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速報!「新しい時代のケータイを体験できるiPhone 3G」
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昨年、初代モデルが発表され、今年6月に3G版と日本市場への投入が明らかになったソフトバンクのアップル製端末「iPhone 3G」。いよいよ7月11日から正式に販売が開始されるが、ひと足早く、実機を試用することができたので、ファーストインプレッションをお伝えしよう。
■ 全世界が注目する端末がいよいよ日本に上陸
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iPhone 3G
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今年、国内外のケータイの市場において、もっともホットな端末と言えば、やはり、アップルのiPhone 3Gをおいて、他にないだろう。昨年6月に発売された初代iPhoneは、アメリカを皮切りに、ヨーロッパなどで順次、販売が開始され、今年5月末までに全世界で600万台もの売り上げを記録している。初代モデルはGSM方式のみの対応だったため、日本国内では利用できなかったが、今年6月に米アップルが催したWWDC(World Wide Developers Conference)において、W-CDMA/HSDPA方式に対応した「iPhone 3G」が発表され、いよいよ日本でもソフトバンクから7月11日(金)に販売が開始されることになった。世界地図で見れば、ニュージーランドなどが世界でもっとも早くiPhone 3Gが販売されるわけだが、日本もそれら国に続き、かなり早いタイミングで販売が開始されることになる。
iPhone 3Gについては、すでにソフトバンクからも料金プランや対応サービスなどが発表されたが、発売日を目前に控え、多くのユーザーがその仕上りを気にしているところだ。幸い、発売日を前にひと足早く、iPhone 3Gの実機を試用することができたので、ファーストインプレッションをお伝えしよう。なお、本稿で紹介する実機は、基本的に最終版に相当する商品だが、実際に出荷されるものとはわずかに異なる部分が残されているかもしれないので、その点はご留意いただきたい。
■ 漆器のような美しい仕上りの背面パネル
さて、まずは外観から見てみよう。iPhone 3Gは液晶ディスプレイを前面に装備したフラットなストレートタイプのボディを採用する。基本的なレイアウトは、従来のiPhoneやiPod touchの流れを継承するもので、電話としてのスピーカー(受話口)はディスプレイ上のスリット部分、マイク(送話口)は底面側の30ピンDockコネクタの横に装備されている。Dockコネクタの横には音楽再生時に利用できるスピーカーも内蔵する。本体上部に[スリープ/スリープ解除]ボタン、前面のディスプレイ下に[ホーム]ボタン、左側面にシーソー式の[音量調節]ボタンと切り替え式の[サウンドオン/オフ]ボタンを装備する。いわゆるボタン類と呼ばれるものはこれらのみで、全体的に見て、凹凸部の少ない非常にスッキリとした美しいデザインで仕上げられている。
仕上げという点においては、背面パネルも特徴的だ。従来のiPhoneでは金属製の背面パネルが装備され、iPod touchでもiPodのような鏡面タイプの背面パネルが採用されていた。これに対し、iPhone 3Gは樹脂製のパネルを採用しているが、全体的に光沢のある漆器のような美しい仕上りとなっており、中央上部にはシルバーに輝くアップルのロゴが埋め込まれている。
背面の仕上げが金属製パネルから樹脂製に変更されたのは、iPhone 3Gが携帯電話として、HSDPA/W-CDMA方式による3G及びGSM方式(850/900/1800/1900MHz)に対応するほか、IEEE802.11b/g準拠の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、位置情報を取得するGPSにも対応しており、各無線通信利用時の電波の透過率などを考慮した結果だという。背面のカメラ周囲に装備されたリングがGPSアンテナを兼ねるなど、アンテナの配置には苦労したという。
実際に触ってみると、背面の仕上げがきれいであるがゆえに、付いた指紋が目立ってしまう。特に、今回試用した端末がブラックであったことも関係しているのかもしれないが、本体に同梱されるクリーニングクロスやメガネ用の大判のものをいっしょに使った方が良さそうだ。
ディスプレイは320×480ドット表示が可能な3.5インチのハーフVGA液晶を採用する。サイズなども含め、基本的にiPod touchと共通だが、iPhone 3Gには環境光センサーが内蔵されており、周囲の明るさに応じて、バックライトの明るさを調整することが可能だ。ディスプレイの解像度については、国内ではすでにハイエンドモデルを中心にVGAクラスが主流になりつつあり、一歩譲る形になるが、3.5インチというサイズは一般的な携帯電話としても最大級のサイズであり、解像度とのバランスの良さもあり、Webページやメール画面の視認性も非常に良い。
