みんなのケータイ

Rakuten Miniをサブディスプレイ化?

【Rakuten Mini】

 外出することが減り、「取材するとき、何を持って行っていたっけ?」と思い出すのが難しくなってきた。実際には、パソコン、モバイルディスプレイ、ICレコーダー、カメラ、名刺入れ、大きめのモバイルバッテリーでワンセットなのだが、あまりに久しぶりすぎて、先日、モバイルディスプレイを忘れてしまった。これでは出かけついでにカフェで都会の空気を満喫しながら作業できない。用事が済んだところで、すごすごとおとなしく帰ってきた。

 モバイルディスプレイには、スペックなど参考にしたいウェブサイトや、取材時に取ったメモを表示させるのに使っている。また、TwitterやFacebook Messengerといった、常にチェックしておきたいものも表示させておく。作業中でも外部対応は必要だが、そのためにブラウザーのタブを切り替えるのは面倒。表示させておいた状態で、何かあれば「Alt」+「Tab」でウィンドウを切り替えるほうが素早くターゲットを移動できるからだ。

 サブモニター(ここではモバイルディスプレイ)の有無は、割と仕事効率に直結する。今後、忘れ物が発生しないとも限らないから、Duet Displayを試そう、と思い立った。

 「Duet Display」とは、元Appleの技術者が開発した“スマホをパソコンのサブディスプレイにする”アプリ、またはシステムのこと。iPadとMacシリーズならSidecarがあるからいいが、iPad×Windows、Android×Windows、またはMacという組み合わせではそうはいかない。そこで有用なのがこのアプリ、というわけだ。

 詳細は割愛するが、同アプリは上に挙げたOSのいずれにもインストールできる。デスクトップとスマホのOSの組み合わせも自由だ。ホストとなるデスクトップ版は無料だが、スマホ版は有料。とはいえ、同じApple ID、Googleアカウントであれば複数端末にインストールできるためお得かもしれない。手持ちの全端末に入れておくこともできるのだから。

 ここでふと、「Rakuten Miniをサブディスプレイとして使えるのだろうか?」という疑問が頭をよぎった。お世辞にもスペックが高いとはいえないRakuten Mini。画面も小さい。資料を表示することはできなくても、SNSのチェックやリプライには使えるのではなかろうか、と考えたのだ。

 「いやいや、何もそんなに小さいものを使わなくてもよかろうもん」「チェックだけなら、スマホをそばに置いておけば?」という声も聞こえてきそうだが、返信が必要な場合はパソコンのキーボードから入力したほうが何倍も早いし、何事も経験が大切。早速試してみた。

 Duet Displayは、アプリストアからスマホ版を、公式サイトからダウンロードしてインストールする。ホストとなるパソコン側のアプリは無料。クライアントとなるスマホアプリは1000円と少しかかる(App Storeでは1220円、Google Playでは本校執筆時点ではセール中で1080円)。

Duet DisplayのWebサイト。デスクトップ版であれば、上部にあるボタンからインストールできるし、スマホ版なら、下までスクロールしていくことで見つけられる。なお、App StoreへのリンクはなぜかUS仕様となっているので、URLの「us」の部分を「jp」に変えてリロードするか、素直にiPhoneやiPadで検索したほうが早い

 使い方は簡単で、パソコン、スマホともにインストールしたら起動させ、パソコンからスマホのOSを選んで初期設定などを済ませて接続する(何度かの再起動は必要)。一旦つながったら、後は双方のDuet Displayを起動させてパソコン側でスマホを選ぶだけで使えるようになる。

 Android版ではメールアドレスによる登録が必要と、手間ではあるが、それによって「Duet Air」つまり、ケーブルレスでの接続ができるようになるので、むしろありがたい。なお、Airを使う場合には、スマホからも接続先のパソコンを選ぶ必要がある。

 インストール後、「次へ」「次へ」と進んでいくと「アカウントを作れ」とのメッセージが出て、その先へ進めなくなる。Duet Air使用時に、アカウントで紐付けられた組合せ以外でデスクトップがミラーリングまたは拡張されないよにするために必要だからだ

ディスプレイの配置は、パソコンのシステムで行うが、解像度はDuet Displayアプリから設定する

 こうして、無事にRakuten Miniのサブディスプレイ化に成功した。画面の小ささゆえ、文字サイズと情報量がトレードになってしまうのだが、スマホの設定にかかわりなく、Duet Displayで接続している間は、スリープに入ることがなく、SNSのチェックやFacebook Messengerでの会話などには、なんら支障はない。別画面に常に表示され、横目で動きがあるかどうかをチェックできるため「ウィンドウ(タブ)を切り替えなくちゃ」というわずかなストレスから解放される。

Rakuten Miniの解像度をDuet Displayで1280×720へとしたもの。かなり小さな文字ではあるが読めるし、動きもわかる

 モバイルディスプレイと併用できるところもいい。広々としたスペースを使いつつ、とてもとても小さな画面で“念のため”チェックしておきたいものを表示させる。もちろん、そのほかのスマホを使うこともできるが、サブディスプレイにするならメインのスマホ以外がいい。不意の電話に慌てないためだ。

モバイルディスプレイと併用した場合のキャプチャ画像。赤枠で囲んだ部分がRakuten Miniで表示しているところだ

 ……とまあ、いろいろと理由付けをしてみたのだが、要は「そこにツールがあるから」試したかっただけ。決して、Duet Display購入後、Windows×Androidユーザーなら無料で使える同様のアプリ「spacedesk」があるのを知ったから悔しかったから、というわけではないことも付け加えておきたい。