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【東芝・新開発棟完成記念技術展】
この秋にリリース予定のFOMA対応端末ほか

 東芝は30日、青梅事業所で新開発棟完成の発表会と記念技術展を開催した。会場では今後の新市場創出の鍵となる東芝の技術や製品が、デジタル放送関連、Bluetoothや無線LANなどのワイヤレス、ストレージなど幅広く紹介されていたが、ここでは、携帯電話やモバイル関連の展示をご紹介したい。


秋にリリース見込みのFOMAモックアップなどが展示される

FOMA端末のモックアップ
 展示会会場では、auの“ムービーケータイ”C5001Tをはじめとした東芝製の各キャリア向け携帯電話と並んで、FOMA端末のモックアップが展示された。展示品はモックアップだが、すでに試作品もあり、ボードに掲示された仕様はほぼそのままリリースされる見込みだという。

 東芝製FOMA端末は秋頃リリースの見込みだという。テレビ電話機能を持つビジュアルタイプで、液晶の上にあるカメラ部は260度程度回転する。自社製のW-CDMA用チップセット、MPEG4用LSI、11万画素CMOSカメラ、1.8インチポリシリコンTFT液晶、リチウムイオン電池を採用。伝送速度の部分は端末というよりはFOMAの仕様となるが、回線交換で最大64kbps、パケット通信で最大384kbpsをサポートする。重量は100g程度となる見込みだという。なお消費電力については、ブラッシュアップを行なうため、最終的なカタログ値はまだわからないとのことだ。ちなみに、FOMA市場への参入により、東芝はau、J-フォン、ツーカーに加えドコモ端末も提供、DDIポケット・アステルにも端末を供給していることから、国内の全携帯・PHSキャリアに端末を提供するメーカーとなる。

 なお、6月予定のJ-フォンのW-CDMA端末も、FOMAと同じ規格を採用しているため、自社製IMT-2000用チップセットなど基本となるデバイスは同じものが採用されるという。


ドコモFOMA用端末の展示ボード 展示ボードの仕様部分

IMT-2000用のチップセットは0.18ミクロンプロセス

 会場では、デバイス技術の展示も見ることができた。FOMA端末は1.8インチポリシリコン搭載予定だが、展示されていた携帯電話向けポリシリコンTFT液晶は2.1インチで表示色は6万5536色、解像度は144×176ドット。いよいよ携帯電話も従来のPalm OS搭載PDA(160×160ドット)並みの解像度を持つことになるわけだ。

 また、制御LSI、MODEM-LSI、AFE-LSIの3つで構成されるIMT-2000用のチップセットも展示された。IMT-2000では回路規模が大きくなる=消費電力が大きくなるため、コスト的には少々高くなるが0.18ミクロンプロセスを使用して小型化するとともに低消費電力化したという。

 このほか、auのGPSと動画配信に対応するムービーケータイ、C5001Tに搭載されているMPEG4デコードチップや、cdmaOneとGPSの2つの周波数帯に対応するアンテナなど、多様な自社技術デバイスが展示されていた。


0.18ミクロンプロセスのIMT-2000端末用チップセット 高密度実装基盤の展示。上はRF部分の基盤だが、左の従来の基盤と比べると小さな容積に収まることがわかる

2.1インチ、6万5536色/144×176ドット表示のポリシリコンTFT液晶 C5001Tに搭載されたMPEG4デコードチップ。手前の500円玉と比較するとその小ささがわかる

Bluetoothヘッドセットケータイももうすぐ?

 1月8日に開発発表したBluetooth対応ユビキタス・ヘッドセットも展示されていた。発表資料では音声認識や音声合成エンジンなどにやや比重が置かれ、博物館や美術館などでのオンデマンド・ガイダンスシステムへの応用など、ワイヤレスソリューションとしての製品化が想定されているような感があり、がっかりした個人ユーザーも多いのではないだろうか。 コンシューマーユーザーとしては、ミュージックプレーヤー機能を搭載した携帯電話も登場していることもあり、普通に個人が使うケータイのオプションとしてワイヤレスのヘッドセットが使えれば、コードの取りまわしが不要で快適になる。展示スタッフにそのあたりをお尋ねしたところ、「ちゃんとやっていますよ」とのお返事をいただいた。日本国内のBluetooth規格のリーダー企業として、東芝からBluetooth対応ケータイとBluetoothヘッドセットが登場するのを期待したい。


Bluetooth搭載ヘッドセット Bluetooth搭載携帯電話

携帯テレビもデジタル放送でクリアな画像へ!

 デジタル放送機器市場も東芝新開発棟コアテクノロジーセンターの柱となるテーマのひとつだ。東芝では地上波デジタル放送サービスと、2003年スタート予定の2.6GHz帯を使用するモバイル衛星放送サービスの両方に対応する、モバイル端末用MPEG4デコーダLSIの開発に取り組んでいる。ワンチップで、MPEG2 TSストリーム分離・MPEG4ビデオ復号・MPEG2 AACオーディオ復号を可能とするものだ。モバイル衛星放送サービスは地上再送信設備を設けるため、ビル陰やトンネル内でも受信可能となるという。車載機や携帯機器での利用向けの多チャンネル放送で、日本全国をカバーする予定だ。ちなみに、モバイル衛星放送サービスを行なうモバイル放送株式会社には、東芝をはじめ、トヨタ自動車、富士通、松下電器、日本テレビ放送網、電通など42社が出資している。


モバイル端末用MPEG4デコーダLSIの展示ボード モバイルで利用できるデジタル放送サービス

端末に装着するモジュールでPDAや携帯電話などからデジタルテレビ放送を利用可能に モバイルテレビのモックアップ

・ 東芝
  http://www.toshiba.co.jp/


(工藤 ひろえ)
2002/01/30 22:29

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