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Mate 20 Proのカメラは書類記録や翻訳もしてくれる

【HUAWEI Mate 20 Pro】

 “ライカクオリティ”の写真が撮れ、ほぼカメラとして使っている「HUAWEI Mate 20 Pro(以下、Mate 20 Pro)」。メシウマ写真を量産してくれています。おかげで、メインとして持ち歩いている「iPhone X」では、とっさのときや「とりあえず、記録として残しておくか」という場合以外ではカメラ機能を使わなくなってしまった。

 前回は、単にどのような写真が撮れるのかということだけを見てもらいたく、Mate 20 Proで撮影した“成果物”を数枚掲載するにとどめたが、今回はカメラ周りの機能の中から「これは!」と思うものを紹介したい。

文書やスライドを撮影

Mate 20 Proでは、カメラの「その他」の機能に簡単にアクセスできる。なにせスライドするだけなのだ

 スキャナーを持っていなかった頃、iPhoneのスキャナーアプリを便利に使っていたことがある。しかし、アプリが乱立気味だったし、四隅を合わせるのが面倒くさかったし、Evernoteに文書スキャン機能がついてからというもの、使う機会がめっきり減ってしまった。

 スキャナーアプリを探したり、Evernoteにアカウントを作ったりしなくても済むのであればそのほうがいい。Mate 20 Proなら、カメラ機能の「その他」の中に、標準で「文書」モードが用意されている。

 斜めからであっても、自動的に紙の境界線を認識し、トリミングし、台形補正をかけてくれる。しかも、どういうわけか、ポストイットのような正方形の紙とA4用紙のような長方形の紙の縦横比も概ね正確に再現するのだ。

付箋を文書モードで撮影すると紙の境界線を自動で認識。シャッターを押すと、一瞬ではあるが結果を表示するため、撮り直すべきかどうかをその場で判断できる。なお、付箋とA4用紙では、結果の縦横比が違うので、紙の下端部と上端部との距離を測ったうえで切り取っているのだろう。

 便利だなぁと感じたのは、文書モードで撮影するのを忘れてしまったとしても、写真アイコンに書類のようなマークが付いていればトリミングと台形補正加工が一発でできてしまうこと。慌てて標準のまま撮影したとしても、あとから簡単に加工できる、と思えばシャッターを切る指も心も軽快になるというものだ。

書類のような、トリミングのシンボルのようなアイコンが付いている写真は、トリミング&台形補正加工の対象。2タップほどで整形される

AI Visionでショッピングや翻訳も

 被写体をフレームに収めている間に、左上に表示されているアイコンをタップすると、「AI Vision」機能が立ち上がり、QRコード、翻訳、ショッピング、識別といったメニューがディスプレイ下部に表示される。

 例えば、たまたま見かけて「これは一体何で、どこに売っているんだろう」と気になっても、Googleで画像からの検索をするのは手順が多く面倒くさい。でも、Mate 20 Proなら、AI Visionを立ち上げ「ショッピング」アイコンをタップすれば、モノの名前もわかるし、なんならそのまま買うこともできる。

製品名のあるものは、比較的正確に「類似アイテム」として表示する。名前がわかっているものに対してこの機能を使うのもどうかと思うが

 また、「翻訳」アイコンをタップすれば、フレーム内の文字を認識して自国語に翻訳してくれる。日本語であれば、そのままOCRとしても使えるスグレモノだ。

自分では、全く読めないハングルに対して試してみた。「キューティーハニー」が意味不明だが、だいたい理解できる。ちなみに、右側の付箋のものは手書き文字。こちらもある程度は文字認識してくれる。

 撮影済みのものでも、共有メニューから翻訳を選べば、写真内の文字を認識してテキスト変換したり翻訳したりすることができる。こちらは読み取った結果をコピーして、そのままメモアプリを開いて貼り付けることで二次利用可能だ。

 写真内の文字をOCR認識できるから……という理由で登録しているEvernoteの有料プランを、解約してもいいかも?

ARレンズで自分だけのスタンプを作れる

3Dライブ絵文字で作成したGIF。iOSのアニ文字は、メッセージアプリで作成して、使いまわしたければ保存して……と複数の手順を踏む必要があるが、こちらはごくシンプルなため、作りやすく使いやすい

 「その他」から入れる「ARレンズ」もなかなか面白い。リアルタイムに自分の顔をキャラクターに反映する3Dライブ絵文字として静止画、動画、GIFを残しておけるのだ。

 ギャラリーに保存されたGIFはそのままSNSにアップしたり、LINEのスタンプのように使うことも可能。7文字までであればテキスト挿入もできるので、単体でメッセージとして使うのもありだろう。

 ただこのARレンズ、下位モデルのMate 20 liteよりパターンが少ないのだ。liteのほうでは背景を変更したり、さまざまなエフェクトを付けられるのに、Proではこの3Dライブ絵文字しかないのだ。

Mate 20 liteのARレンズは、「その他」メニュー内ではなく、「写真」や「動画」などと同じ階層に昇格している。ARの種類もMate 20 Proに比べて多彩だ

 倍くらい価格に開きがあるのに、カメラ機能で負けた……と感じてしまったのであった。