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シェアバイク「ofo」を小倉で試す

 中国の大手シェアバイクサービス「ofo」は、2018年3月に和歌山県和歌山市で、4月上旬には福岡県北九州市(小倉中心部)にて日本国内向けのサービスを開始しました。さらに、4月下旬には滋賀県大津市でもサービスを提供予定です。ということで、さっそく北九州市小倉エリアにおけるofoのサービスを試してきました。

小倉エリアで「ofo」が提供開始
スマホアプリ上でポートを検索

 ofoの自転車レンタル方法・返却方法は、スマートフォン上でアプリを使ってポートを探す→QRコードを読み込んで自転車のロックを解除→ポートで返却するというオーソドックスな手続で、福岡市や奈良市で提供中の「Mobike」や、福岡市中心部で提供中の「メルチャリ」と同様です。これらのサービスを既に利用したことがある方にとっては迷うことは少ないでしょう。

 小倉エリアでのofoの利用料金は、都度利用が30分毎に100円、1日パスは500円。クレジットカードでofoアプリ上のウォレットにチャージして支払する方式です。なお、和歌山市にて提供している「月額パス」は同エリアでは提供されていません。

 小倉エリアにおけるofoは、自転車のレンタル・返却に必要となるポートをofo自身で全て新設して設置するのではなく、既に同エリアで展開しているシェアバイクサービス「シティバイク」用に設置されたサイクルポートを間借りする形でサービスを提供しています。

市内のサイクルポート。手前が「ofo」、奥に「シティバイク」が並ぶ

 このため、シティバイクのポートが設置されている市内中心部の使い勝手の良いポートでofoレンタル・返却でき、ゼロからポート設置を行う必要がある状況と比べて、非常に有利な環境でサービスを提供していると言えるでしょう。

 ofoに乗って市内を移動していると、主要駅であるJR小倉駅の近隣だけでなく、モノレール駅の出入口付近や、買い物客の利用が見込める「チャチャタウン」、多くの観光客が訪問する「小倉城」などなど、利便性の高い場所にポートが設置されていました。

モノレール駅付近に設置されたポート

 ofoとシティバイクは異なるサービスですが、小倉エリアにおける両サービスは、同エリア内における一つのシェアバイクサービスのような見せ方で提供されていました。

 サイクルポートには「シティバイク+ofo」という見せ方で、従来のシティバイクサービスに加えてofoが利用できるようになった。と理解できるプロモーションが展開されていた上に、(偶然ですが)シティバイクの自転車も、ofoも自転車本体のデザインは黄色を基調としており、遠目に見ると、どちらの自転車も似たデザインと言えます。

 実際に利用してみると解るのですが、ofoやMobikeのサービスに用いられる自転車は、通常の自転車と比べて同じ時間または距離の移動でも体にかかる負担がやや大きいように感じる上に、シティバイクは電動アシストつきの自転車のため、シティバイクとofoがどちらも利用できる環境であれば、電動アシストつき自転車の方が人気はありそうです。

 ただし、これまでに国内外の都市でofoを使った経験がある旅行者のケースを考えると、新たにサービス登録が必要になるシェアバイクではなく、過去に登録して利用したことがあるofoを使って街中を移動するケースは十分考えられます。小倉エリアでは見かけることがありませんでしたが、小倉エリアに先だってスタートした和歌山市では、サービスがスタートしたその日に、日本を旅行中の外国人がofoを利用していたそうです。

「シティバイク+ofo」という見せ方
海外都市の「ofo」(中国・深セン)

 国内都市におけるシェアバイクサービスは、自転車のレンタル・返却に必要となるポートの確保に苦労している印象がありますが、既にシェアバイクサービスが提供されているポートをシェアする形でスタートした小倉エリアでのofoの取り組みが成功すれば、今後日本国内におけるシェアバイクサービスで同様の動きが広がるかもしれません。