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新しいコミュニケーションの形を期待させるFOMA 902iシリーズ
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


10月19日に発表されたFOMA 902iシリーズ6機種
 10月19日、NTTドコモからFOMAの新ラインアップ「902iシリーズ」が発表された。901iSシリーズの登場から約半年というスパンだが、プッシュトークやトルカ、iチャネル、300万画素オーバーのカメラを搭載するなど、機能、サービスともに一段とパワーアップした印象のラインナップだ。発表内容の詳細については発表会レポートの記事を読んでいただくとして、記者発表で触れた実機の印象などを含め、その内容をチェックしてみよう。


FOMA 902iシリーズの新機能及び新サービス

 今年9月末現在、約1,677万契約にまで到達したNTTドコモのFOMA。ここ数カ月は月に約90万契約以上を獲得しており、今年度中、もしかすると年内にも2,000万契約突破するほどの勢いで普及が進んでいる。今年はじめには普及モデルのFOMA 700iシリーズを投入し、8月から9月に掛けてはDOLCEやFOMAらくらくホンといった企画端末も発表し、さらにラインアップを拡充している。

 今回発表されたFOMA 902iシリーズは、今年6月に発表されたFOMA 901iSシリーズの後継に位置付けられるラインアップだ。901iシリーズから901iSシリーズへ移行した際は、iモード FeliCaやPDF対応ビューア、テレビ電話切替機能の搭載、FOMAプラスへリアへの対応など、地味ながらも実用性の高い機能やサービスを充実させていた。これに対し、今回のFOMA 902iシリーズは、今までになかった新サービスを開始し、端末によっては搭載OSを変更したり、FOMA端末への新規参入メーカーが登場するなど、従来よりもかなりインパクトのある発表となっている。

 サービス及び機能面から見た共通仕様のFOMA 902iシリーズの違いは、大きく分けて、3つある。それぞれの機能について見てみよう。

  1. プッシュトーク対応
  2. トルカ
  3. iチャネル


 この他に、デコメールの強化やテレビ電話の出荷時設定変更、マルチナンバーサービスの開始など、いくつかの発表も同時に行なわれている。


新しいコミュニケーションスタイルを生み出す「プッシュトーク」

プッシュトーク
 さて、今回の902iシリーズでもっとも注目されるサービスは、やはり、プッシュトークだろう。プッシュトークは、音声データをパケットデータに変換して送信し、複数の相手と交互に話すことができる新しいコミュニケーション手段だ。『電話でも、メールでもない、新しいコミュニケーション「プッシュトーク」はじまる』というキャッチコピーからもわかるように、従来の通話やメールといったコミュニケーションとはかなり違趣の違ったサービスとなっている。

 「音声データをパケットデータに変換し……」と書くと、実際の利用シーンがイメージしにくいが、簡単に言ってしまえば、ケータイをトランシーバーのように使い、複数のユーザーが交代しながら発言することで、コミュニケーションをするものだ。プッシュトークのベースになっているのは、「Push to talk over Cellular」という技術で、すでにサービスが開始されている海外などでは略して「PoC」などと呼ばれている。ネットワークはiモードのパケット通信ではなく、FOMAのパケット通信ネットワークを利用しており、発着信などを制御するため、セッションを開始する際にSIPサーバーを経由して接続している。

 プッシュトークでコミュニケーションをする際の基本的な流れとしては、電話帳から呼び出したい相手を選び、プッシュトーク専用ボタンで選択した相手を呼び出し、相手が参加の意思を表示すれば、参加者間での会話が可能な状態になる。呼び出されたユーザーは参加、不参加を選ぶことができ、何らかの都合で不参加を選択した場合でもプッシュトークのセッションが終了していなければ、途中から参加することもできる。

 プッシュトークは従来のケータイの通話と違い、交互に発言しながら会話をすることになるが、セッションには最大5人(プッシュトークプラスでは最大20人)が参加できる。ちょうどメッセンジャーソフトのチャットを音声でやるようなイメージに近い。課金は1回の発言(プッシュ)につき、5.25円という設定だが、ヘビーに使うユーザーのために、月額1,050円の「カケ・ホーダイ」というプランも提供されている。


トランシーバーのように会話する 利用シーン

 具体的な利用シーンとしては、複数のクルマでどこかにドライブに出かける際、クルマに同乗しているユーザー同士で現在地を教え合ったり、待ち合わせ時に居場所を確認し合う、イベントなどでスタッフ間の連絡に使うことなどが想定されている。先にサービスが開始されている海外では、法人ユーザーの需要が多く、ドコモのプッシュトークでも法人ユースを想定したプランなどが用意されている。

