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スタイルに磨きを掛けたコンパクトなiモード端末「SO211i」
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スタイルに磨きを掛けたコンパクトなiモード端末「SO211i」
昨年、エリクソンと端末部門の統合を発表したソニー。国内ではすでにau向けにソニー・エリクソンブランドで端末の供給を開始しているが、NTTドコモ向けのiモード端末の第1弾となるのが「SO211i」だ。筆者も機種変更で端末を入手したので、レポートをお送りしよう。
コンパクトなボディで人気を集めたSO210iの後継モデル
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NTTドコモ/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ『SO211i』。サイズ:45×87×27mm(幅×高×厚)、99g。マーキュリーゴールド(写真)、シャインブルー、イリュージョンピンクをラインアップ。
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昨年あたりから携帯電話の端末市場は、世界的に急速な統合が進んでいる。なかでもソニーとエリクソンによる端末部門の統合は、業界内だけでなく、ユーザーにも大きな驚きと期待が感じられるニュースだった。エリクソンと言えば、ノキアと並ぶ世界トップクラスの携帯電話関連企業であり、Bluetoothの生みの親的な存在としても知られている。個人的にも『007御用達ケータイ』として、いつも気にしているブランドのひとつだった。しかし、エリクソンというメーカーは業界的に見ると、端末メーカーと言うより、携帯電話のネットワークのバックボーンを支える企業という印象が強い。先日、CeBIT 2002のレポートをお送りしたが、端末部門のエリクソンのブースは今までまったく異なる雰囲気になっていたのが印象的だった。
今回発売された「SO211i」はソニー・エリクソンが設立されて初めてのiモード端末ということになる。昨年、コンパクトなボディで人気を集めた「SO210i」のデザインを踏襲しながら、スタイルにさらに磨きを掛けた端末として仕上げられている。NTTドコモの211iシリーズの主要モデルとしては最後発になるが、本誌でお伝えしている販売ランキングなどを見ても、比較的好調な売れ行きを記録しているようだ。
その一方で、SO211iはソニー・エリクソンとしての特色をまだ出していないという見方もある。従来のSO210iとどのあたりが変わったのかなどを踏まえながら、SO211iの出来映えを見てみよう。
ユニークな背面スピーカーの処理
製品の細かい仕様などについては、NTTドコモやソニー・エリクソンの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただきたい。ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心にお伝えしよう。
まず、ボディは折りたたみデザインを採用しているが、基本的には昨年発売されたSO210iを踏襲したデザインにまとめられている。SO210iはPDC方式を採用したiモード端末として、最もコンパクトなボディであることがひとつのセールスポイントだったが、今回のSO211iでは背面側の丸みが少なくなり、さらにボディが平たくまとめられている。
全体的なデザインは従来モデルを踏襲しているが、SO211iは細かい部分でいくつか変更されている点が見受けられる。まず、最も特徴的なのは液晶背面側に備えられたスピーカーだ。背面に見える丸い点のようなものはスピーカー部の穴になっており、着信用LEDと並べたデザインにまとめられている。また、SO210iでは外部接続端子を側面に設け、ボディと一体化したキャップを備えていたが、今回は他の端末と同じように、ボタン類下の底面部に配されている。キャップも標準的なゴム製のものに変更されている。外部接続端子の移動に伴い、ストラップ用の穴も背面側に少し移動している。
これらは細かい変更点のように見えるが、端末全体の雰囲気を見た場合、SO210iに比べ、かなりテイストが変わってしまったという印象だ。個人的にはSO210iのまとまり感がSO211iで少し失われたような気がする。また、背面側のスピーカー用の穴もデザイン的に好き嫌いが分かれるところだろう。
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背面にはスピーカーを内蔵し、デザイン処理された穴が並ぶ。
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外部接続端子の移動に伴い、ストラップ用の穴も背面側に移動された。
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液晶ディスプレイは120×160ドット/4096色表示が可能な1.7インチSTNカラー液晶を採用している。従来のSO210iの256色表示に比べると、画像などがハッキリと表示されるようになり、画像形式もJPEGに対応している。503iシリーズなどに比べると、あまり画面は大きくないが、メール受信時にはフォントサイズを変更することにより、10文字×7行表示も可能にしており、実用上の不満は感じられない。
ボタン類は中央にはおなじみのセンタージョグを装備し、レイアウトもSO210iに似ているが、これも細かい部分にリファインが加えられている。たとえば、センタージョグ部分は周囲が少し盛り上がり、センタージョグそのものの大きさもわずかに大きくなっているように見受けられる。センタージョグの左右にある[メール]ボタンと[My]ボタンはSO210iよりも小さくなっているが、これも外側が少し盛り上がっているため、操作時の感触がハッキリするようになった。
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液晶ディスプレイは4096色表示が可能なSTNカラー液晶に変更された。
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キーデザインはSO210iを継承しながら、細かい部分を修正し、操作性を向上させている。
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メール機能の使い勝手を強化
