■ J-フォン4機種目のカラー液晶採用モデル
各社から次々とカラー液晶を採用したケータイが登場しているが、なかでもカラー対応に熱心なのがJ-フォンだ。昨年末に発売されたシャープ製「J-SH02」を皮切りに、後継モデルの「J-SH03」、三洋電機製「J-SA02」とラインアップを充実させている。そして、J-フォンとしては、4機種目のカラー液晶採用モデルとなるのが東芝製「J-T04」だ。先週末から今週末に掛けて、全国各地で発売が開始されるが、実機を入手することができたので、いつものようにレポートをお送りしよう。
■カラー液晶を採用する意義
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J-フォン『J-T04』。サイズ:41(W)×125(H)×20(D)mm、73g。ネオホワイト(写真)、オーシャンブルー、エクストラチタンの3色をラインアップ(地域によって発売されていない色もある)。 |
今年はじめ、ある事業者の広報担当の方と「去年は『メール』でしたけど、今年は『カラー』になるんでしょうかねぇ」という話をした記憶がある。「去年はメール端末、携帯電話本体だけによるメールなど、とにかくメールに明け暮れた1年だったけど、今年のキーワードはカラーということになるのかな」という意味の話だ。この話をした当時、世の中にはまだカラー液晶を採用した携帯電話が実質的に2機種しか存在しなかったが、2000年の上半期を終えた段階で、この話すでにほぼ確実なものになりつつある。
こうした急速なカラー化の流れの中で、最も力が入っている事業者がJ-フォンだ。昨年末のシャープ製「J-SH02」に始まり、三洋電機製「J-SA02」、シャープ製「J-SH03」と、次々とカラー液晶採用モデルを発売し、コンテンツの方もカラー対応を中心に展開している。実際に販売されている端末の種類では、209iシリーズやスーパードッチーモ「SH821i」を投入したNTTドコモが上回っているが、内容とユーザーに与える印象という面についてはJ-フォンが一歩リードしているように見受けられる。
今回発売された東芝製「J-T04」は、J-フォンとしては通算4機種目のカラー液晶採用モデルということになる。すでに販売されているJ-SA02やJ-SH03は好調な売れ行きを記録しているが、J-T04の登場で、J-フォンのカラー液晶採用モデルの勢力分布がどのように変化するのかも非常に注目される。
■J-スカイサービスを使いやすくする『S-Guideボタン』
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意外にボディは厚め。底面のコネクタ部分は固定式のキャップを採用。 |
基本的なスペックについてはJ-フォンのWebサイトに掲載されている製品情報、後日掲載予定の「ケータイ新製品SHOW CASE」を見ていただくとして、写真だけではわかりにくい部分を中心に紹介しよう。
まず、ボディは全体的にやや直線的なデザインで、曲線中心が多い最近のケータイでは少ないテイストだ。ボディサイズもやや大きめの印象で、特に厚みは他のケータイよりもボディも2~3mmほど、分厚い。しかし、手に持った印象は良く、「重い」「大きい」といった感覚はない。
カラー液晶の下には、J-スカイ関連の3つのボタンとマルチファンクションボタンがある。液晶下の3つのボタンは、左側がJ-スカイウェブ、右側がJ-スカイウォーカー、中央がJ-T04のセールスポイントのひとつとなっている「S-Guide機能」ボタンだ。J-スカイウェブとJ-スカイウォーカーの機能は、ともにそれぞれのボタンの長押しで呼び出せ、中央のS-Guideボタンはサブメニューなどを呼び出すときに利用する。着信メロディのダウンロードや画面メモなどもS-Guideボタンで表示されるメニューから操作できる。
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中央にマルチファンクションボタン、その真上がS-Guideボタン。左右にJ-スカイウェブとJ-スカイウォーカーが呼び出せるボタンを配置。 |
ただ、S-Guideボタンで表示されるメニューは他の多くの携帯電話にあるサブメニューと違い、階層構造になっているのが特徴的だ。たとえば、J-スカイウェブにアクセスし、配色が見にくかったり、再生されるメロディの音量が大きするとき、S-Guideボタンを押し、サブメニューから階層をたどれば、自由に設定が変更できる。他の携帯電話では回線を切断しなければ、設定できないが、J-T04はいつでもサービスを中断することなく、設定なども変更できるわけだ。