 使い勝手の面も考慮されており、N902i以外についてはプッシュトーク時に端末を閉じると、自動的にスピーカーホンに切り替えられるようになっていたり(設定は必要)、イヤホンマイクで話をすることもできる。ちなみに、通常のイヤホンマイクにはプッシュトーク専用ボタンがないため、端末本体を操作する必要があるが、ドコモによれば、902iシリーズの平型コネクタの端子で制御するしくみはすでに開発済みだそうだ。ユーザーのニーズがあれば、プッシュトーク対応イヤホンマイクなども登場しそうだ。

 しかし、実際の使い勝手は通常の通話と違い、少し慣れが必要だ。まず、プッシュトークでは交互に発言するため、プッシュトーク専用ボタンを押して、発言権を獲得する必要がある。発言権が獲得できれば、端末から確認音が鳴り、その段階で話し始めることになる。そのため、慣れていないと、プッシュトーク専用ボタンを押して、すぐに話し始めてしまう。この場合、仮に発言権が獲得できたとしても話の最初の部分が相手に聞こえなかったり、話を始めたのはいいが、実は他の人が発言権を獲得していたといったことが起こり得る。

 また、発言はトランシーバーなどと同じように、プッシュトーク専用ボタンを押したままの状態で操作するのだが、従来のケータイでは「押したままで話す」という使い方がほとんど存在しないため、プッシュトーク専用ボタンを一度、押しただけで離してしまい、発言可能な状態と勘違いして、話をしてしまうといったことも起こる。前述のように、プッシュトークはボタンを押して、発言した回数で課金されるため、こうした操作ミスでも「1プッシュ5.25円」が課金されてしまうわけだ。

 さらに、プッシュトークでは1人が1回(1プッシュ)に付き、最大30秒まで発言できるが、トランシーバー的に使うものだと思い込んでしまうと、「えー、○○さん。現在地はどこですか?」といった具合いに数秒程度で発言を終えてしまう。そのため、短い用件を伝えるだけで「1プッシュ5.25円」が課金され、あまり効率の良くないコミュニケーションになってしまう。つまり、音声によるコミュニケーションができるというアドバンテージはあるが、実はメールでやり取りした方がカンタンという考え方もあるだろう。特に、現時点ではプッシュトークを使える端末が902iシリーズに限られているため、実際にはメールの方が実用性が高いとも考えられる。


 プッシュトークは「カケ・ホーダイ」という少し刺激的なネーミングのプランが用意されていることもあり、ウィルコムの通話定額やボーダフォンのLOVE定額のように、音声通話定額制への参入と見る向きもあるようだが、音質なども含めた実際の使い勝手は、従来のケータイの通話とは異なる性質のコミュニケーションだと捉えた方が賢明だろう。

 とは言うものの、プッシュトークは今までにない新しいコミュニケーションの手段であり、ユーザーの工夫次第で、予想だにしなかった活用例が登場してくることも十分に考えられる。かつてiモードメールが登場したとき、「メールはパソコンやPDA、専用端末が便利」「受信に料金が掛かるのは……」と言われたが、実際にこれだけ普及してきたことを考え合わせると、「プッシュトーク=主に法人ユーザー向け」とは言い切れない面もある。個人的にはメールをはじめとする文字コミュニケーションに慣れてきた世代がプッシュトークを利用した新しいコミュニケーションスタイルを生み出してくれるのではないかと期待しているのだが……。


料金体系 法人向けの「プッシュトークプラス」

お店の情報をコミュニケーションにも活用できる「トルカ」

 900iシリーズでは1機種、901iシリーズでは3機種、901iSシリーズでは標準搭載となったFeliCaだが、902iシリーズでも全6機種に搭載されている。FeliCaそのものの仕様は特に変更されていないが、新たに「トルカ」というサービスに対応している。

 トルカは簡単に言ってしまえば、よく飲食店のレジ付近などに置かれているレストランカードやショップカードをデータ化し、それをFeliCaのデータとして、扱えるようにしたサービスだ。店舗に置かれているトルカ対応リーダーライターに902iシリーズをかざすことで、そのお店が配布したい情報などを端末に読み取ることができる。よく似た仕組みのサービスとして、テックファームの「タウンポケット」、NECの「トクトクポケット」などがあるが、これらのサービスではiアプリをあらかじめインストールしておかなければならなかった。これに対し、トルカは購入した902iシリーズに何も変更を加えることなく、トルカ対応リーダーライターにかざせば、必要な情報が端末に保存される。また、保存した情報は分類して保存したり、メールや赤外線通信、メモリカードなどを経由して、友だちに渡したり、交換するといった使い方もできる。