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メールの作成画面から「送信ランキング」や「一括メールリスト」を呼び出すことができる。
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続いて、機能面について見てみよう。弊誌の愛読者なら、よくご存知のように、NTTドコモの211iシリーズは800MHzと1.5GHzのデュアルバンド機となっている。利用できるエリアは限られているが、都心部のように人が集まる場所では音声通話がつながりやすいというメリットを持つ。SO211iもこのメリットを享受できる。
まず、メールについては「送信ランキング」と「一括メールリスト」という機能が追加されている。SOシリーズでは従来から音声通話の「発信頻度」というリストを表示することができたが、これのメール版とも言えるのが「送信ランキング」だ。送信ランキングはメールの送った回数のランキングが表示されるため、頻繁に送る相手へのメールはランキングから選ぶだけで作成することができる。「一括メールリスト」は複数のユーザーにメールを同時に送るときに便利なリストで、最大5グループまで登録しておくことができる。
着信メロディはSO503iやSO210iなどと同じ24和音対応になっている。SOシリーズでは各モデルごとにキャラクターを設定し、着信メロディもそれに合わせたものを提供しているが、今回はプレイステーションでおなじみの「サルゲッチュ」がキャラクターに採用されており、着信メロディには「サルゲッチュのうた」が収録されている。ちなみに、24和音の着信メロディについてはあまり種類が豊富ではないという声が多いが、昨年末から音響機器メーカーのコルグが着信メロディを配布するサイトを開設しており、24和音着信メロディを提供している。
同じサウンド関連の機能としては効果音がいくつか用意されている。ボディを開くとき、充電の開始/終了など、端末の動きに合わせた効果音を設定することができる。VAIOシリーズでおなじみの「バッテリーの充電が完了しました」というセリフでも入れられれば、面白いところなのだが……。
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形状のわずかな変更で、操作性がややカッチリしたセンタージョグ。
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操作系ではSOシリーズでおなじみの「センタージョグ」と推測変換入力「POBox」が継承されており、快適な文字入力環境を提供している。SO211iではPOBoxの辞書が新しくなっており、「ディズニーシー」や「スターバックス」などの比較的新しい単語なども登録されている。SO210iよりもセンタージョグ部分の突起が大きくなったためか、操作感は以前よりもしっかりした印象だ。
また、SOシリーズではパソコンでメモリダイヤルなどを編集できる「データリンクソフト」が提供されていなかったが、SO211iの登場に合わせ、「データリンクソフト for NTT DoCoMo SO001」の販売が開始されている。また、市販のメモリダイヤル編集ソフトでは「携快電話」(ソースネクスト)、「ケータイリンクIII」(ビレッジセンター)、「ケータイエディ5」(インクリメントP)などがSO211i対応の最新版を公開している。
新しくなったデザインが判断のポイント
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SO211i(左)とSO210i。ボディカラーの影響もあるが、SO211iの方がややクセが強い印象だ。
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最後に、いつものように、SO211iの「買い」を診断してみよう。SO211iは従来のSO210iのデザインを継承し、液晶ディスプレイやボディ細部にリファインを加えることにより、完成度を高めている。ソニー・エリクソンとしては初のiモード端末という位置付けもファンには見逃せない点だろう。さらに、211iシリーズには「デュアルバンド機である」というアドバンテージがあり、対応地域が限定されるものの、503iシリーズや210iシリーズよりも高い音声通話品質が得られる。
ただ、SO211iのデザインについては賛否両論があり、なかでも背面スピーカー部のデザイン処理は好き嫌いが分かれるところだ。これはあくまでも個人的な見解だが、端末全体のデザインとしてはSO210iの方が完成度が高く、SO211iではややバランスを崩してしまった印象が残る。筆者としては、SO210iの端末全体の一体感やカラーリングのセンスの方が好みだった。もちろん、デザインやカラーリングの好みは人によって異なるので、「SO211iの方がサイバーでカッコいいぜ」という声もあるだろう。
これらの点を総合すると、SO211iを「買い」と言えるのは、デザインとボディカラーを支持するユーザーということになる。センタージョグやPOBox、メールのフォルダ管理など、使い勝手の面についてはSO210iから一段と完成度を高めているが、デザイン面に関してはSO211iの方がややクセが強い。このクセの部分を個性と見るユーザーなら「買い」だが、クセと見るユーザーなら「待ち」だろう。また、211iシリーズは音声通話でのアドバンテージがあるが、504iシリーズの登場も噂されており、アドバンテージをいつまで保てるのかが微妙な状勢だ。その点を考慮すれば、504iシリーズの登場を待ってから最終的な判断を下しても遅くないはずだ。
・ ニュースリリース(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/02/whatnew0204.html
・ 製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/keitai/211i/so211i/so211i.html
・ 製品情報(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so211i/index.html
・ SO211i(マーキュリーゴールド)
・ ドコモ、ソニー・エリクソン製折りたたみ型iモード端末「SO211i」
・ コルグ、24和音対応のiモード向け無料着メロサイト
・ 洗練されたデザインが光る「SO210i」
(法林岳之)
2002/03/28 11:54
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