みんなのケータイ
シドニーで大活躍したApple WatchのApple Pay
【Apple Watch Series 4】
2019年9月4日 06:00
夏休みに、オーストラリアのシドニーを旅行した。完全な家族旅行だったため、仕事に関連する情報は調べていなかったが、直前に同国は“キャッシュレス”が浸透していることが判明。クレジットカードの決済端末はほとんどがNFCに対応しており、地下鉄や路面電車、フェリーもいわゆるオープンループの仕組みを採用していた。交通系は、もともとOpalカードという専用カードがあったが、昨年から、クレジットカードやスマホのNFC決済でも支払いが可能になったようだ。
実際に行ってみたところ、キャッシュレスの浸透ぶりは想像以上だった。レジに並んでいる人を見ると、むしろ現金を使っている人の方が少ないぐらい。ほとんどがクレジットカードやスマホをかざして決済していた。郷に入っては郷に従え、ということで筆者も現金ゼロで旅行してみることに。結果として、オープンループへの完全対応がこれからだったバスへの乗車はちょっと困ったが、あとの支払いは完全に現金なしで済ますことができた。
ここで活躍したのが、Apple Watch Series 4に設定した、au WALLETプリペイドカードだ。Apple PayでMastercardやJCBを設定すると、iDやQUICPayとは別に、NFC決済用の番号が割り当てられる。一部の人には常識かもしれないが、これを使うと、海外でも日本と同じようにApple Payを利用できる。
手持ちのクレジットカードがNFCに対応しているため、これを使おうかとも思ったが、明細に細かく電車代が載ると、あとで見返すときの視認性が悪くなる。対するau WALLETプリペイドカードは、プリペイドカードながら、じぶん銀行から不足分を自動でチャージする「リアルタイムチャージ」に対応しており、ほぼデビットカードと同じ感覚で利用できる。Apple Watchなら、クレジットカードを都度取り出さなくてよく、安心感もあった。
難点は4%という、海外利用時の手数料の高さだが、一般的なクレジットカードと比べて2%程度高いと思えば、ギリギリ許容範囲。仮に電車代が日本円で200円だとすると、クレカなら204円、au WALLETプリペイドカードなら208円になるといった具合だ。比較的金額が高いものは、外貨で直接決済ができるソニー銀行の「Sony Bank WALLET」で支払い、両者を使い分けた。
便利なのは、やはり決済と同時にじぶん銀行の口座残高から使ったぶんが引き落とされるところ。為替レートの調整があるため、日本で使う場合と同様、すぐに確定するというわけではないが、いくら使ったかの目安と、残りの予算がいくら程度あるのかが分かりやすく、無駄使いを防げる。ただし、交通機関では、最初に課金されるのは1豪ドル分で、後日計算された残りが引き落とされる仕組みが採用されていた。
ちなみに、エクスプレスカードに設定したSuicaとは異なり、タッチするだけで決済できるわけではなく、サイドキーを2回押して、いったん決済可能な状態にする必要があった。改札の前でこの操作をするのは少々面倒で、後ろに人がいると焦ってしまうことも。シドニーでは、改札がそこまで混んでいなかったが、日本だったら完全にテンパってしまっていたかもしれない。
1週間ほどの旅行だったが、クレジットカードやApple Payが使えないお店はほとんどなかった。自分が見た決済端末は、100%、NFC決済に対応していたため、すべてスマホで支払えたことになる。逆に、クレジットカードが使えないお店には、大きく「Cash Only」と張り出されていたほど。アクセプタンスマークがなくてもクレジットカードに対応している店が多く、使えるかどうかを心配して入店する必要もなかった。
なお、シドニーの場合、クレジットカード利用時には、1%ほどの手数料を支払わなければならないことがあった。ざっと調べてみたところ、日本とは異なり、利用者に手数料を転嫁していいルールになっているようだ。それでも、クレジットカードやスマホで支払っている人が多かったのは、やはり多少の割引よりも、利便性ということなのだろう。筆者も、1%程度であれば、利便性の手数料として払ってもいいのでは……と感じた。