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NECのN904i紹介イベント、開発哲学などが語られる
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NECは23日、NTTドコモのFOMA端末「N904i」の発売に先駆け、都内でN904iを紹介する報道関係者向けイベントを開催した。
■ NECのケータイも少し変わってきた
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N904i
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NEC小島氏
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冒頭、壇上に立ったモバイルターミナル事業部長の小島 立氏は、「“イタリアとNEC”と聞いても、すぐイメージが結びつかないだろうが、デザインと高機能さで、ユーザーの生活をより豊かに、快適にしたいと考えている。昨年から、N903i、N703iD、N703iμと続き、NECの携帯電話も少し変わってきたと感じてもらえているのではないか。昨年7月にクリエイティブスタジオという組織を設立したが、そこの役割は、NECの技術とデザインをどう橋渡しするかということ。単なるデザインではなく、企画開発するプロセスをいかにクリエイティブにするか。開発後のプロモーションまで一貫して活動している。当社の携帯電話で、驚きと感動を与えたいし、きちんとユーザーに伝えたい」と述べた。
質疑応答で、NECの携帯電話事業に関して尋ねられると、「松下さんとの協業は、N904iで成果が出たわけではなく、次機種に向けて進行中。折りたたみ型だけではなく、スライド型などさまざまな形の開発は行なっている。そこから勝てる商品を投入していきたい」としたほか、auへの端末供給は「考えているというところ」と述べた。
今後の課題については「トップシェアのシャープは、かなりブランドが構築されてきたと感じている。N903iをリリースした後、SH903iとの比較調査を行なうと当社のほうがきれいなディスプレイと評価されたが、ショップでは“シャープの携帯電話は液晶がきれい”と案内されている。そこをひっくり返すのは、今後の商品作りはもちろん、ショップに対して取り組まなければいけない課題だと考えている。最近は、家電ブランドが強いが、当社にはそれがない。認知してもらうものは必要だと思うが、現時点で何か発表できるものではない」とした。
■ 携帯電話開発への考え方
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佐藤氏が掲げた3つの哲学
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クリエイティブスタジオを率いるのが、チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏だ。同氏は「私の中で、デザインという言葉は“de”+“sign”を分けている。否定の意味(de)と、誰もが知っている記号(sign)ということで、アイデアを見直し、違った見方をして、課題の解決案が出そうとしている。ユーザビリティの追求などで人に優しい技術を追求し、パイロットメーカーとして先端技術に取り組んでいる。そして感性を磨き、ユーザーに伝えるということを、デザイナーだけではなくNECのあらゆるところで取り組んでいる」と、同社が基本とする携帯電話開発の考えを説明した。
佐藤氏は、「新たなNのデザイン、ブランドをつくる。昨年のN702iDによって社内ではデザインの重要度が再認識された。新たなコンセプト、マーケットの開拓に取り組む」とした。
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クリエイティブスタジオを率いる佐藤氏
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N904iの開発にあたっては、ミラノを中心に活躍するステファノ・ジョバンノーニ氏とのコラボレーションについて紹介した。同氏は「驚きや楽しみという点をジョバンノーニ氏なりに提案してもらった。それが2つのボックス、2つのカラー、2つの利用というコンセプト。NECが折りたたみ型の基準を作ったという過去を踏まえてくれた結果だと想う。マットな塗装を採用したことなど、最近のトレンドとは一線を画すデザインだ。外観だけではなく、これまでの当社製端末にはないメニューアイコンなどが用意されている。新しいNがスタートしようとしている。次に繋がる機種として、今後もNECに期待して欲しい」と述べた。
会見終了後、佐藤氏に話を聞いたところ、「夏モデルが揃い、他社さんを含め、携帯電話は細部まで追求する形になったと感じている。だが、NECはアカデミックな部分があり、他社では費用対効果の観点から採用されないような技術開発でも、当社では行なっており、基礎の部分がしっかりしている。クリエイティブスタジオ設立以降、スタッフの意識は着実に向上していると思う。(N703iμ、N904iだけ)単発では終わらない。次も変化していく」と述べ、今後も開発スタイルの改革を続けていく姿勢を示した。
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企画から発売後のプロモーションまで一貫して手掛ける
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N702iDで、デザインの重要性が認識されたという
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NEC大澤氏
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N904iの製品説明を行なった商品企画部の大澤斉氏は、“music trip”というコンセプトを紹介し、「携帯を通じて、旅しているような楽しさを感じてもらえるよう注力した」と語った。10倍の通信速度、5倍の高精細、そしてヤマハ製チップによる本格サウンドという点が特徴とのことだが、大澤氏は「地味だが、キーアサインの変更は勇気が必要だった」と語る。これは、文字入力時のテンキーに割り当てられた記号がN904iから変更されたことを意味し、濁点を入力するキーが「#」キーから「*」キーになったことなどが紹介された。同氏は「他社から乗り換えても迷わず使える」とアピールしていた。
このほか、在日イタリア大使館 一等参事官のマリオ・ヴァッターニ氏からは、「技術とデザインという重要な分野で両国が協力したことになる。日本とイタリアは、想像力と実行力を大切にするという点で共通しており、グローバル化が進む現在、他国をリードする力になるだろう」と賛辞の言葉を述べた。また、イタリア語のテレビ番組などで活躍するダリオ・ポニッスィ氏は「N904iはとても優しい携帯だと想う。カラーもスタイリッシュ。うさぎが登場するメニューアイコンでは、うさぎがおじぎするのを見て、デザインはイタリアだが日本の文化だと感じた。素晴らしい融合だと思う」と語っていた。
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在日イタリア大使館 一等参事官のヴァッターニ氏
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N904iを優しい携帯と評したポニッスィ氏
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開いたところ
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キーアサインに変更が加えられた
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2つのボックスを組み合わせたようなデザイン
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■ URL
N904i 製品情報(NEC)
http://www.n-keitai.com/n904i/
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(関口 聖)
2007/05/23 19:42
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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