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NECと松下、次世代携帯電話の開発で提携

3社経営陣

 NECと松下電器産業、松下通信工業の3社は、次世代携帯電話端末向けの技術開発についての提携を発表した。

 3社の提携は、第3世代(3G)携帯電話端末のアーキテクチャーの規格策定ならびにその上で動作するアプリケーションの開発、AV機能などの新しい要素を盛り込んだ端末の開発、製品投入時の評価試験、GPRS対応端末や第3世代のサービスに対応した端末の相互供給に関するもの。

 NECの西垣浩司社長は「携帯電話市場は急速に高速化しており、音声通信からデータ通信へとその中心も移り変わっているが、これに対応する形で高性能の携帯電話が求められ、開発が難しくなっている。これに伴いユーザーニーズも拡大しており、開発期間も短くなっている」とした上で、「グローバル市場で携帯端末事業を展開するには技術開発力を高めることが必要」と語り、提携の狙いを説明。

 松下電器産業の中村邦夫社長も「今後のユーザーの期待は映像をとり入れたビジュアルコミュニケーションへと向かっていく。これに伴いアプリケーションが増加し、多大な開発リソースが求められるようになる。動作チェックも含め、1社だけでは開発は困難な状況にある」と語った。


中村氏と西垣氏

 松下電器産業の中村邦夫社長(左)とNECの西垣浩司社長
 今回の提携はあくまでも次世代携帯電話端末の技術開発分野におけるものとされており、西垣氏は「世界最大の携帯メーカーであるノキアが3G向けに投入している開発者は2万人とも言われる。NECと松下をあわせたその数は8000~9000人で、うち5000人がソフトウェアエンジニアという状況にある。お互いに分担を決めて開発できれば、開発期間も開発コストも半減することができる」と、そのメリットについて説明した。

 実際に今回の提携をマネージメントしたNECネットワークカンパニーの杉山峯夫社長は「具体的な話し合いが始まったのは昨年の秋頃。海外メーカーとの提携も検討したが、この1年で携帯市場が供給過剰に変化し、海外メーカーは事業そのものの売却を含め、縮小を前提としており、将来に向かって挑戦していこうというところがなかった」と松下グループと提携するに至った経緯を語った。また、同氏によると、提携に基づく最初の製品は欧州向けのものになる見通し。

 なお、3社が共同で開発する次世代携帯電話のアーキテクチャーやその他の規格については、他社にもオープンにしていく予定とのこと。


・ ニュースリリース(NEC)
  http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0108/2102.html
・ ニュースリリース(松下電器産業)
  http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010821-2/jn010821-2.html


(湯野 康隆)
2001/08/21 17:51

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