 トルカで配信される情報については、ショップカードやレストランカードだけでなく、クーポン券や広告なども想定されている。ユーザーにとっては、さまざまな店の情報が得られ、端末上でいつでも参照できるというメリットがあるが、問題はどれだけの店舗にトルカ対応リーダーライターが設置されるかだ。これは裏を返せば、いくらでトルカ対応リーダーライターが設置できるのか、リーダーライターへの情報の書き込みがどのようにできるのかなど、店舗側の負担によって、普及が大きく変わることになることを意味している。特に、前述の類似サービスではこうした部分の負担が大きく、「カードを印刷した方が安上がりだし、幅広い客層にアピールできる」という声もあり、ほとんど普及に至っていない。トルカがどれだけ実用的なサービスに発展するのかは、こうした端末のスペック以外の部分にかかっているのかもしれない。

 ちなみに、トルカとはまったく無関係だが、同じFeliCaを利用する「モバイルSuica」については、今回の発表でも対応が明らかにされなかった。モバイルSuicaは2006年1月にもサービスを開始する予定であり、対するauがW32HとW32SでモバイルSuica対応と謳っていることを考えれば、そろそろ何らかの発表を聞きたかったのだが……。


iチャネルに対応

902iシリーズは全機種iチャネルに対応
 902iシリーズ第3の特徴は、iチャネルだ。iチャネルについては、すでにFOMA 701iシリーズに搭載されており、基本的に今回の902iシリーズで仕様が変更された部分はない。ただし、ユーザーが最大5つまで選んで登録できる「おこのみチャネル」のコンテンツも増えており、今後のさらなる普及が期待される。

 ただ、iチャネルは701iシリーズの発表会でも述べられていたように、元々、「iモードコンテンツにアクセスしないライトなユーザーの需要を掘り起こす」ことを目的としていたはずだ。サイトへの接続をあまりしないユーザーを対象に、月額157.5円で情報を配信することで、ケータイでコンテンツを閲覧することに興味を持ってもらいたいと考えていたわけだが、結局、高機能モデルの902iシリーズにも搭載されることになった。

 iチャネルというサービスは、90Xiシリーズを購入するようなヘビーユーザーにとっても便利なサービスのひとつだが、そうなると、逆に70Xiシリーズの位置付けがややあいまいになった感も残る。iチャネルというサービスそのものがどうと言う話ではないが、こうした対応サービスの増え方を見る限り、NTTドコモの90Xiシリーズと70Xiシリーズというラインアップ構成は、今ひとつ位置付けがハッキリしていないように見えてしまうのだが……。


SOシリーズも加わり、全6モデルをラインナップ

 さて、902iシリーズのラインナップだが、発表会のレポートにもあるように、従来の901iSシリーズを供給してきた5社に、ムーバで端末を供給してきたソニー・エリクソンが加わり、合計6モデルがラインナップされた。ここでは発表会で公開された実機の印象を紹介するが、今回は試用時間が非常に短く、いずれも開発中のモデルであったため、実際に発売される段階では印象などが変わっている可能性があることをお断りしておく。


【D902i】


 D901i、D901iSに引き続き、スライド式ボディを採用した端末だが、液晶ディスプレイが2.8インチと大きくなっているのが特徴だ。D901iSで好評のワンプッシュオープンも継承されたが、ボディは19.5mmとかなり薄くなり、扱いやすくなった印象だ。発表会のプレゼンテーションで夏野氏が述べていたように、スーツの胸ポケットなどに入れておいても違和感のないサイズに仕上がっている。メニュー周りの操作感はメニュー表示をFlash対応のものにすると、やや遅く感じられるが、通常のタイル表示にすれば、ある程度、快適に使うことができた。


【F902i】



 FOMA端末において、いち早くSymbian OSを採用し、もっとも早いペースで開発を続けているFシリーズ。F902iもF900iCから続く指紋センサーを採用し、ICカードロックや開閉ロックを搭載するなど、セキュリティ面の機能が充実している。デザイン的にはラウンドディスプレイを採用するなど、今までと違ったアプローチが見られるが、意外な特徴は表示フォントを選べるようにしている点だ。一般的なゴシック体に加え、モリサワ製の「リュウミン」と呼ばれる明朝体フォントを選べるようにしており、今までのFOMA端末と画面の印象がかなり違ったように見える。ミュージックプレーヤーの仕様などは変わらないが、ミュージックプレーヤー専用メニューを搭載し、クイック起動に登録することで、すぐにプレーヤーを起動することが可能だ。


