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CES2020取材に向けて「MOSTSIM」を使ってみたら

【Galaxy Note10+】

 毎年恒例を10年近く続け、もはや初詣やおせち料理と同じ“新年の習慣”になりつつあるが、CESの取材で米ラスベガスに来ている。メイン端末の「Galaxy Note10+」は購入直後にSIMロックを解除しているため、今回はあらかじめ日本で購入しておいた米T-MobileのプリペイドSIMカードを挿してみることにした。

 厳密に言えば、使用しているのは「MOSTSIM」と呼ばれる再販されたSIMカード。容量無制限で日数別にプランが分かれているなど、使い勝手は現地で購入できるプリペイドのSIMカードよりいいところもある。MOSTSIMはAT&TとT-Mobileの2キャリアから選択できるが、AT&Tはテザリングに非対応。ラスベガスなら、どちらを選んでもエリアが致命的に狭いということはなさそうなので、今回はT-Mobileのものをチョイスした。

MOST SIMは、AT&TとT-Mobileの2種類から選択できる。今回はT-Mobile版を購入

 ところが、米国到着後、何度接続を試しても電波をつかむことができない。ネットワークサーチを手動でしてT-Mobileを選択してみたり、VoLTEを切ってみたりしたが、それでも圏外のまま。SIMカード自体に問題があるのかと思い、もう1台持参していたiPhone 11に差し替えてみたところ、あっさりつながったため、おそらく、ドコモ版のGalaxy Note10+に何らかの相性問題があったようだ。機内で予定稿も書いていたのに、正月早々、幸先の悪いスタートである。

何度試しても、T-Mobileに接続しようとした段階で弾かれてしまった

 SIMロック解除済みのドコモ版Galaxy Note10+だが、通信の仕様面では海外で販売されているSIMフリー版とは異なる。ドコモ版で接続試験をしているわけではないはずなので、こうしたトラブルが起こる可能性がある点には注意しておいた方がいいだろう。SIMロック解除は万能ではないというわけだ。ちなみに、12月には、同じMOSTSIMのAT&T版を米ハワイで使ってみたが、こちらは問題なく接続できた。ここはチャレンジせず、同じAT&T版を選んでおくべきだったのかもしれない。

 iPhone 11に挿したT-Mobile版のMOSTSIMは快調で、場所や時間にもよるが、単体では10Mbps以上出ることもあった。MOSTSIMは現地で販売されているプリペイドSIMとはプランが別で、容量は無制限。Amazonでの販売価格は10日で2580円とリーズナブルだ。一方で、テザリングにはやはり制限があるのか、速度が十分ではない。今回の出張はホテルのWi-Fiも速度が出ず、安定していないため、結局、ドコモのパケットパック海外オプションに頼ることにした。

iPhone 11に同じSIMカードを挿してみたところ、実にあっけなく通信することができた

 こちらは、24時間980円だが、7日プランは5280円と1日あたりの単価が754円程度まで下がる。現地SIMと比べると少々高めだが、米国の4大キャリアのどこに接続してもいいのは魅力で、旅行者向けのプリペイドSIMがないVerizonやSprintも選択できる。しかも、ちょうど1月1日から、筆者の契約しているギガホの容量が30GBから60GBへと倍増した。これなら、テザリングでガンガン使っても、“ギガが足りない”ということにはならなそうだ。

結局、Galaxy Note10+の通信はドコモのパケットパック海外オプションに頼ることにした

 しかも、パケットパック海外オプションはキャンペーン中で、2人以上でグループを組んで使うと、50%ぶんがdポイントでバックされる。CESで渡航中の同業者と一緒に使うことで、5280円を実質半額の2640円に抑えることが可能だ。このぐらいの価格だと、手間をかけてまで現地SIMを調達するメリットがかなり薄くなる。むしろ、キャリアの選択ができ、容量も多いぶん、国際ローミングの方が使い勝手がいい。一気に半額は難しいかもしれないが、さらなる値下げにも期待したいところだ。