ただ、J-スカイウェブにアクセスしたときの操作性で、ちょっと違和感を覚えたのがいわゆる「リンクのクリック」だ。たとえば、J-SH02やJ-SH03などでは中央の[F]ボタン、他の携帯電話でも中央の方向ボタンを奥へ押し込むなどの動作をするのだが、J-T04は開始ボタン(発話ボタン)を利用する。確かに、J-スカイウェブのメニューにアクセスするときやリンクをクリックするときは、リクエストを送るため、回線を接続するのだが、この点はちょっと他の携帯電話にない使い勝手だ。
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J-スカイウェブにアクセス。最上段に表示されているように、リンクのクリックは開始ボタン(発話ボタン)を押す。 |
同様に、各機能の設定をするときのメニュー操作も独特だ。多くの携帯電話は[F]ボタンを押すと、各機能の設定などをするためのメニューが表示されるが、東芝製の携帯電話やPHSは中央の方向ボタンの右側に[F]ボタンを割り当てていることが多い。このあたりはメーカーの独自性の部分でもあり、あまり違和感を覚えないのだが、メニューの階層構造が意外に深く、分類も少しわかりにくいのは気になる。たとえば、待受画面に表示される「壁紙」の設定は、メインメニューの[3:設定]ではなく、なぜか[4:録音/設定]にあり、その割には液晶ディスプレイの照明(バックライト)の設定は[3:設定]に割り当てられている。画面回りなら画面回りのみ、音声関係なら音声関係のみのメニューに分類すべきではないだろうか。特に、画面回りの設定項目は非常に複雑でわかりにくいというのが正直な感想だ。
さらに、設定項目に複数の選択肢があるの「決定」操作も独特だ。たとえば、多くの携帯電話は設定する機能の選択肢が複数あるとき、方向ボタンで項目を選んで[F]ボタンなどで決定する。しかし、J-T04は[F]ボタン(つまり、方向ボタンの右)を押しても決定されない。画面にも操作ガイドが表示されるのだが、なぜか方向ボタンの右隣にある[マナー/メモ]ボタンで決定する。
J-T04はS-Guideボタンを装備することで、J-スカイウェブの使い勝手の良さを目指したようだが、それ以前に機能設定やメニュー操作などをきちんと整理して欲しいというのが素直な印象だ。東芝製端末を使い続けているユーザーなら、すぐに使えるかもしれないが、その他の端末を使っていたユーザーは少々慣れが必要になることを覚悟しておいた方がいいだろう。
■カラー液晶ならではの仕掛け
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左がJ-T04、右がJ-SH03。J-T04の方が明るいが、コントラストはやや飛び気味。もう少し強くした方が見やすいかも(メニュー内で調整可能)。 |
さて、注目のカラー液晶だが、デキはどうだろうか。J-T04は最大256色表示が可能なカラー液晶ディスプレイを搭載している。サイズ的にも他のカラー液晶ケータイとほとんど変わらないが、比較のために、J-スカイウェブの「J-PHONEキャラクター」に登録されている藤原紀香の画像をJ-T04とJ-SH03の壁紙として登録してみた。
両製品を見比べると、J-T04の液晶ディスプレイはJ-SH03に比べて明るいことがわかる。しかし、画像をよく見てみると、J-T04は全体的に白っぽく、コントラストも弱い。コントラストを調整すれば、多少色味がハッキリしてくるが、全体的な傾向として白っぽい印象は変わらない。ユーザーによって好みもあるが、明るさ重視ならJ-T04、色味重視ならJ-SH03といったところだろうか。いずれにせよ、液晶ディスプレイを重視するユーザーは、店頭などで実働するデモ機を見せてもらい、画面を確認することをおすすめしたい。
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ゲームをダウンロードして遊ぶことができる。画面は釣りゲーム。 |
ところで、6月21日お送りしたNTTドコモの「F209i速報レポート」でも紹介したが、カラー液晶ケータイにも新しい流れが生まれつつある。それは、単にカラー液晶を搭載するだけでなく、カラー液晶を活かした機能や仕掛けを用意するということだ。カラー液晶ディスプレイになったから、待受画面に画像が貼り付けられるなどというのは当たり前の話であり、特定の相手からの着信には特定の画像を表示したり、カラーで楽しめるゲームを用意しようというわけだ。今回のJ-T04も同じように、カラー液晶であることを活かした仕掛けがいくつか用意されている。
