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2020年は2画面がアツくなるのでは!?――LGの「LG G8X ThinQ」を触ってみた
【LG G8X ThinQ】
2020年1月16日 06:00
2019年は、フォルダブルスマホ(折りたためるスマホ)が話題になった。一方、先頃米国で開催されたCES 2020でも「Horseshoe Bend」といったフォルダブルのタブレットやフォルダブルパソコンの「ThinkPad X1 Fold」などがお目見えしたし、フォルダブルではないものの、ASUSが2画面ノートPC「ZenBook Pro Duo」をすでに販売している。
「時代は2画面だ!」などと思いつつ、フォルダブルまたは2画面スマホに手を出せないでいたところ、家人があろうことか2画面スマホ、LGエレクトロニクス製「LG G8X ThinQ」(エルジー ジーエイトエックス シンキュー)を買って帰ってきた。
「1画面2万7000円だよ! HUAWEIのエントリーモデルより安いよ!」と、わけのわからない計算をしながらホクホクしている。
G8X ThinQは、厳密に言うと2画面スマホというわけではない。一般的なシングルディスプレイのスマホに専用のサブディスプレイ付きケース(LGデュアルスクリーン)が付属しており、それを合体させることで“なんちゃって2画面スマホ”にできるというわけだ。
とはいえ、触ってみるとネイティブな2画面スマホと思えるほど使い勝手が良い。
たとえば、これまでも2つ以上のアプリを同時に起動して表示できる「マルチウィンドウ」や「ポップアップウィンドウ」機能が搭載されてきた。Amazon Prime Videoをごく小さなポップアップウィンドウで表示させながらTwitterアプリを操作したり、LINEでリプライを飛ばしたりすることができ、これはこれで便利なのだが、ゲームだけはいかんともしがたい。背後に回った途端に動作が止まってしまうのだ。
これは何も位置ゲーに限ったことではなく、パズルゲームやRPGでも、アクティブウィンドウから外れてしまった途端に止まってしまうのだ。これではオート巡回などが使えない。
その点、G8X ThinQでは、ゲームをプレイしながらLINEやTwitterへの書き込みや、Webブラウザを操作できる。しかも、両画面で同時にゲームを行えるだけでなく、Pokemon GOとドラゴンクエストウォーク(通称ドラクエウォーク)といった位置ゲーですらOKだ。モンスターを倒しつつ、モンスターを捕まえるといった、一見矛盾するような行動を、効率良く行えるのがいい。どちらかにハマると他方が疎かになり、レベル上げがままならなくなってしまう……という状況を脱することができる。なんという時短。
もちろん、ゲーム以外でもサブディスプレイは威力を発揮する。一方で検索したページを表示させておいて、もう片方でそれを参照しながらメモを取る、一方でパスワードなどをまとめたアカウント情報リストを表示させながら、他方でサイトにログインする、地図を表示させながら、メールやメッセンジャーで集合場所を確認するといった使いかたが可能。ノートパソコンにサブディスプレイをつなげたときのような新鮮さと感動を覚えた。
なお、音の出るものであってもゲームであれば同時起動が可能だが、エンタメが絡むと少々様子が異なる。少なくともAmazon Prime Videoやdアニメストアなどで動画を視聴しながらのゲームプレイはできない。また、ミュージックアプリを表示させながらのゲームもダメ。ただし、ミュージックアプリをバックグラウンド再生にすればOKだ。音楽を聞きながら、2つのゲームの音声が流れる様子はカオス。脳が妙な方向に刺激される。
サブディスプレイ搭載カバーを装着していても、そちらに表示させない方法もある。「デュアルスクリーンOFF」をタップすするだけだ。例えば、外出先でスキマ時間に動画を視聴したいといった場合に、動画が流れているメインディスプレイだけを表示させておけるのは便利だ。2画面表示させておくと、それなりに電力を消費してしまうからだ。
しかも、サブディスプレイ内蔵ケースのヒンジ部分はしっかりとした作りのため、好みの角度でピタッと止まる。もちろん、スマホ側のほうが重いため、あまり開きすぎると倒れてしまうのだが(もっと仰角にしたいときは、サブディスプレイ面を床側にして開く方法もある)。
「スマホを複数持っているんだから、それらを使えばいいのでは?」という声も聞こえてきそうだが、それでは両手がふさがってしまう。でもこれなら2画面を片手で扱うことができるのだ。重さが約331gと、ややずっしりしているし、電力消費は半端ないし、充電端子は外れやすいし、と惜しいところもいくつかあるが、それらを補って余りあるメリットが享受できるのではなかろうか。しかも2画面が、今、旬だし。家族だけではなく筆者自身にとっても、2020年が始まったばかりだというのに、今年手に入れたいスマホNo.1になってしまったのだった。