みんなのケータイ
とっちらかるスマートホームデバイスたち
2019年9月6日 06:00
照明や鍵、電源プラグに赤外線リモコンユニットと、少しずつデバイスを付け足してスマート化を進めている我が家。が、いよいよきっちり計画を立てて拡張していかないと反対に不便になりそうな予感がしている。一番の問題はデバイスによってその入口、ようするに操作のためのインターフェイスがバラバラなことだ。
たとえば照明には「Philips Hue」を使っている。これは当然ながら専用アプリから操作できるし、Androidスマートフォンならホーム画面にウィジェットも置ける。Google HomeアプリやAmazon Alexaアプリの上からも制御でき、もちろんスマートスピーカーに話しかけてオンオフ可能。IFTTTとの連携もOKだ。
玄関扉に取り付けたスマートロック「セサミ mini」も同じように専用アプリで操作できる。が、ウィジェットの機能はないし、Google Homeアプリ上には登録できても操作はできない。Amazon Alexaには対応しておらず、標準でスマートスピーカーから音声命令で操作する機能は用意されていない(これはセキュリティを考えれば無難ではあるけれども)。ただし、IFTTTとの連携は可能になっている。
電源プラグはTP-Linkの「スマートプラグ」で、こちらは専用アプリのほかにウィジェットもあり、Google HomeアプリやAmazon Alexaアプリからも、スマートスピーカーからもオンオフの操作ができる。IFTTTとの連携にも対応しているので、機能としてはHueとほぼ同等と言えるだろう。
赤外線リモコンユニットはTEPCOの「MIRAI REMOCON」を使い、リビングのエアコンとテレビを操作できるようにしている。こちらは専用アプリからの操作が基本で、ウィジェットはない。Google HomeアプリやAmazon Alexaアプリには登録できるものの、ある程度操作できるのはエアコンだけで、テレビの方は細かな操作は不可。スマートスピーカー経由では簡単な命令なら実行できるとはいえ、本格的な活用には力不足のところもある。IFTTTには対応していない。
総合すると、Hueとスマートプラグのインターフェイスは充実しているが、セサミ miniとMIRAI REMOCONはタッチポイントが豊富とはいいがたい。結局これらすべてを1つのインターフェイスで統一して使うことはできず、いくつかは個別のアプリで操作せざるをえないわけだ。
我が家ではまだそれほどデバイスの種類は多いとは言えないけれど、すでにインターフェイスの不統一のせいで操作が面倒になりつつある。何か操作しようと思ったときに、毎回どのスマートホームデバイスがどのアプリにひも付いているのかを思い出し、それからアプリを起動してオンオフするというのは、思った以上にストレスを感じるのだ。
一番わかりやすく操作できるのはGoogle Homeアプリで、Hueとスマートプラグとエアコンはこれに統一できる。けれど、セサミ miniとテレビの操作は別になってしまう。最も統一感が出るのはすべてをウィジェット化してホーム画面から操作できるようにすることだが、セサミ miniもMIRAI REMOCONもウィジェットに対応していないのがネックだ。
しかし、セサミ miniはIFTTTには対応しているので、IFTTTのボタンウィジェットの機能で施錠・解錠のボタンをホーム画面に配置することは可能だ。少しだけ手間はかかるし、IFTTTでウィジェット化した場合はタップした後10秒ほど待たされるという難点はあるけれど、これでMIRAI REMOCONのエアコンとテレビ以外はホーム画面からダイレクトに操作できるようになる。
とはいえこれだけいろいろ考えて工夫してもなお、MIRAI REMOCONのエアコンとテレビは他と統一できない。この問題を解決するには少なくともIFTTT連携に対応する別の赤外線リモコン製品を導入するしかないのだろう。スマートホームデバイスを充実させていく前に、自分が何を使って操作するのかをよく見極め、それに適した製品を選ぶことが大事だということにあらためて気付かされる。
最近では家電そのものにスマートな機能を搭載するものも増えているが、同じメーカーですべてをそろえない限り、状況としては我が家と同じようなことになるに違いない。個人的に最低限実現したい使い方ができるようにするだけでも、まだまだ解決しなければならないことが多いうえに、複数デバイスが連携するホームオートメーションまで考えると……その道のりは果てしなく遠いように感じる。