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ツインイルミネーションとボディカラーで自己主張する「N211i」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


211iシリーズ第3弾

 iモード端末で常に高い人気を獲得しているNEC製の「Nシリーズ」。F211iを皮切りに始まった普及モデルの211iシリーズでもNEC製端末「N211i」の販売が開始されている。新たにディズニーキャラクタとのコラボレーションを実現するなど、さらに商品力を高めている。筆者も機種変更で端末を購入したので、レポートをお送りしよう。


NECは50xシリーズの勢いを持ち込めるか

N211i

 NTTドコモ/NEC『ムーバN211i』。サイズ:46(W)×91(H)×25(D)mm、99g。スウィートローズ(写真)、シルバースノー、ディープマリンをラインアップ。
 本誌読者のみなさんなら、よくご存知のように、NTTドコモのiモード端末には、高機能モデル「50xシリーズ」と普及モデル「2xxシリーズ」という2つのラインアップが存在する。この2つのラインアップには機能や利用できるサービスなどにいくつか違いがある。たとえば、サービス面で見ると、503iシリーズがiアプリに対応しているのに対し、210iシリーズは209iシリーズ同様、DoPa対応が特長となっている。機能面で見ると、503iシリーズはコンテンツ閲覧を重視し、高品質な大画面液晶を搭載しているのに対し、2xxシリーズはボディを軽量コンパクトにまとめ、コストパフォーマンスを重視した設計になっている。

 今回紹介するNEC製端末「N211i」は、富士通製端末「F211i」、三菱電機製「D211i」に続く、211iシリーズの第3弾モデルだ。211iシリーズは従来同様、503iシリーズに比べ、コストパフォーマンスに優れていることやDoPa対応であることなどの特長を持つ他、利用できる地域は限定されるが、一般的な800MHz帯に加え、1.5GHz帯での音声通話にも対応した「デュアルバンド機」として設計されている。都市圏を中心にNTTドコモのトラフィックはかなり混雑をしており、人が集まるところなどでは音声通話の品質が著しく低下することも多い。そんなとき、211iシリーズなら、1.5GHz帯を利用し、音声通話ができるというわけだ。ただし、iモードのコンテンツ閲覧やメール送受信については、50xシリーズや210iシリーズ以前と同じように、800MHz帯を利用する。

 また、N211iはボディデザインやキャラクターの採用など、さまざまなリファインが加えられており、N210iのときよりも従来モデルとの差別化がハッキリしている。50xシリーズで高い人気を得ているNEC製端末「N503iS」の勢いを2xxシリーズにも持ち込みたいようで、開発元のNECとしてはなかなか気合いの入ったモデルと言えそうだ。


インパクトのあるボディカラー

アンテナ

 アンテナは蝶つがいの近くに移動し、バッテリー装着部側に格納される構造に変更された。ストラップの穴も移動している。
 製品の細かい仕様などについては、NTTドコモやNECの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただきたい。ここでは筆者が購入した端末を試用した印象を中心にお伝えしよう。

 まず、ボディはNECのお家芸とも言えるおなじみの折りたたみデザインを採用している。「NECで折りたたみは当たり前でしょ」と考えるかもしれないが、今回のN211iは従来のNEC製の折りたたみデザインの端末と趣が異なる。N210iやN503iSなどではアンテナが液晶ディスプレイ側に装備されていたが、N211iではバッテリーパック側に装備され、蝶つがいの付近からアンテナが伸びる構造になっている。iモード端末では松下通信工業製のP209iSなどで同様のレイアウトが採用されているが、折りたたみデザインのNEC製端末としてはおそらくはじめての試みだろう。NECによれば、ディプレイの背面側のデザインを優先するため、アンテナ部の取り付け位置を変更したそうだ。アンテナの移動でスッキリした背面側には、N210iやN503iSでも採用されたイルミネーションウィンドウが装備される。

 また、N211iの外見でもうひとつ特徴的なのはボディカラーだ。ディープマリン、スウィートローズ、シルバースノーの3色がラインアップされている。最近のNEC製端末はN2001のレッド、N2002のフォレストブルーと、比較的ハッキリしたボディカラーを採用しているが、N211iではスウィートローズで他を圧倒する存在感を示している。実際に売れるのは他のボディカラーかもしれないが、このスウィートローズがラインアップされていることで、店頭ではかなり際立つ存在に見えるはずだ。

 液晶ディスプレイは4096色表示が可能な1.9インチSTNカラー液晶を採用する。ここのところ、高品質なTFT液晶やTFD液晶を採用する端末が増えているが、N211iに採用されたSTN液晶はこれらに負けておらず、発色、明るさともに良好なレベルだ。解像度は120×160ドットとなっており、メールやメモリダイヤルの画面では標準的な12ドットフォント(10文字×10行表示)に加え、15文字×14行が可能な8ドットフォント、7文字×7行で大きく見える16ドットフォントも利用できるようにしている。ちなみに、他のNシリーズ端末同様、メール本文表示時にカーソルキーの左方向を長押しすると、文字サイズが縮小表示される。

 背面のイルミネーションウィンドウはN210iやN503iSを継承するもので音声通話やメール着信の有無、日時、電波状態などを表示できるが、画面の周りの部分も光るようにしたり、時報機能でキャラクターを表示させるなど、新しい工夫も見られる。点滅パターン(トゥインクルパターン)も8種類あり、音声着信やメール着信、通話中など、端末の状態に応じて、自由に設定することができる。


