DATAで見るケータイ業界

20年7~9月期の端末販売、iPhone発売前ながら前年度並みまで回復

グラフで比較するキャリア決算(1)

 通信キャリア各社の2020年度第2四半期決算が出揃った。そこで今回から、各社の主要数値の動きを比較していく。初回は契約数と端末販売の動向を整理したい。

契約数は各社とも安定的に増加、純増の牽引役は各社まちまち

 2020年9月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが8098.7万(前四半期比37.2万増)、KDDIが5993.5万(同69.2万増)、ソフトバンクが4656.9万(同43.8万増)となった。

 KDDIは6000万契約の達成が目前となっている。同社は、2021年3月末の契約数を6000万と予測しており、上半期の進捗を見る限り上振れしそうだ。

 ソフトバンクは、スマートフォンや従来型携帯電話などが含まれる「主要回線」が41.4万増、NTTドコモは「通信モジュール」が54.8万増で、純増の牽引役は各社まちまちとなった。

端末販売、iPhone発売前ながら前年並みまで回復

 続いて、スマホなど販売数の状況を見てみよう。グラフは、前年同期比の増減率を示したものだが、NTTドコモとソフトバンクが前年同期比並みに台数を回復させている。

 KDDIは大きく前年割れとなったが、これは19年度第2四半期に販売数が急増したことの揺り戻しとみられる。前々年と比較すると1.2%減にとどまっている。

 3社の販売数(ソフトバンクは出荷数)を単純合計すると692.6万台で、前年同期と比べ約25万台減だった。例年9月に発売される「iPhone」シリーズが今年は10月にずれこみ、第2四半期には含まれていないことを考えれば、むしろ善戦したと言ってもよいだろう。

 四半期単位でみると直近700万台前後で推移している3社の販売数だが、前期(第1四半期)に518.7万台まで急減し先行きが非常に危ぶまれた。今期の回復が前期の反動で終わるのか、このまま好調さを維持できるのか、第3四半期の数字にも注目したい。

MCA

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」などクオリティの高いサービス提供を行う。