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HTC製スマートフォンのファンサイトが20日オープン
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大盛況となったイベント会場
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12月20日、Windows Mobile向けスマートフォンで知られるHTC社のファンサイト「htc Fan Site」がオープンした。これを記念して都内でオープン記念イベントが開催された。
HTC(High Tech Computer)は台湾に本拠を置くグローバル企業だ。国内では2006年に日本法人「HTC Nippon」を設立し、これまでにNTTドコモ向けの「hTc Z」、ソフトバンクモバイル向けの「X01HT」を投入している。国内向けは現時点で2端末しか提供されていないが、海外では、自社ブランド・キャリアブランド・OEM/ODMなどさまざまな形でWindows Mobile搭載のスマートフォンを数多く提供している。
正式オープンとなった「htc Fan Site」は、HTC製端末のユーザーコミュニティとして有志らが開設。HTC製端末の海外の情報やユーザーレビュー、FAQ、フォーラムなどが用意されている。12月1日からプレオープンしており、途中サーバーダウンもあったが17日時点ですでに100万アクセスを突破したという。
なお、サイト自体はHTCの非公式ファンサイトとなるが、今回のオープニングイベントにはHTC Nipponやマイクロソフトが協賛している。会場となった帝国ホテルにはHTC Nipponが日本未発売のスマートフォンを展示されたほか、ユーザーが持ち寄った自慢の海外向けHTC製端末なども紹介された。
イベントには100名を越すユーザーが集まり、会場はいわゆる“オフ会”のようなノリと、企業のオープニングパーティのような雰囲気が入り交じった不思議な空間となっていた。協賛する各社企業とユーザーの関係が非常に近いところにあるように感じられ、共にスマートフォンの市場を盛り立てていこうとする共通意識のようなものを強く感じた。
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有志が海外製端末を紹介
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HTC Nipponも国内未発売端末などを展示していた
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いずれもWindows Mobile搭載機
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音声端末タイプ
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■ Kzou氏が語る「htc Fan Site」
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Kzou氏
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「htc Fan Site」の代表を務めるのは、人気ブログ「Kzou’s Diary (^^ゞ」の主催者であるライターのKzou氏。同氏は冒頭の挨拶の中で、10年程前からWindows CE機に手を染め始めた自身のモバイル遍歴を紹介。海外のスマートフォンやPDA系デバイスの情報が無い中で紆余曲折しながら日本語化などの情報を調べていったと語った。
また、HTC製のスマートフォンについて、「OEMを手がけて精度が上がってきたように思う。最近はHTCの端末でなければ買わない」と語っており、「普及に一役買おうと思って立ち上げた」とファンサイトを立ち上げる経緯を説明した。同氏が「リーク情報を引っ張ってくるなど、ユーザー同士で力を合わせてやっていきたい」と語るように、サイトでは今後、コンテンツの充実を図っていくという。
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今後の活動
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今回のプレゼンテーションは、スマートフォンとアイ・ビー・エス・ジャパンのビデオ出力アダプタで行なわれた
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■ ユーティリティソフトを紹介
イベントでは、アプリケーションやユーザーの利用実例なども紹介された。
Gzh氏は、端末内アドレス帳(連絡先)へのアクセスを容易にするユーティリティソフト「QDz」を紹介。Windows Mobileに標準セットされている連絡先のようなインターフェイスで、スタイラスを使うことなく操作キーだけで相手のアドレスまで辿り着けるというものだ。
Offisnail氏は、1月末の正式版リリースに向けて鋭意開発中のソフト「Offisnail Date」を紹介。同ソフトは軽量なスケジューラーで、スタイラスやキーボードによる予定の入力や、数日間にまたぐ出張などの予定も簡単に範囲選択して書き込めるというもの。非常にシンプルなものだが、使い勝手の良さが窺えた。
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開発中のスケジューラー
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■ 東南アジアのモバイル事情
赴任先のベトナムからかけつけたsiam_breeze氏は、東南アジアを中心した海外のモバイル事情を紹介した。同氏は、端末とSIMカードで別々に販売されているGSM圏の状況を説明し、「ユーザーは携帯電話会社とSIMカードだけ契約する。携帯電話は別の店で買えるので、ユーザーは好みに合わせて自由に使える」とした。
また、赴任先ではプリペイドタイプのSIMカードが旅行者でも簡単に購入できる状況であるのに対し、「日本に帰ってきても通信手段がない」ともこぼしていた。国内キャリアのSIMカードは端末と紐付けられた、いわゆる「SIMロック」の状態で提供されている。同氏の赴任先では、いわゆるSIMフリーの状態で販売されているため、携帯電話端末の中古市場が活発に動いているという。
siam_breeze氏は、スピーチの中で今回の帰国にあたって国内に持ち込んだたくさんのスマートフォンも紹介した。あくまで一部とのことだが、ガジェット好きとって自由に端末が購入できる点は大きな魅力だろう。ただし、現地の大学を卒業した社員の給与は1カ月100ドル程度、これに対しHTCの端末は約10万円と現地人にとって高嶺の花であるとも語っていた。
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siam_breeze氏の所有端末の一部
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「海外で端末を自由に選べる」とsiam_breeze氏
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■ 戦場ジャーナリストのモバイル事情
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Shamil氏
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Shamil氏はSIMフリーの必要性を語った
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スピーチの最後を飾ったのは、フリーのジャーナリストとして戦地などでモバイルを活用してきたShamil氏。同氏は、イラクやアフガニスタンなど世界の紛争地域の取材を行なっているとのことで、ロシアの元FSB、アレクサンドル・リトビネンコ氏とも交流があったという。
イラク戦争当時、同氏はモバイルを機器を持たずに現地の固定電話で日本とやりとりしていたという。しかし、ミサイルでイラクの通信局が破壊されると通信手段が絶たれ、あえなく失業。これではいけないと、ボーダフォン(当時)のW-CDMA/GSM方式の端末を購入したという。その後、再びイラク入りした同氏は、トルコの通信事業者の電波を拾って、現地から原稿を送ったり、Skypeで日本と音声のやりとりしていたという。
同氏の体験談は非常に刺激的なものだった。チェチェン人ゲリラの同行取材をしていた際は、グルジア共和国で軍事機密を目撃したために日本への帰国が許されず、通信手段が無かったために「そのまま始末されていたかもしれない」(同氏)というほどの危機に直面したという。しかし、立ち寄った村で当時開通したばかりのGSM携帯電話を借りて日本と連絡を取り、外務省ルートでグルジア共和国から出国が許可されたと述べた。
同氏は世界で使える連絡手段として、モバイルの有効性を語る一方、日本のSIMロックされた端末については、「日本から海外の仕事するのはとてもハンデキャップがある」と語った。リトビネンコ氏とのインタビュー後、同氏とSMSを利用して問い合わせなどを行なっていたとのことで、ここでも日本からの直接SMSを送信できなかったために、Skypeを利用してSMSのやりとりしていたという。
Shamil氏は、「日本でWindows Mobile端末をSIMフリーで使っても捕まらないらしいので言います」と前置きし、国内でSIMフリー端末を利用しているユーザーが「ビクビクして使っているのはおかしい」と語った。また、「キャリアが大いばりでいるのは日本だけ」とも話していた。同氏は最後に、「HTCの端末をフルで使うには、SIMフリーで通信が安価である必要がある。(HTCの)日本進出はものすごく期待できることだと思う」と述べて締めくくった。
■ URL
htc Fan Site
http://www.htc-fan.jp/
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(津田 啓夢)
2006/12/21 14:10
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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