たとえば、J-T04には待受画面や起動画面などに利用できる画像を登録しておく「MYアルバム」、液晶画面の背景色や文字の色などを組み合わせる「液晶カラーパターン」、誕生日などの特定の日に表示される「シーズン壁紙」、特定の人からの着信したときにアニメーションを変える「マイアニメーションコール」などが用意されている。
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S-GuideボタンでアクセスできるJ-T04専用のJ-スカイウェブのサイト。キャラクター壁紙やゲームなどをダウンロードできる。 |
また、J-T04ユーザーのための「J-T Club Site」というJ-スカイウェブでアクセスできる専用ページが用意されている。このJ-T Club Siteでは10月31日までの限定として、江口寿史、いがらしみきお、永井豪などのキャラクター画像が配布されており、自分の端末の待受画面や起動画面に設定することが可能だ。J-T Club Siteにはこの他にもオリジナルのゲームや電卓、フォント、カラーパターン、壁紙などが用意されており、オリジナルケータイにドレスアップすることが可能だ。今回は釣りゲームをダウンロードしてみたが、なかなか楽しく遊ぶことができた。何よりもダウンロード時以外に通信費が掛からないというのはうれしいだろう。
着信音については、3和音対応となっており、お気に入りの3和音メロディを15曲まで保存できる「メロディボックス」も用意されている。東芝製携帯電話ではおなじみの自動伴奏機能「ビートアレンジ」は、「ノーマルMIX」「ダンスMIX」「ワルツMIX」「演歌MIX」「サンバMIX」の5種類があり、それぞれに登録してある着信メロディを自由にアレンジすることができる。普通に使うならダンスMIXあたりが確実だが、演歌MIXやワルツMIXなどでウケを狙ってみるのも楽しそうだ。
■好みの分かれる遊び心と楽しさ
J-フォンとしては4機種目のカラー液晶採用モデルとして登場したJ-T04だが、いつものように「買い」診断をしてみよう。
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メール作成画面。標準搭載のフォントは東芝独自のもので、若干、クセがある。パッと見たときはいいが、行数が増えると見にくいかも。 |
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S-GuideボタンでアクセスできるJ-T04専用のJ-スカイウェブのサイト。キャラクター壁紙やゲームなどをダウンロードできる。 |
また、J-T04ユーザーのための「J-T Club Site」というJ-スカイウェブでアクセスできる専用ページが用意されている。このJ-T Club Siteでは10月31日までの限定として、江口寿史、いがらしみきお、永井豪などのキャラクター画像が配布されており、自分の端末の待受画面や起動画面に設定することが可能だ。J-T Club Siteにはこの他にもオリジナルのゲームや電卓、フォント、カラーパターン、壁紙などが用意されており、オリジナルケータイにドレスアップすることが可能だ。今回は釣りゲームをダウンロードしてみたが、なかなか楽しく遊ぶことができた。何よりもダウンロード時以外に通信費が掛からないというのはうれしいだろう。
着信音については、3和音対応となっており、お気に入りの3和音メロディを15曲まで保存できる「メロディボックス」も用意されている。東芝製携帯電話ではおなじみの自動伴奏機能「ビートアレンジ」は、「ノーマルMIX」「ダンスMIX」「ワルツMIX」「演歌MIX」「サンバMIX」の5種類があり、それぞれに登録してある着信メロディを自由にアレンジすることができる。普通に使うならダンスMIXあたりが確実だが、演歌MIXやワルツMIXなどでウケを狙ってみるのも楽しそうだ。
■好みの分かれる遊び心と楽しさ
J-フォンとしては4機種目のカラー液晶採用モデルとして登場したJ-T04だが、いつものように「買い」診断をしてみよう。
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メール作成画面。標準搭載のフォントは東芝独自のもので、若干、クセがある。パッと見たときはいいが、行数が増えると見にくいかも。 |
■ URL
J-T04ニュースリリース(J-フォン)
http://www.j-phone-tokyo.com/company/n/000511_a.htm
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(法林岳之)
2000/07/05 00:00
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