■ 気になるタッチの操作感
ディスプレイには従来のiPhone、iPod touch同様、タッチパネルが装備されており、画面をタッチしての直感的な操作が可能だ。ただ、iPhone 3Gの場合、通話時に顔が端末に当たってしまうと、誤操作をする可能性があるため、通話時に限り、ディスプレイとタッチ操作がOFFになる機能も備える。
具体的な操作としては、画面に表示されたアイコンなどをタッチする「タップ」、連続してタップする「ダブルタップ」、タップした場所で押える「タップ&ホールド」、押えてポイントした場所を移動する「ドラッグ」などの他に、二本の指先をつまむように動かす「ピンチイン/ピンチアウト」、画面上でなぞるように指を動かす「フリック」などが使える。たとえば、写真やWebページの特定のところを拡大・縮小をしたいときに「ダブルタップ」や「ピンチイン/ピンチアウト」、Webページやメール画面をスクロールさせたいときに「フリック」といった具合いに操作するわけだ。
特に、マルチタッチの操作は今までのケータイになかった感覚の操作だが、画面表示のエフェクトとも相まって、快適な操作感を演出している。最初のうちは、SafariでWebページを表示したり、写真を表示しているとき、これらの操作をしながら、触っているだけでも楽しくなる印象だ。
iPhone 3Gがタッチ操作のユーザーインターフェイスを採用しているということで、日本のユーザーとしては気になるのが日本語入力だ。QWERTY配列のソフトキーによるローマ字入力は、すでにiPod touchでも採用されているが、iPhone 3Gではこれらの環境も含め、大幅に改良が加えられている。
まず、入力するソフトキーとして、QWERTY配列のフルキーに加え、ケータイではおなじみの[1]~[9][0]が並ぶ「ダイヤルボタン」を表示し、使うことができる。それぞれのキーには50音の各行が割り当てられており、日本のケータイと同じように、マルチタップ式で入力することが可能だ。入力モードを切り替え、数字やアルファベットを入力することも可能だ。ただし、最近の日本のケータイでおなじみの「英数カナ変換」のような操作はできない(もっとも日本語かな入力時はダイヤルボタンがひらがな表示なので、そういった使い方はしないだろうが……)。
このダイヤルキーを使った入力には、マルチタップ式のほかに、もう2つの入力方法が利用できる。たとえば、ダイヤルボタンの[5]の位置にある[な]を押し、ホールドすると、その周囲に時計回りで「に」「ぬ」「ね」「の」が上下左右に表示され、それらを選んで入力することができる。もうひとつはダイヤルボタンをフリックして、文字を入力する方法だ。ダイヤルボタンの[5]の位置にある「な」をターゲットとして、左方向にフリックすれば「に」、上方向なら「ぬ」、右方向なら「ね」、下方向なら「の」が入力できる。つまり、各行ともに左方向が「イ段」、上方向が「ウ段」、右方向が「エ段」、下方向が「オ段」の文字が入力されるわけだ。慣れが必要なことは確かだが、今までに体験したことのないユニークで面白い入力環境と言えるだろう。
こうして、かなを入力すると、画面中段には予測変換の候補が表示される。目的の変換候補が表示されていれば、そのままタップして選ぶが、見つからないときは予測変換候補ウィンドウ右端の矢印をタップすれば、画面の中央部分に予測変換候補が一覧で表示される。この予測変換候補を選ぶときもWebページやメール画面を見ているときと同じように、フリックやドラッグなどの操作で画面をスクロールできるため、目的の変換候補をすばやく見つけることができる。
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QWERTY配列のフルキー入力
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フルキーでSMSの文字入力
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フルキーでメモを入力
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ア段を中心にイ~オ段が表示される
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選択はフリック操作で行える
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予測変換の候補表示
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iPhone 3Gはタッチ操作によるユーザーインターフェイスを採用しているため、Webページの閲覧やメール画面など、「見る」操作に関しては非常に快適に使うことができる。これに対し、「入力する」という操作については、ここでも説明してきたように、今までにない新しい取り組みをすることで、従来のタッチ操作による入力環境を大きく改善しようとしていることは確かだ。
