「NCオプティマイザー機能」には対応していません。「WH-1000XM2」は専用アプリ「Headphones Connect」からNC性能の最適化を行えましたが、「WH-H900N」だとソレができない、ということです。

 それと、「WH-H900N」も「Headphones Connect」アプリでヘッドホンの設定を変更できますが、「アダプティブサウンドコントロール」(ユーザーの状態によってNCの設定を自動変更する機能)や「サウンドポジションコントロール」(音が聞こえてくる方向を擬似的にコントロールする機能)は使えません。アプリから外音取り込みの度合いや、サラウンド効果やイコライザーの調節などは行えます。

 音質に関わる部分では、「WH-1000XM2」にはソニー独自のデジタルアンプ「S-Master HX」が搭載されていて、原音をより忠実に再現できるそうです。一方「WH-H900N」にはこのデジタルアンプは搭載されていません。

 てな感じの違いがあるわけですが、筆者的にぶっちゃけますと、安価なほうの「WH-H900N」でも先端的なNCヘッドホンの性能を楽しめると思います。どちらもNC自体はよく効きますし、「WH-H900N」の音質も十分高品位だと感じられます。個人的には、普及型の最新NCヘッドホンが「WH-H900N」で、それをさらに徹底してつくり込んだのが「WH-1000XM2」というイメージで捉えています。

 ともあれ、最新世代のソニーNCヘッドホン、雑音をごっそり取り除いてくれて痛快。ぜひ「WH-1000XM2」や「WH-H900N」の実機でそのNC効果を体験してみてください。けっこー笑顔になれると思います♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。