【N902i】


 N901iCまでのアークラインをやめたNシリーズは、N901iSを進化させたようなデザインを採用している。ニューロポインター、フルブラウザなどの機能も継承されているが、カメラは業界初の静止画デジタル手ぶれ補正を実現している。実際に、端末をかなり揺らしながら撮影を試みたが、確かにブレのほとんどない(実画像を拡大表示していないため、手ぶれがないとは言い切れない)静止画を撮影することができた。詳しいしくみについてはまだわからないが、敢えて「デジタル手ぶれ補正」と謳っていることから、ムービーを撮るように映像をメモリに記憶し、シャッターを押した瞬間の画像と前後の画像をデジタル処理することで、手ぶれのほとんどない静止画を実現しているのではないかと予測される。また、メニュー周りの操作感は若干、改善された印象だが、MAIN MENUの画面に新たに「ランチャー」と呼ばれるメニューが加えられ、今までよりもグラフィカルなユーザーインターフェイスでの操作も可能にしている。


【P902i】


 カスタムジャケットで高い人気を維持しているPシリーズ。P902iでもカスタムジャケット、ワンプッシュオープンという人気ポイントを継承している。ヒカリ×カスタムジャケットはP901iSのドットエリアと違い、カメラ部横のLEDが点灯する形式に変更されているが、カスタムジャケットそのものが少し透けているため、カメラ部周囲が淡く光るような演出になっている。SD-Audio対応の音楽再生も継承されたが、今回はBluetoothにも対応しているため、市販のワイヤレスヘッドフォン(ヘッドセットではない)で音楽を聴くことも可能だ。また、SD-BINDにも対応したことで、miniSDカードに著作権保護データを保存できるようにしている。P901iSで不満が多く聞かれたメニュー周りの操作感についても改善されており、アイコン表示などの画面演出とも相まって、ストレスの少ない状態で操作できるようにしている。


【SH902i】


 今回発表された902iシリーズの内、901iS世代と比べ、もっとも大きく変化したのがSH902iだ。従来のリアルタイムOSに代わり、SH902iではSymbian OSを採用したほか、液晶ディスプレイもDOLCEで好評のVeilViewモバイルASV液晶を搭載し、SD-Audioに対応した音楽再生機能、ファイルダウンロードに対応したフルブラウザを搭載するなど、かなり変更が加えられている。ただ、ユーザーインターフェイスなどは従来のSHシリーズの使い勝手をうまく継承しており、メニュー画面の一部を除いてはSymbian OSライクなユーザーインターフェイスは見られない。操作感は従来とほぼ同等か、F901iSやD901iSなどと同じ程度で、それほどストレスは感じられなかった。


【SO902i】


 FOMA端末初供給となるソニー・エリクソン製端末だ。外見はpremini IIの流れを汲んだデザインで、FOMA端末としては非常にコンパクトにまとめられている。今回発表された902iシリーズの内、唯一、連続通話時間などのスペックが明らかにされておらず、発売ももっとも遅くなる見込みだ(来年春?)。premini IIライクなコンパクトボディながら、キー部分を波形にしたウェイブデザインを採用したり、クリアキーを方向キー下にレイアウトするなど、使い勝手の面もよく考えられている。ちなみに、OSは明らかにされていないが、FOMA端末の開発でシャープと協業することが発表されており、同じSymbian OSが採用されているものと予想される。ただ、ユーザーインターフェイスはFシリーズやDシリーズのようなSymbian OSらしさがほとんど感じられず、ムーバのSOシリーズに近い使い勝手を実現している。今回試用した端末はまだ動作が不安定な部分もあったが、全体的な操作感は軽快な部類に入ると言えるだろう。


次なるステージに進むFOMA 902iシリーズ

 駆け足の紹介になってしまったが、以上がFOMA 902iシリーズの発表会で得られた印象だ。今回は発表会後に試用及び取材時間が限られていたため、今ひとつ把握し切れていない部分もあるが、それらについては発売後に製品版の端末で紹介する予定なので、ご理解いただきたい。

 ドコモのFOMAは、20XX/21XXシリーズから90Xiシリーズに置き換わったことで、新たな世代に入り、着実に進化を遂げてきた。今回の902iシリーズを見た限り、その着実な進化は901iSシリーズがひとつの到達点であり、902iシリーズはFOMA 90Xiシリーズが次なるステージへ進むための第一歩になったという印象だ。

 なかでもプッシュトークは902iシリーズの象徴的なサービスであり、今後のユーザーの反響が非常に注目される。発表会で顔を合わせた業界関係者の間でも賛否両論の意見が聞かれ、筆者も正直なところ、本当に普及するのか、便利なのかが今ひとつ把握できかねている。902iシリーズにはいくつかの新しいセールスポイントがあるが、このプッシュトークというサービスをどう捉えるかで、最終的に902iシリーズを「買い」と言えるのか、そうではないのかが決まることになるのかもしれない。読者のみなさんは、プッシュトークをどのように使いたいだろうか。902iシリーズの発売を待ちながら、じっくりと使い方を考えてみて欲しい。



URL
  902iシリーズ製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20051019.html

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(法林岳之)
2005/10/20 18:59

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