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三菱電機と東芝、第3世代携帯電話端末を共同開発

左から、東芝専務 溝口氏、東芝社長 岡村氏、三菱電機社長 谷口氏、三菱電機常務 中西氏
 三菱電機と東芝は、第3世代(以下3G)携帯電話端末の共同開発を行なうと発表した。将来的には端末開発の合弁会社を設立することも視野に入れて、3G端末のプラットフォーム開発を行なう。具体的なスケジュールとしては、4月から共同開発をスタートし、2003年末には評価機を納入、2004年初頭の端末出荷を目指す。

 両社は昨年夏の終わり頃から共同開発に向けての話し合いを進めてきたという。三菱電機は海外では主にヨーロッパ向けの端末で実績があり、また東芝は北米向けの端末でノウハウを積んでいるため、補完的な意味でも“理想的なパートナー”であるとしている。

 両社はGSM・CDMA・PDCでのノウハウ、動画圧縮技術、無線技術、セキュリティ技術、BlutoothなどのPC周辺技術や電池やカメラなどのデバイス技術など、お互いの広範な技術力を結集して、マルチメディア機能を持つ3Gのデュアル端末(W-CDMA/UMTS(Universal Mobile Telecommunications System、IMT-2000の標準規格)およびGSM・GPRS)用のプラットフォームを共同開発する。


2社に限定せず、他社もパートナーとして受け入れる

 発表会には三菱電機から社長 谷口一郎氏と常務取締役で通信システム事業本部長の中西道雄氏、東芝からは社長 岡村正氏と専務取締役で東芝モバイルコミュニケーション社社長の溝口哲也氏が出席。

 先に挨拶に立った東芝社長 岡村氏は、「高速・大容量化の時代となっており、3Gでは端末にも格段の高度化が求められている。東芝と三菱両社は第3世代端末を基礎から開発しており、動画圧縮やセキュリティ技術をはじめ、BluetooshなどPC周辺技術、カメラ、電池、半導体などのデバイス技術などを互いに持っている。両社の持っている技術や技術スタッフの力を結集することで、より短期間で最新の技術を盛り込んだ開発を可能にする体制を作る」と述べた。

 また、三菱電機社長 谷口氏は「共同開発により、製品競争力を強化する。3Gでは、マルチメディア化と同時に、国際ローミングサービスに対応するなどのグローバル化が求められている。グローバルスタンダードの確立、共通プラットフォームの確立を目指す」として、「共同開発は2社のみに限定するつもりはなく、ご賛同いただける企業があれば、広く協力していきたいと考えている」と述べ、2社に限定せず、ギブ&テイクの形で共同開発できる企業であれば、オープンに参加を募っていく考えを示した。また、なぜ東芝と三菱かというと、「3Gの技術では、ドコモさんのご指導があって、だんぜん日本が進んでいる。おそらく、海外メーカーではギブ&テイクにならないだろう」として、現在のシェアなどを見るのではなく、あくまで3Gをターゲットとした開発提携であることを強調した。

 両社は開発以外の提携では、「電池、液晶など部品の供給はお互いにどんどんやっていきたい。また、両社とも半導体開発も行なっており、半導体部門も一体となって開発を行なう」(東芝 溝口氏)。しかし「流通を統一するのは時期尚早と考えている」(三菱電機 中西氏)として、販売については別ブランドで行なっていく方針を明らかにした。生産拠点については、三菱電機は2002年にフランスの生産拠点を廃止し、中国に生産拠点を作る方針だが、両社で生産拠点も統一化するかどうかは実際の製品出荷が約2年先となることもあり、「今後の課題」としている。


3Gデュアル端末のグローバルスタンダード・プラットフォーム構築を目指す 2004年初頭の製品出荷を目指す

3G時代の「携帯電話の“Wintel”を築きたい」

東芝は北米市場で、三菱は欧州市場で実績がある
 国内の携帯電話メーカーでは、昨年8月21日に国内トップシェアを争うNECと松下(松下電器および松下通信工業)が3G携帯電話の技術開発で提携することを発表。約1週間後の8月29日には、ソニーがエリクソンと携帯電話端末の合弁会社設立で正式合意を発表した。今回の三菱電機と東芝の提携はそれに続くものとなるが、2社以外にも門戸を開きたいとしている点はこれまでのNECと松下、ソニー・エリクソンとはかなり異なっている。

 両社の共同開発は3G以後に絞る方針で、東芝 溝口氏は「東芝はパソコンで、デスクトップのみの時代にはあまりシェアを持っていなかったが、ノートパソコンが登場する時にノート型に注力することで、ノートパソコンでは世界第1位というシェアを占めることができた。3G時代の到来は同じような大チャンスと考えている。理想を述べれば、携帯電話における“Wintel”を築きたい」と述べ、グローバル化に対応したデュアル3G端末時代のイニチアチブを握りたいとの意欲を示した。


三菱電機製FOMA端末「D2101V」 この秋発売予定の東芝製FOMA端末(モックアップ)

・ ニュースリリース(東芝)
  http://www.toshiba.co.jp/about/press/2002_03/pr_j1301.htm
・ 欧州移動通信端末事業体制再編のお知らせ(三菱電機)
  http://www.melco.co.jp/news/2002/0228-b.htm

NECと松下、次世代携帯電話の開発で提携
ソニーとエリクソン、携帯電話端末の合弁会社で正式合意
この秋にリリース予定のFOMA対応端末ほか
ドコモ、テレビ電話とiモーションに対応した「FOMA D2101V」


(工藤 ひろえ)
2002/03/13 21:38

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