しかし、その一方で、ユーザーによっては、「タッチだから……」と敬遠してしまう人もいるかもしれない。特に、メールなどの文字入力を頻繁に使う日本のユーザーには、不向きであるといった評価をする人もいるだろう。ただ、かつてパソコンユーザーから見れば、文字入力はフルキーボードを使うのが筋であって、「ダイヤルボタンで入力するなんて、考えられない」と言われた時期もあった。それでもダイヤルボタンでのメールの文字入力をベースにした「親指メール」の文化は定着し、今度は逆にケータイにフルキーボードが装備されることが特徴のひとつとして扱われるようになりつつある。
同じことはタッチ操作による文字入力にも言えることで、今の段階ではまだダイヤルボタンによる入力の方が快適と考える人も多いだろうが、いずれはタッチ操作による文字入力が一定のユーザー層に支持され、ひとつの入力スタイルとして、定着する日もそう遠くないのかもしれない。どちらが優れているかといったことではなく、今回のiPhone 3Gはそういった流れへの第一歩を記すものとなるのではないだろうか。
■ もっと紹介したい機能があるが……
さて、タッチ操作にばかり話が集中してしまったが、このタッチ操作による文字入力を頻繁に使う機能として、iPhone 3GではメールやSMSを利用することができる。SMSは相手ごとに表示されるページが分かれており、お互いが話した内容がチャットのように、バルーン表示されるようになっている。視覚的にも非常にわかりやすく、楽しいSMSと言えるだろう。
メールについては、ソフトバンクが提供する「 i.softbank.jp 」ドメインで提供する「Eメールサービス(i)」の他に、アップルが提供する「MobileMe」、Googleの「GMail」をはじめ、各プロバイダーが提供するメールサービスのアカウントを設定して、利用することができる。特に、Gmailなどはアドレスやパスワードを設定するのみで、非常に簡単に利用環境が整う。
また、これらのメールサービスやWebページの閲覧などでは、データ通信にソフトバンク3Gの3Gハイスピード及び通常の3Gネットワークを利用するが、無線LAN接続の設定がされていれば、無線LANアクセスポイント経由でインターネットに接続することも可能だ。このセットアップも最小限の情報で設定することができる。
この他にもiPhoneには、パソコンとの同期や通話、GPSを利用した地図及び位置情報サービス、iPhoneなどで動作するアプリケーションを購入できる「App Store」など、数多くの注目機能が用意されている。
なかには現時点でサービスインしていないサービスや利用できない機能もあるため、ここでは個々の機能について、詳しく解説しないが、全体を通して見て、iPhone 3Gには今までの日本のケータイとはひと味もふた味も違った新しい体験が用意されているというのが率直な印象だ。
たとえば、アプリケーションが追加できたり、パソコンとのシンクロが前提になっている点などは、通常のケータイというより、どちらかと言えば、「スマートフォン」に近いのかもしれないが、ビジネスユースばかりが目立っている他のスマートフォンに比べると、iTunes及びiPodなど、普段から楽しめるエンターテインメントも充実している。パソコンのWebページ閲覧も多くの機種が対応しているが、iPhone 3GのSafariによる閲覧は、他のケータイのフルブラウザよりも軽快で、楽しく快適に操作することができる。
逆に、通話に関連する機能や他の機器との連携などには、まだ積み残しがある印象だが、それらを補って余りある魅力を持ち合わせている。価格や料金などの面もあるため、誰もが即「買い」と言えるわけではないだろうが、このiPhone 3Gという新感覚の体験は一見だけでなく、「一触」の価値もある端末と言えるだろう。11日の発売日以降、ぜひ、店頭で実機に触れていただき、iPhone 3Gが持つ新しい魅力を体験してみて欲しい。
■ スクリーンショット
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縦画面でのWebサイトの表示
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横画面でのWebサイトの表示
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■ URL
製品情報(アップル)
http://www.apple.com/jp/iphone/
製品情報(ソフトバンクモバイル)
http://mb.softbank.jp/mb/iphone/
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(法林岳之)
2008/07/10 00:01
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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