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変わらないワクワクしない、しかしそれが安心させてくれる「iPhone SE(第2世代)」

【iPhone SE(第2世代)】

 新型コロナウイルス感染症の拡大で緊急事態宣言が出され、お出かけが難しかった2020年4月24日の10時過ぎ。コーヒーをすすっていると、宅配のお兄さんがやってきた。ダンボールを開けると赤いスマートフォン。iPhone SE(第2世代、以下iPhone SE)が届いたのだ。

 筆者はこれまでiPhone 7を使用していた。その購入のきっかけは、Apple PayでSuicaが使用できるようになったから。当時は四国に住んでいた筆者であったが、Suica対応は非常に魅力的に映った。ちなみに購入したころの“SIMロック”は、すぐ解除できない時代。解除しなければ海外で使用できず、もどかしい思いをした。SIMロックを解除したiPhone 7を手にした筆者は、その後、香港や東南アジアを中心にさまざまな国で便利に使ってきた。

 さまざまな場所で使用してきたiPhone 7は、まだまだ頼もしく普段使いの中では十分なスペックだった。5Gサービスが始まったこともあり、いずれiPhoneが5Gに対応するなら……と待つ気持ちでいたのだが、経年劣化とともにガタがきていた。そこに飛び込んできたのが「iPhone SE」の発表。これまで使ってきたiPhone 7と変わらないフォルムでホームボタンまでついている。「5G対応iPhone」を買うのなら、ホームボタンとTouch IDとお別れすることになると思っていたが、これはいい……!

 スペックを見ると、最新プロセッサーの「A13 Bionic」を搭載。これはiPhone 7を使っていた筆者にとっては申し分ない製品だ。しかし著者はまだまだ若手のサラリーマン。衝動買いをできるお財布事情ではない。きっとそれなりのお値段に違いない、と思ったていたものの、オープンザ・プライスすると、128GBでも4万9800円(税抜)という、ここ最近のiPhoneらしくないお値段! ということで、購入を決意したのであった。

選んだのはSIMフリー版

 購入したのはSIMフリー版。メイン回線がMVNO回線であること、(動作保証外ながら)ちょうど楽天モバイルがサービスを開始したこと、そしてさまざまな改定でかつてのような端末代金の割引がなくなり、どの回線でも良い環境になっていたことがその背景にある。

 と言いつつも、SIMフリー版を選んだ最大の理由は、海外で使うことを考えたため。今はまだ新型コロナウイルス感染症が影響しているが、いつか収束して再び海外に行けるようになったときのことを考えると、旅行大好きな筆者はSIMフリー版を購入するのが一番だった。

iPhone SEとiPhone 7の同じところと違うところを実感する

 iPhone 7を初めて手にしたとき、画面の大きさが印象的だった。その一方で、やけに薄く感じて、なんだか手のひらの上であまり安定しない気がした。

 今回購入したiPhone SEは、形も液晶もほとんどiPhone 7と同じ大きさだ。ただ、iPhone 7では、背面もアルミフレームに覆われているが、iPhone SEでは背面はガラス。ケースなしで手に持って比べるとガラス背面なiPhone SEのほうがホールドしやすいという印象が強い。

 背面繋がりでいうと、いまさらな余談だが、iPhone 7の背面には「総務省指定」というかっこいい文字が記されていた。しかし筆者が長くiPhone 7を使っていた間に時代が変わった。iPhone SEにその表記はもうないことが心に残る。

 さらに手にとってよく見てみる。iPhone 7ユーザーにとっては、iPhone SEのディスプレイ周辺のカラーが白→黒へ変化したことは、周りからの光の反射が抑えられて目が疲れにくいように感じている。

iPhone SE(第2世代)(左)とiPhone 7(右)、画面のふちの色以外はぱっと見ほとんど変わらない

 充電関連の仕様は進化していた。ワイヤレス充電や高速充電をサポートしているiPhone SE(第2世代)のほうが、(バッテリーがそれなりに劣化していたであろう)iPhone 7より充電のスピードは速く快適だ。

 カメラは、iPhone 7とそこまで変わらない。インカメラ撮影時にiPhone SE(第2世代)では、人物撮影時に背景をボカして撮影するポートレート撮影ができるようになったくらいだ。ただ、ここ最近のスマートフォンは、カメラ性能の向上を意識した製品が多い。日常生活のなかで、ふとしたときでもスマートフォンで美しい画像を撮影したい方には少し物足りないかもしれない。

iPhone SE(第2世代)(左)とiPhone 7(右)のカメラで撮影した

 などと、いくつかの変化に気づきつつも、使い勝手は特に変わらない。ディスプレイサイズ、ボディの形状、ユーザーインターフェイス、ホームボタン、Touch ID――前機種であるiPhone 7と操作方法はほとんど変わらない。普段遣いに最適だ。

 違いはある。進化しているところもある。でも変わらないところがたくさんあって、ワクワク感だけ考えると最新ハイエンド機種ほどじゃない、というのが「iPhone SE」を手にするユーザーの本音ではないだろうか。でもそれは、そばにいてくれるだけで頼りになる、安心できる相棒ということでもあると思う。これからじっくりと使いこなしていきたい。

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