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「KCP+」導入開始、マルチウィンドウやVIVID UIなどを採用

 KDDIは、米クアルコムとの業務提携し、携帯電話開発プラットフォームの新バージョン「KCP+(ケーシーピープラス)」を開発、2007年秋冬モデルの一部機種から導入を開始する。


「KCP+」とは

 これまで、KDDIでは、ブラウザやメーラーなどの基本アプリケーションとクアルコム製チップセット「MSM」シリーズと組み合わせた携帯電話開発プラットフォーム「KCP」を利用してきた。

 今回開発が完了した「KCP+」は、基本的なソフトウェア部分に加えて、OSやミドルウェア、通信制御、特定のアプリケーションを含めたパッケージとなっており、チップセットはデュアルコアのMSM7500が採用されている。

 今回発表された新サービス群と、KCP+の関係を見ると、LISMOの携帯電話側機能であるau Music Playerは、KCP+上で動作するアプリケーションとなるが、au one ガジェットやマルチプレイウィンドウ、強化された3Dエンジン、VIVID UIがKCP+の一部ということになる。通信方式では、EV-DO Rev.AもKCP+として採用されている。また、ユーザーインターフェイスやデバイスは、メーカーによって異なる差別化部分とされている。


左が従来のKCP、右がKCP+(KDDI資料より引用)
左が従来のKCP、右がKCP+(KDDI資料より引用)

マルチプレイウィンドウ

2画面表示や複数起動などをサポート

2画面表示や複数起動などをサポート
 これまでもau端末の一部で、マルチタスク機能が実装されていたが、今回、KCP+として、複数のアプリケーションを同時起動できる「マルチプレイウィンドウ」機能がサポートされた。

 仕様としては、同時に起動できるアプリケーションの数に制限はない。ただし、アプリケーションの動作に必要なメモリが上限に達すると、それ以上は起動できなくなる。メモリ容量の上限は端末によって異なるとのことだが、詳細は明らかにされていない。「ワンセグ視聴中にGoogle検索する」「ナビ中にメールを作成する」「ゲームアプリ起動中にEZwebのブラウザを開く」「音楽再生中にメールを作成する」といった利用スタイルが想定されている。

 マルチプレイウィンドウによって、上下に画面を分割して最大2つのアプリケーションを同時に表示できる。分割表示できるのは、対応アプリケーションのみとなっているが、大部分の機能で利用できる。

 アプリの組み合わせで起動制限されることは基本的にないとのことだが、テレビ電話については他の機能と同時に起動することはできない。ただ、通信するアプリケーションでも、通信内容が異なれば同時に起動できるとのことで、画面上部でEZナビウォーク、画面下部でブラウザという形では利用できる。

 1種類のアプリを上下の画面に表示する、つまり同時起動することは基本的にできないが、受信メールを閲覧する画面と、メール作成・送信は同時に利用できる。また、上下ともにGoogle検索など、一部のEZweb機能については同時起動できるようにするかどうか、まだ仕様が固まっていないという。

 マルチプレイウィンドウに対応した機種では、本体に「マルチキー」が配されており、押せば起動中のアプリケーション一覧が参照でき、他のアプリに切り替えることもできる。複数のアプリケーションを起動している場合、基本的に表示されているアプリケーションが電力を消費し、バックグラウンドにまわったアプリケーションはほとんど電力を消費しない。ただし、バックグラウンド中でも、音楽再生やGPS信号のやり取り、パケット通信など、動作していればその分電力を消費することになる。


上下で異なるアプリを表示し、同時に使える 利用イメージ
上下で異なるアプリを表示し、同時に使える 利用イメージ

VIVID UI

展示会場ではエミュレーターでデモ

展示会場ではエミュレーターでデモ
 KCP+の一部として、auとしては初めて、アクロディア製の技術「VIVID UI」が導入される。従来のFlash Liteと比べると「メニュー画面での動画再生」が、他キャリアで採用されているVIVID UIと比べると「3D表示」が大きな特徴となる。

 メインメニューのほか、第2階層やアドレス帳、ダイヤル発信画面など適用できる。アニメ再生のFlash Liteと比べると、実写動画を扱えることが特徴的な機能とされているほか、3D表示を活かせば「リングが回転するようなメニューも作成できる」という。なお、対応機種のW56T、W54S、W54SAに3D表示のメニューはプリセットされない。

 KDDIでは、VIVID UI用のオーサリングツールをコンテンツプロバイダ向けに提供するかどうか、今後検討していくという。


ゲームの3D描画を強化

 KCP+の導入により、EZアプリ(BREW)でも従来の10倍以上のスピードで3D描画が可能になる。これは、MSM7500の一部でATi製のグラフィックチップが採用されているため。

 今回の発表会では、クアルコム製の試験端末でゲームアプリのデモを披露していたが、「バイオハザード4」「ARMORED CORE MOBILE 4」「Power Smash EZ」の配信が予定されている。


Power Smash EZのデモ 現時点では3作品の供給が発表されている
Power Smash EZのデモ 現時点では3作品の供給が発表されている


URL
  KDDI ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2007/1016d/
  アクロディア ニュースリリース
  http://www.acrodea.co.jp/press/2007/20071016/


(関口 聖)
2007/10/16 18:16

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