ディスプレイ イルミネーションウィンドウ
 液晶ディスプレイは4096色表示が可能なSTNカラーを採用。STNには見えないほどの明るさで視認性も良い。  背面のイルミネーションウィンドウにはアナログ時計も表示が可能。液晶部の周囲も光るので、見た目はかなり派手になる。

ボタン

 ボタン類は従来のN210iのものより縦長のデザインを採用。操作性は良好。
 ボタン類は中央に方向キーと決定ボタンを一体化したものを配し、左上にメールボタン、右上に電話帳ボタン、左下にクリアボタン、右下にメニューボタンをレイアウトしている。従来同様、カーソルキー周囲のボタンがN503iやN503iSと上下が逆になっているわけだ。側面にはサイドキーを装備しており、音量調節や伝言メモの再生、コンテンツ閲覧時の上下スクロールに使うことができる。

 このサイドキーの意外に面白い使い方として用意されているのが「サウンドモード」だ。[メニュー][9][2]でサウンドモードをONに設定しておくと、待受中に[ホーム]ボタン(サイドキーの上側)を長押しすれば、端末は着信と同じ動作をする仕組みになっている。たとえば、抜け出したい会議の前にサウンドモードにしておき、ニセの着信動作をさせて、「あ、電話だ。すみません……。もしもし……」などと話しながら逃げ出すという使い方ができるわけだ(笑)。ちなみに、サウンドモードでは[メモ/確認]ボタンで、アラームを鳴らすこともできる。あまり有名になってしまうと効果がないので、他の人にはぜひナイショで活用していただきたい(笑)。


メール機能を一段と強化

メールフォルダ

 メールはフォルダ管理に対応。自動及び手動振り分けができる。フォルダ単位でセキュリティロックが掛けられる。
 機能面について見てみよう。NECではコンテンツ閲覧などを重視するN50xシリーズに対し、20xシリーズは従来から「メールをヘビーに使うユーザーのための端末」という視点で開発している。そのため、N211iではメール機能を中心に強化が図られている。

 まず、メール作成時などに欠かせない日本語入力のシステムについては、独自のAI辞書を搭載している。特に、N211iでは「いためし→イタ飯」「ふぁみれす→ファミレス」といったカタカナ語や口語、流行語などについても強化されているという。NEC製端末は折りたたみデザインやユーザーインターフェイスなどのセールスポイントを持つ一方、日本語入力が今ひとつ弱いという印象があったが、今回はそのマイナスを取り返そうとしているようだ。

 メール機能についてもN503iSなどと同じように、最大19個までのフォルダによる管理ができるようになり、手動及び自動による振り分け処理も可能にしている。シークレット設定をすることにより、受信メールをフォルダ単位でロックできるようになり、プライバシーを保てるようにしている。

 デスクトップ機能はN210iと違い、N503iSなどと同じ仕様に変更されている。メールやサイト、テキストメモなどをアイコン化して、デスクトップに貼っておくことにができ、中央の決定キーとカーソルキーで選んで、すぐにコンテンツや未読メールを呼び出すことが可能だ。

 また、211iシリーズはiアプリに対応していないが、N211iではディズニーキャラクタが登場するミニゲームを内蔵している。ちなみに、ディズニーキャラクタは効果音にも登場し、ミッキーマウスやドナルドダックの声などが収録されている。ディズニーはiモード公式サイト「Disney-i」を公開しているが、もしかすると、将来的にNECの公式サイト「みんなNらんど」との連携が実現するかもしれない。

 N211iはディズニーとのコラボレーションがひとつのトピックとして注目されており、待受画面、着信メロディ、効果音、イルミネーションウィンドウの表示などにキャラクターが活かされている。しかし、なかには「ディズニーはいいけど、オレはちょっと……」という方もいるだろう。そんな人には「サッカー少年」「まげひよこ」という別のキャラクターも用意されているので、こちらを設定すれば、いいだろう。


手堅い機能構成と斬新なボディカラーは要チェック

 さて、最後に「買い」の診断をしてみよう。211iシリーズ第3弾として登場したN211iは、ディズニーとの連携やインパクトのあるボディカラーが注目されているが、機能面では日本語入力やメール機能の強化、N503iなどにも負けない明るい液晶の搭載など、さまざまな面で改良が図られている。利用できる地域は限定されるが、211iシリーズ共通のデュアルバンド機としてのアドバンテージもある。現在、販売されているiモード端末の中でもトップクラスのバランスの良さを持つ製品と言えるだろう。

 N211iを「買い」と言えるのは、iアプリのような「お遊びの機能」よりもメールや音声通話というコミュニケーションを重視したいユーザーだ。Nシリーズならではの手堅い機能構成や強化されたメール機能は、こうしたユーザーの期待に十分応えてくれるはずだ。「でも、何となく実用性重視っぽくて……」という方なら、斬新なボディカラー「スウィートローズ」に挑戦してみるのもいいだろう。ボディもN503iSなどに比べ、ひと回り小さい上、アンテナの位置が移動したため、他の端末よりも全体的にスマートだ。女性ユーザーには最適の選択と言えそうだ。


・ ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/01/whatnew1207.html
・ 商品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/keitai/211i/n211i/n211i.html
・ ニュースリリース(NEC)
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0112/0701.html
・ 製品情報(NEC)
  http://www.nec.co.jp/mobile/ja/lineup/n211i/

ドコモ、ディズニーキャラが登場するiモード端末「N211i」
iモード初のPDCデュアルバンド対応端末「F211i」


(法林岳之)
2002/01/22 11:07

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