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「単体購入」なのに新規契約が必要? ドコモ端末を単体購入してみた
2021年7月7日 00:00
東京都内の家電量販店で、ドコモのiPhone SE(第2世代)が割引価格で販売されているのを見かけました。
新規契約やMNP(のりかえ)契約での割引については特に珍しくはないのですが、筆者が目にしたキャンペーンは、期間限定ながらも割引価格が2万2000円を上回っていることと、回線契約を伴わずに本体を購入しても同額が割引される点で、通常ではあまり見かけないキャンペーンが行われていました。
店頭のポスターに「回線契約が無くても割引適用」と明記されていたため、半信半疑ながら店頭でスタッフに確認してみると、「回線契約が無くても割引は適用される。ただし、手続きは1時間ほど時間がかかる」と説明されました。
機種変更ではなくあくまで端末を単体購入する手続きは、通常の商品を購入するのと同様に、購入する商品をレジに持っていけば、すぐに会計できると考えていました。
しかし、店頭スタッフの説明によると、ドコモのシステム上、スマートフォンはアクセサリなどの購入と同じような手続きでは購入することができず、新規契約と同様の手続きを行い、その後キャンセルするという手続き購入が必要になる……とのことです。
端末を単体購入するのに、なぜ新規契約が必要に? と疑問を持ちましたが、これはドコモのシステム上の制限が理由であり、端末の単体販売を断るためのお店側の方便ではありませんでした。
中古ショップなどで端末を単体購入するのではなく、ドコモショップや家電量販店のドコモの正規取扱店で「端末を単体購入する」手続きは初めてだったので、スタッフの説明に従い、免許証などでの本人確認のほか、契約者(購入者)の氏名や住所などを契約書に記入、月額料金の支払に用いるクレジットカードを登録など、通常の新規契約と同様の手続きを行いました。
この手続きを行いながら、「契約は行われないので、新規事務手数料なども発生しない」など、通常の新規契約をするものではないことを何度か確認しながら手続きを進めました。
ドコモのシステム詳細については公開されていないため、不明な部分も多いのですが、店頭スタッフの当初説明通り、新規契約と同様の手続きを行っていたものと考えられます。
手続き後に返却された書類を確認すると、記入した申込書には「機種購入割引白ロム販売に伴う解約」という記載がありました。恐らくですが、ドコモ側でこの注記を目視確認した上で、通常の新規契約とは異なる扱いで販売を行ったものと推測します。
購入したiPhone SE(第2世代)はドコモが販売するモデルですが、本体代金については一括支払いしているため、購入時点でSIMロックが解除されており、好きな通信事業者のSIMカードを挿して使うことができました。
今回のキャンペーンで、新規契約やMNPだけでなく、端末単体購入でも同額の割引が適用された理由は、電気通信事業法の改正でルール化された、「通信役務の利用及び端末の購入等を条件として行う利益の提供」の上限額が2万円(税別)に制限されているため、その上限額を上回る割引を提供するために、回線契約を伴わない端末単体購入も割引対象にしていることが考えられます。
このような割引が今後増えていくのかは不明ですが、本体を単体購入するにも関わらず、新規契約と同様の手続きが必要となるドコモのシステムについては、改善を願いたいところです。