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NECが新機種説明会、「今期は700万台を目指す」
NECは9日、携帯電話事業の報道関係者向け説明会を開催した。同社執行役員専務でモバイルターミナルビジネスユニット長の大武章人氏やモバイルターミナル事業本部 副事業本部長の小島立氏から同社の戦略や、新機種の概要が紹介された。
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国内シェア奪回を目指す
NECの大武氏
携帯電話出荷数は底を打ったと分析
2007年6月からパーソナルソリューション事業を担当しているという大武氏は、今春から携帯事業も担当することになったとして、「かつて当社の携帯電話はトップシェアを誇ったが、ここ数年は厳しい評価となっていた。しかし2007年度下期には出荷台数が底を打った。そして7月からは1年半ぶりのソフトバンク向け端末も出る。他社向け供給事業も展開するが、今期の出荷台数は700万台を目指す」と述べた。
出荷数のうち、上期は300万台、下期は400万台という内訳になり、2010年には1,000万台の出荷を目指すというが、大武氏は「当社の矢野(社長)も経営説明会で報告したが、その際に『その数字は達成できるのか、危ないのではないか』という指摘を受けた。しかし出荷目標は、開発基盤の共通化、ラインナップの拡充などによって実現可能と考えている」とした。
同社では国内携帯市場での潜在需要は横ばい、あるいは微減と見ているが、ラインナップ拡充などによって、ドコモ内シェアの拡大を図ることなどによって、出荷数の向上を図る。ソフトバンクに続き、au向けに端末を供給するかどうかについて、大武氏は、将来的な可能性はゼロではないものの、「2008年度中の展開は考えていない。今年度はないと思っている」と説明した。
現状では、キャリアが商品開発を主導する形だが、大武氏は「現状は500万台程度の出荷レベルだが、700万台達成を目指し、2010年には1,000万台を出荷するという目標がある。そこで重要なのはキャリアとの関係。“キャリア+α”という形で、ユーザーのニーズを捉えるのが今後1年~2年のやり方になるだろう。そこから、どう提案していくか、今後1年の課題だ」と述べた。
またODM供給(他社向け製品供給)事業についても触れ、「2007年度下期から展開しており、契約上、相手の名前は言えないが、当社の技術を活かせるなどのメリットがあれば、他社との協力関係を否定するものではない。出荷数目標値に、ODM供給分も含まれるが、現状ではまだまだ少ない」とした。また、2010年度の1,000万台出荷を達成したとしても、1台あたりの単価が下がるなどの影響で、売上高は20%増程度に留まり、「利益率は現在3%程度だが、それにプラスαする程度だろう。海外を含めて、もう一度チャレンジするための開発費増などを見込んでいる」とした。
今年度の事業方針
開発力強化を図る
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多機種展開に向けたハード・ソフトの共通化
ソフトウェアはパッケージ化
MIエンジン(モバイルインテリジェントエンジン)、ウィジェットの開発も行なう
同社が掲げる出荷目標を実現するためには、ラインナップの拡充が必要とされている。それを支えるのが「ハードウェアとソフトウェアの共通化」だ。
たとえばソフトウェアは、Linuxをベースにして開発が進められているが、個々の機能はパッケージ化され、「この機種はワンセグとフルブラウザ」「こちらの機種はワンセグだけ」といった形で、搭載できるようにしている。またハードウェアについては、多機種展開を前提にした、リファレンスモデルを先行開発している。
これらの仕組みを取り入れることで、開発費の高騰と開発期間の長期化を防ぐ。たとえば2008年夏モデルとして、計8機種投入となったが、これは2007年下期の倍となる。しかし、開発費は20%程度の増加になると見込まれている。年間ベースでは30%増程度に収まるとされ、開発期間も30%程度の短縮に繋がるという。
大武氏は「たとえばハードウェアは、液晶や音源などが機種ごとによって異なり、これまでの共通化の割合は10~20%程度だった。906iシリーズでは、共通化を促進しており、たとえば開発計画を立てた段階で共通化する部分を明確にしている。過去よりも共通化する部分は向上したが、これで良いとは思っていない」と述べた。
また、小島氏は「1年半前のソフトバンク向けモデルと、ドコモ向けモデルは別々の基盤だったが、今回はドコモ、ソフトバンクともに同じ基盤で開発している。また、パナソニックとの協業の成果は、通信機能のプラットフォーム部分で活用している。将来的な海外展開を踏まえて、今後もLinuxを推進するのか、あるいはAndroidのようなプラットフォームも採用するのか、業界全体の動向を注視しながら見極めていきたい」と述べた。
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夏モデルでは「感性に訴える端末」
NECの小島氏
モバイルターミナル事業本部長の山崎氏
各機種については、小島氏から説明が行なわれた。同氏は「昨年下期にリリースした商品に対してアンケート調査を行なったところ、新機能の追加も重要だが、感性的価値を求める声が強いことがわかった。販売方式の変更などで、長期間使うというところからニーズが高まっているのだろう。そこで、今回は『+emotion』をテーマに、カラーやエンターテイメント性、スタイル、ユニバーサルデザインに軸足を置いた製品を開発した」と語る。
機能面では、N906iで「スマイルフェイスシャッター」を搭載し、N906iμは薄さ12.9mmでワンセグを搭載した。また感性に訴える具体的な点として、N906iμでは7色イルミネーションを採用し、質感にこだわったデザインを採用している。また、ユニバーサルデザインを重視した機種は、使いやすさに配慮したN706ieとなる。
今回の夏モデルでは、Samantha Thavasaとのコラボモデルとなる「N906iμ Pink Diamond」が提供されるほか、「N706i」のFrancfrancコラボモデルや、「821N」をベースにした雑誌とのコラボモデル「821N GLA」が提供される。これらの商品について、小島氏は「ニーズは多様化しており、それに応えるためのカスタマイズの1つ」とした。
820Nと821Nは、1年半ぶりのソフトバンク向け端末となる。これまでソフトバンクモバイル社長の孫正義氏が決算説明会などの席上において、NECからの製品提案に満足せず突き返したといったエピソードを披露したことがある。これについて、NEC執行役員モバイルターミナル事業本部長の山崎 耕司氏は「私自身、孫氏に追い返された場にいたが、そのときは相当の信頼を受けていると感じた。そこまで信頼しているNECなのに、この程度か、ということだと理解している。もちろん当時は手を抜いたわけではないが、1年半ぶりの820Nと821Nは、その期待に応えられるものではないか」と、今夏モデルの出来に自信を見せた。
感性に訴えることをテーマとした
今夏モデルの位置付け
N906i
N906iL
N906iμ
N906iμのSamantha Thavasaモデル
N706i
N706ie
820N
821N
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URL
NEC 携帯電話製品案内
http://www.n-keitai.com/
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(関口 聖)
2008/06/09 17:29
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